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Yamareco

記録ID: 485500
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
奥秩父

奥秩父主脈、金峰山〜甲武信ヶ岳を2泊3日で縦走

2014年07月24日(木) 〜 2014年07月26日(土)
 - 拍手
体力度
7
1〜2泊以上が適当
GPS
27:16
距離
30.4km
登り
2,635m
下り
3,011m
歩くペース
標準
1.21.3
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

7月24日(木)
瑞牆山荘9:25→10:16富士見平小屋→11:16大日小屋11:26→12:07大日岩12:15→13:43砂払の頭→14:12金峰山小屋分岐→14:54金峰山山頂(昼食)15:20→15:30ケルン・登山道は右折→15:54鉄山→16:29朝日岳→17:03朝日峠→17:40大弛峠・大弛小屋(幕営)

7月25日(金)
大弛小屋6:03→6:57前国師岳→7:10北奧千丈岳7:23→7:36国師ヶ岳7:50→8:00天狗尾根分岐→9:44国師のタル9:57→10:55東梓(昼食)11:37→12:45両門ノ頭→13:28富士見13:38→14:25ミズシ14:40→14:56千曲川源流分岐→15:28甲武信ヶ岳山頂15:46→16:03甲武信小屋(幕営)

7月26日(土)
甲武信小屋4:54→5:10甲武信ヶ岳山頂5:19→5:55三宝山6:07→6:10三宝石6:26→6:49巻き道へ→6:58甲武信小屋(テント撤収・朝食)8:11→8:34木賊山→8:40縦走路から戸渡尾根へ→10:03分岐・徳ちゃん新道へ→11:06尾根左折→11:52徳ちゃん新道入口→11:58近丸新道入口→12:02東屋(着替え)12:40→12:54西沢渓谷入口バス停
過去天気図(気象庁) 2014年07月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス
中央線韮崎駅からバスで瑞牆山荘へ(1日6便。ただし1便目は別系統のバスから増富温泉で乗継ぎ)
西沢渓谷入口からバスで中央線の塩山駅(1日4便)か山梨市駅(1日5便)へ
コース状況/
危険箇所等
瑞牆山荘〜金峰山〜大弛峠〜国師ヶ岳間と甲武信ヶ岳山頂〜西沢渓谷間は登山者が多い区間。
国師ヶ岳〜甲武信ヶ岳山頂間の縦走路も、踏み跡はしっかり付いており、赤テープのマーキングも多く、迷いやすい所や危険箇所は少ない。
9時過ぎに瑞牆山荘に到着。身支度の後、9時25分に出発。登山者はまばら。
2014年07月28日 15:13撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
7/28 15:13
9時過ぎに瑞牆山荘に到着。身支度の後、9時25分に出発。登山者はまばら。
富士見平小屋を通過。水場でおいしい水を補給。登山者は数組、瑞牆山に向かう人が多いか。
2014年07月28日 15:15撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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7/28 15:15
富士見平小屋を通過。水場でおいしい水を補給。登山者は数組、瑞牆山に向かう人が多いか。
大日小屋を過ぎ、急登して大日岩に近づき、見上げる。
2014年07月24日 11:54撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
7/24 11:54
大日小屋を過ぎ、急登して大日岩に近づき、見上げる。
大日岩で休み、12時15分に出発。ここから奥秩父主脈縦走路に乗る。
2014年07月28日 15:17撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
7/28 15:17
大日岩で休み、12時15分に出発。ここから奥秩父主脈縦走路に乗る。
この縦走路はまた、山梨県と長野県の境界尾根であり、富士川と千曲川の水系を分ける本州の中央分水嶺だ。
2014年07月24日 12:37撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
7/24 12:37
この縦走路はまた、山梨県と長野県の境界尾根であり、富士川と千曲川の水系を分ける本州の中央分水嶺だ。
多くの下山者と出会い、急登の後、ようやく砂払ノ頭に着く。ここから岩場の稜線歩き。
2014年07月24日 13:43撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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7/24 13:43
多くの下山者と出会い、急登の後、ようやく砂払ノ頭に着く。ここから岩場の稜線歩き。
金峰山の山頂に向かって、右の山梨県側は切り立った崖だ。ガスが出てきて、もはや下山者とも出会わない。
2014年07月24日 13:52撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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7/24 13:52
金峰山の山頂に向かって、右の山梨県側は切り立った崖だ。ガスが出てきて、もはや下山者とも出会わない。
瑞牆山と、右に主脈稜線上の小川山。
2014年07月28日 15:20撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
7/28 15:20
瑞牆山と、右に主脈稜線上の小川山。
金峰山小屋が見える。
2014年07月28日 15:24撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
7/28 15:24
金峰山小屋が見える。
五丈石。よくぞ天然にこのように石を積み上げたものだ。
