槍ヶ岳BC 大喰カール・飛騨沢滑走 今シーズンの総決算なのだ
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- GPS
- 23:18
- 距離
- 35.1km
- 登り
- 3,752m
- 下り
- 3,814m
コースタイム
新穂高温泉4:00−穂高平小屋5:00−白出沢出合5:47−滝谷避難小屋8:12−槍平9:35〜9:50−飛騨乗越14:35−槍ヶ岳山荘15:00
2日目
槍ヶ岳山荘6:15くらい?ー槍ヶ岳山頂6:49−槍ヶ岳山荘7:35〜8:05−大喰岳8:45−滑走開始9:25−槍沢9:38−ハイクアップ開始10:05−槍ヶ岳山荘12:27〜13:10ー飛騨乗越13:20
滑走開始13:38−槍平時刻不明−滝谷避難小屋14:10−白出沢出合16:23〜
16:45−新穂高温泉18:35
天候 | 3日 晴れ 後 暴風あられ 後晴れ 4日 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2014年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
白出沢出合までの林道は全て除雪されています。 スキーの方は、別途靴を持っていかれることを推奨します。 自分は滝谷避難小屋に軽登山靴をデポしました。 ブドウ沢から槍平までは雪崩に注意。 今の時期はコンディションによっては全層雪崩の危険があります。 今回雪は安定していましたが、群発地震が起きていたようでゾッとしました。 チビ沢は大規模なデブリで埋まっています。 滝谷と槍平の中間地点までは常にデブリだらけです。 但し下りは滝谷まではデブリも問題なく滑って降りてこれます。 全般的に雪解けの落石注意。 当たり前ですがこの時期の北アルプスはアイゼン、ピッケルが必要です。 特に槍の穂先と大喰岳はピッケル必須。 それ以外はストックでもOKですが、稜線は突風が吹くので耐風姿勢をとるためにもピッケルは持ってゆきましょう。 槍の穂先は早い時間帯でないと雪が緩んで危険です。 鉄梯子と鉄梯子の間で2か所雪面を登る箇所があります。 ピッケルのピックがしっかり刺さる時間帯を推奨します。 ピッケル、アイゼンワークに自信のない方は登らない方が無難です。 |
予約できる山小屋 |
槍平小屋
|
写真
装備
個人装備 |
ビーコン 1 ORTOVOX3+
プローブ 1
スコップ 1
シール 1 G3
スキーアイゼン 1 G3
板&ビンディング 1 Atomic Aspect G3 Onyx
兼用靴 1 GARMONT RADIUM
ストック 1 Black Diamond
ピッケル 1 Simond 旧
アイゼン 1 梶田 旧
ヘルメット 1
ゴーグル 1 UVEX
サングラス 1
バラクラバ 1
ヤッケ 1
オーバーズボン 1
グローブ 2
毛糸手袋 2
ダウンジャケット 1
毛糸帽子 1
フリース上下 1
テルモス 1
日焼け止め 1
予備電池 4
ヘッドランプ 1
コンパス 1
地形図 1
スマートフォン 1
予備電源 1
行動食 3
ティッシュ 1
カメラ 1
スキーワックス 1
シールワックス 1
替え下着靴下 1
プラティパス 1
30Lザック 1 deuter
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感想
今シーズンのバックカントリースキー総決算として槍ヶ岳に滑りに行ってきました。
本来2泊3日の予定でしたが、5日の天気が芳しくないということで、1泊2日に急遽変更です。
今回のノルマは
1.穂先に登る
2.大喰カールを滑る
3.飛騨沢を滑る
なかでも2番目は以前から夢に見ていたので、外すことはできません。
初日は新穂高を4時に出ました。
白出沢出合までは林道歩きなのですが、まさかのフル除雪。
シールで楽々の夢はもろくも崩れ去りました。
でも今回はハイキングシューズ持参。
滝谷避難小屋にデポの予定です。
ハイキングシューズのまま白出沢出合から夏道をゆきます。
川沿いには結構下るので、ブドウ沢あたりまでハイキングシューズで夏道を行って、滑って耐えられなくなった段階でスキーブーツに履き替えます。
デブリを伝って川沿いに降りて、そこからシール登行になりますが、行く手はデブリデブリデブリ。
滝谷の方はまだ落ちていない雪がタップリあります。
後で知ったのですが、なんと槍平を震源とする群発地震があったそうな。
クワバラクワバラ。
槍平までは良く晴れていて、雪がぐずぐずになっています。
こんな日は全層雪崩日和です。
幸い身近に雪崩の轟はありませんでした。
槍平から一気に高度を増してゆきます。
新穂高から標高差2000mはきついです。
ここを日帰りする人がいますがenoshimanにはもはや無理です。
数歩登って休むを繰り返しているうちに、急速に天候がおかしくなってきました。
突風にみぞれが混じって痛いのなんの。
おまけに視界が悪くなって10mあるかないかになってきました。
次の竹竿が全く見えないので、進捗度が測れず、精神的によろしくありません。
息も絶え絶えに飛騨乗越に辿り着きます。
稜線は暴風が吹き荒れていて耐風姿勢をとらないと、背中の板ごと飛ばされそうです。
思った以上に時間がかかり天候もこんな状況で、早々に小屋に逃げ込むしかありませんでした。
翌朝、朝食をとって直ぐに槍の穂先にアタックです。
スキーブーツにアイゼンを装着し、カメラとピッケルだけ持って出発です。
ピックが雪面に気持ち良く刺さって、安心感があります。
とりあえず今のところ誰も落ちていないみたいなので大丈夫でしょう・・・
楽観的なえのしまんも降りてくる人とのすれ違いにはかなり緊張します。
2か所ほど雪面を登るところがあって、ピッケルとアイゼンだけが頼りです。
最後の鉄梯子を登って山頂到達!
