快晴の西穂、初登頂。〜天狗で折り返し
- GPS
- 32:00
- 距離
- 9.4km
- 登り
- 1,158m
- 下り
- 1,156m
コースタイム
09:50 西穂山荘着(テント設営+準備)
10:48 西穂山荘出発
11:02 丸山
11:50 独標
12:09 8峰(ピラミッドピーク)
12:55 西穂高岳
13:31 P1
14:03 赤岩岳(?)
14:34 間ノ岳
15:36 天狗岳 着
(西穂山荘から、往路4時間50分)
15:45 天狗岳 発
16:58 間ノ岳
17:21 赤岩岳(?)
18:01 西穂高岳
18:55 8峰(ピラミッドピーク)
19:17 独標
20:30 丸山
21:00 西穂山荘着
(復路5時間15分)
天候 | 快晴・そよ風、気温も快適! 「しかし当初は、あそこまで行くつもりはなかったのです」 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
第1ロープウェイ乗り場ではなく、中継点の第2ロープウェイ乗り場から乗ったほうが、 便利かつ駐車場も安いと思います。 (第1乗り場近くの駐車場は、\500/6時間、第2乗り場のは1泊\300) 8:45の始発ぎりぎりでも、この日はまだ駐車場の空きは十分ありました。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
気温はロープウェイの山上駅で25℃前後、夕方18:00頃の西穂高岳山頂で10℃ほどでした。 雪渓の名残がほんの少し残るくらいで、登山道に雪はありません。 |
写真
感想
西穂高岳は私にとって、「いつかは行きたい憧れの山」です。
「初心者だから、もっと腕を上げてから」…てな気後れもありました。
しかし、いつまでも取っておくのはもったいない。まずは練習がてら、いこうじゃないの!
と思ったが吉日。
例によって前夜から乗り込み、星空の下、駐車場で夜明かしすると、翌朝は期待通りの青空です。
満員のロープウェイを降りると、1時間ほどで西穂山荘へ。意外と近いな!
そこで今日の屋敷を設営し、荷物を軽くして、いざアタック開始!
…そしてほどなく、渋滞に捕まります。
アタックなんて一人気合入れてたのが恥ずかしいくらい、周りは歩きを楽しむ人々。
無理のないペース、天気も気温もいいし、これはこれで気持ちよい。
「なんだ、思ってたよりフレンドリーな山じゃないかっ」などと安心します。
そんな思いは、人口過密の独標を過ぎ、西穂高岳に着いたあたりで霧散しました。
前を見るからに「ここから先は、一見さんお断り」的な雰囲気ムンムンです。
沢山いた人々もいつの間にか減って、西穂から先へ踏み出す人は、玄人が数人という感じ。
しかしまだ13:00だから、戻るにはあまりに早い。(戻っても寝るだけやしなぁ)
結局、好奇心には勝てず「16:00までで絶対折り返しを」と決めて前進続行。
その時間なら、暗くなっても安全な道に戻れると踏みました。
さて、先へ進むと山容も道も、ここからは明らかに様相が一変します。
基本的に、進行方向にある「○・×・↑」を探して従わないと、前には進めません。
それでも油断すると、浮石を崩して落としそうな、不安定なガレ場が続きます。
下が見えず、思わず愕然とするようなルートを一気に下らされたと思ったら、
次はほんの靴幅ほど滑っただけで、はるかな崖下へ直行する、洒落にならない岩壁に
よじ登らされたりで、そりゃもう胃が痛くなるような緊張が。
鎖のせいで、錆びた鉄の臭いのする手が、汗でピッケルを滑らせます。
新コーナーに到着するたびに「えええ まじっすか!」を連発してました(笑)。
アドレナリンが滲み出しっぱなしで、そのうち高所感覚が麻痺してきます。
「そりゃまあ、5m落ちても50m落ちても、この岩場なら結果は同じでしょう」みたいな
妙な割り切りをして、無理やり恐怖に蓋をしている自分がいます。
(そこで後悔するとか、戻る、って選択肢はないという不思議)
少し慣れてくると、不可能に思えるルートも、目印に沿っていくと「なるほどこうやって
進むのか」と腑に落ちてきます。
ひとつひとつ、順番に問題をクリアしていくような快感が生まれて来ました。
落ち着いて3点支持をしっかりキープしていけば、それほど怖くはありません。
(ええ、嘘っス。)
ただ、今回ピッケルは持ってきてよかった、と心底思いました。相棒の刃はずいぶん
丸くなりましたが、おかげで良い練習になりました。
(次はヘルメット買えよ)
いままで登った山にはなかった絶景やら恐怖やら疲労にやられながら、
いつか「登らされている」という感覚が「楽しい、もっと先にに行きたい」に変わってました。
これがクライマーズ・ハイってやつですか先生。よくわかりませんが。
気がつけばあっという間に限界の16時前。天狗岳で自分撮りしたあと、ふと我に帰ります。
目の前には天狗のコルが、すとんと切れ落ちていて、これ以上はまずい、と全身で感じました。
そうやって振り返ったときに思い知ったことは、「あんたがさっき登り降りしてきた分だけ、
降り登りしなきゃ帰れないんだよ」って現実(笑)
こんな壁、どうやって向こう側から来たんだ??てな岩峰が、順番に鎮座しています。
こちらは体力も消耗して、水も残り300ccほど。うーん参ったけど帰るしかないな。
どこをどう通ったかは、あまり記憶にありませんが、巻き道はないので、行きとまったく
同じルートをたどって、どうにかこうにか夢中で帰ってきたものと思います。
ただ、夕陽が桁外れにきれいだったことだけ覚えてました。
さすがに独標あたりで陽も落ちて、ヘッデンの灯りを頼りにナイトハイク。
喉もカラカラ、足はフラフラで、どうにか丸山まで降りてきたときに、暗闇で話し声が。
そこには5人ほどの若い人たちがいて、「コーヒーいかがですか」と声を掛けてくれました。
ありがたいー!
たぶん人生で数本の指に数えられる、美味しい、沁みるコーヒーでした。
しばらくハナシに混ぜてもらって、元気が戻りました。
結局テントに帰り着いたのは21:00。疲れて飯も食べずに、寝袋にバタンキューしました。
…と思いきや、横のテントから、ものすごいイビキが!
音量もすごいけど、それ以上に面白くて、すっかり目が覚め、音を聴きながら一人酒を飲み、
ニヤニヤしながら小説読んでましたすみません。(*´ェ`)
翌朝、下山途中で知り合った、めっちゃ元気な奈良のKさんと愛知のKさんと道連れになり、
ノリで一緒に温泉まで入ってきました。(西穂って、関西人が多いのはなんでやねん?)
今、これを書きながら、西穂の写真を見て、改めてすごいところだったなと驚いてます。
結局、夢中になって進んで予定外の長ルートになってしまいましたが、(いつものことか)
初心者のクセに、いままででサイコウに濃い時間を過ごせた山行だったな、と実感です。
ああ、これだから山は良い。 さてつぎはどこへ登ろうぜ?(笑)
山荘前のテント場がごったがえしてたので、
誰か知り合いがいそうな気がして偵察には行ったんですが、この行動では会えっこないですね(笑)。
捻挫の具合は良さそうで何よりですが、
ちょっと冒険が過ぎる気が…。
先へいったんですね。
かぶり付きで、拝見させてもらいました
とても、先へはいけませんが、やはり素晴らしい景色で、追想頂きました。
濃い山、濃い一日。
最高でしたね!!
奈良と愛知のKさんには大ウケ
奈良のKさん、ああ見えて私には、山の神さんの使い?
でしたんよ〜。
アタックは翌日に廻して、ご一緒に飲みたかったです!(ぇ
たしかに今回はこの山に来て、しかもこの天気ですし、すこし調子に乗りすぎました…
しかしほんとに夢中になる山だと思います、西穂高岳。
疲れ果てて帰宅したあと、すごい充実感に包まれてましたw
脚の痛みはまだありますが、もう大丈夫です。
あああしかし、ニアミスしたのが残念!!
西穂高、本当に濃い山ですよね!
ぜひまた腕を上げたら、その先へチャレンジさせていただきたいです
わたしがお会いしたお二人に、先に逢ってらしたんですね!
くだんの山の神様は、途中で逢った山ガールお2人組のことを楽しく語ってましたよ〜
まったくうらやましい限りでした(笑)
初めて行って天狗岳までは素晴らしい!
あそこまで行けたら、奥穂は大丈夫でしょう、ただマーカーがめっきり少なく薄くなっていきます、ガスが掛かると方向解りにくい!何度も行った人もわかりにくいと言ってた!
天狗のコル下りのクサリ支点が緩いそうです!すれ違ったヒトがはねられて堕ちたそうです(>_<)!
今度は是非ジャンダルム・馬の背を越えて北穂・大キレットから槍の縦走をしてください!
前穂もいいですよ!
無事に帰れたのは、お天気のおかげですね
諸兄のレコを拝見していると、馬の背なども、こともなげに越えている方々が沢山おられるので、どんなものかなーと思ってました。
途中までで、これだけびびってるようでは、「まだまだ百年早いわ」と山に追い返されそうです。(笑)
しかしいつかー、腕を上げたら、時間の余裕をしっかり持って、まずは奥穂まで、再チャレンジしたいと思います。
(まだ山小屋泊をやったことがないので、つぎはぜひ、荷を軽くして )
槍ですか・・・うーん行ってみたい!
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