登らなきゃわからない絶景が広がっています。
登ったら降りなきゃいけません。
再びピッケルを頼りに雪面を降ります。
ふー生きてて良かった。
さあ次はいよいよ大喰カールです。
スキーを担いで一旦飛騨乗越に降りてから大喰岳への登りです。
山スキーをやっていなかったら気にも留めなかったであろう山頂ですが、自分の中では聖地になっています。
ここから見る槍は格別です。
そして神々しいまでの大喰カール!
誰もいない大斜面を独り占めです。
斜面は少し硬めのザラメで絶好のコンディション。
3101mの山頂からドロップイン!!!
これぞ至福のひととき。
表層雪崩のデブリの間を滑り降ります。
あっという間に槍沢に合流。
天狗原分岐の少し上で、快感のあとは過酷な登り返しです。
今回もなんちゃってアクションカメラを仕込んだのですが、なんと撮影失敗に終わりました。
こんな豪快な斜面が記録に残っていないのは痛い。
あっという間に降りてきた割にはグリーンバンドより下なので槍の穂先が見えません。
もう一泊したいという欲求。
でも明日は荒れるよね。
頑張って12:30に再び槍の肩に到着。
ご褒美にキッチン槍でカレーライスを食べます。
食休みしたら本日二回目の飛騨乗越へ。
さあドロップイン。
こちらも極上の斜面が待っています。
先ずは槍平までの標高差1000mのダウンヒルです。
上部はハードパック、中盤はザラメ、最後はグシャグシャのストップスノー。
更に滝谷まで下ります。
槍平を過ぎるとデブリが目立つようになりますが、滑りに支障はそれほどありません。
避難小屋までは板を外さず滑ることができました。
動画は飛騨乗越から滝谷避難小屋までの記録です。
カメラが斜めになってしまったので、右側が重点的に写っています。
やっぱGoPro欲しい。
ハイキングシューズを回収し、再びチビ谷のデブリを越えて帰路につきました。
何とか明るいうちに下山できました。
素晴らしい山行に見合うだけの疲労感が残りました。
enoshimanさん、こんにちは。
スキーかついで槍というのは尋常じゃないですね。
すごい体力脚力です。
このルート、私のスキーレベルではとても無理です。
また、富士山の八合目あたり行こうかな。
富士は最近規制がいろいろと出そうなので
もう自粛したほうがいいかもしれませんね。
スキー担いで突風は勘弁ですよね。
私も昔、千畳敷の八丁坂で飛びそうになりました。
スキー担いで突風に煽られるのを
ヘリコプターって言うんですよ。
ヘリみたいに飛ばなくて良かったですね。
yamaheroさんこんにちは!
いえいえ体力の限界を思い知っております
初日は登るだけで精一杯でした。
多くの山スキーヤー猛者にとって飛騨沢は日帰りコースらしいのですが、私には真似できません
ヘリコプターはちょっと勘弁ですね
徳沢園あたりまで飛んでゆきそうです
ご無事でしたね〜
3日の飛騨地方の地震はびっくりでした。 雪崩の危険倍増ですからね、もしも…なんて心配してましたよ(^_^*)
にしても最高の集大成じゃあーりませんか〜☆☆☆
あの景色の中で、自分のシュプールを描いてくるなんて素敵ですわ(*^^*)
私はその滑ってる日に三股から常念ー蝶を縦走してきたんですよ。
蝶で泊まって、今日帰ってきました。
槍沢を滑るえのしまんさんを見ましたよ! なんてのはうっそー(笑)
anthemさんこんにちは!
キャー、常念ー蝶なんていったらこっち丸見えじゃないですか!
槍ヶ岳でビビってたのが見えてたりして
それにしても随分早いお帰りですね。
また超高速登山だったりして
登っている間は地震来てたの知らなかったんです。
時間的には丁度震源の槍平にいる頃に震度3が来てるはずですね。
まあ地震知らなくても雪崩にはビビりまくっていたんですが。
あまりにもデブリがたくさんあるので、デブリマンに改名しようかと思いました。
今回はビビり5連発(滑落、落石、雪崩、突風、視界不良)でした。
これでひと段落したので、えのしまんはお気楽登山に戻ります
enoshimanさんへ お返事です
動画拝見しました。
う〜ん、滑ってみたいー!
14分に編集されていましたが、実際はどれくらいの時間滑っているんですか?
最後の方は大変そう。
でもその分ドロップ直後の爽快な滑りは美味しいですね。
私はパウダーグルメなので高所はあまりやらないのですが、
行ってみたくなりました。
bmwr1100rsさんいらっしゃいまし。
見苦しい動画すみません。
飛騨乗越から滝谷避難小屋までのタイムを見る限り、約30分です。
つまり動画に写っていない半分は槍平の漕ぎ漕ぎ以外ゼイゼイハアハアしていたわけです。
ゼイゼイハアハア削ると半分以下になるわけですね。
最後の方はデブリの上です。
動画の終わり部分は滝谷の避難小屋があるところです。
槍ヶ岳からの展望、最高ですね。
残雪期の北アルプスの頂点からのあの景色は正しく極楽です。
大喰岳からの眺めもいい感じですね。
そしてそこからのカールへの滑り、次回は私も狙いたいです。
ただ登り返しがきつそうですが・・・・
お陰様で無事帰って参りました
tekapoさん達のレコ、めっちゃ役にたちました。
有り難うございました。
1日短縮になってしまいましたが大喰カールを滑るという最大の目的を果たせたのでよかったです。
登り返しは確かにキツいですが、それだけの価値は間違いなくありました。
来年は槍沢から登って、本谷右俣カールを攻めてみたいです。
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