2014年07月24日 14:39撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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7/24 14:39
五丈石。よくぞ天然にこのように石を積み上げたものだ。
ようやく金峰山山頂に14時50分に到着。もはや他に誰も来ず、ガスで展望もない。遅い昼食をとり、15時20分に大弛に向け下山。
2014年07月28日 15:26撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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7/28 15:26
ようやく金峰山山頂に14時50分に到着。もはや他に誰も来ず、ガスで展望もない。遅い昼食をとり、15時20分に大弛に向け下山。
いくつかのケルンにつられ、まっすぐガレ場に入ってしまった。登山道は右折して続く。
2014年07月28日 15:39撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
7/28 15:39
いくつかのケルンにつられ、まっすぐガレ場に入ってしまった。登山道は右折して続く。
針葉樹の立ち枯れや幼木が多く、終始明るい雰囲気の樹林帯。
2014年07月24日 16:04撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
7/24 16:04
針葉樹の立ち枯れや幼木が多く、終始明るい雰囲気の樹林帯。
朝日岳。
2014年07月24日 16:29撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
7/24 16:29
朝日岳。
朝日峠。
2014年07月24日 17:03撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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7/24 17:03
朝日峠。
ようやく17時40分に大弛峠に下りる。峠越えの林道は、山梨県側が舗装されている。
2014年07月28日 16:24撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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7/28 16:24
ようやく17時40分に大弛峠に下りる。峠越えの林道は、山梨県側が舗装されている。
大弛小屋。管理人は不在。右隣に水場があり、冷たい水がおいしい。
2014年07月28日 16:28撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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7/28 16:28
大弛小屋。管理人は不在。右隣に水場があり、冷たい水がおいしい。
広いテント場に先客のテントが4張りほど。ここまで車で来てテントを張る人も多いようだ。のどかな雰囲気が漂う。
2014年07月24日 18:23撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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7/24 18:23
広いテント場に先客のテントが4張りほど。ここまで車で来てテントを張る人も多いようだ。のどかな雰囲気が漂う。
2日目。朝6時に大弛峠を出発。夢の庭園を経て国師ヶ岳に向かう。
2014年07月28日 16:30撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
7/28 16:30
2日目。朝6時に大弛峠を出発。夢の庭園を経て国師ヶ岳に向かう。
北奧千丈岳、奥秩父の最高峰。
2014年07月25日 07:23撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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7/25 7:23
北奧千丈岳、奥秩父の最高峰。
北奧千丈岳から金峰山を望む。朝日岳から右に延びる尾根にも、瑞牆山のような岩がある。後ろに小川山。遙か奥に八ヶ岳。
2014年07月28日 16:52撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
7/28 16:52
北奧千丈岳から金峰山を望む。朝日岳から右に延びる尾根にも、瑞牆山のような岩がある。後ろに小川山。遙か奥に八ヶ岳。
国師ヶ岳。富士山が見える。右端は北奧千丈岳。
2014年07月28日 16:46撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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7/28 16:46
国師ヶ岳。富士山が見える。右端は北奧千丈岳。
北奧千丈岳の丸い山頂の右遙か奥に、南アルプスの山並み。甲斐駒、仙丈、白峰三山がそろい踏み。
2014年07月28日 17:02撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
7/28 17:02
北奧千丈岳の丸い山頂の右遙か奥に、南アルプスの山並み。甲斐駒、仙丈、白峰三山がそろい踏み。
国師ヶ岳を出発し、甲武信ヶ岳に向けて、長い縦走路を歩き出す。倒木が多い。コブの昇降を繰り返し、ばて気味に。
2014年07月25日 09:17撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
7/25 9:17
国師ヶ岳を出発し、甲武信ヶ岳に向けて、長い縦走路を歩き出す。倒木が多い。コブの昇降を繰り返し、ばて気味に。
下りきった鞍部の国師ノタル。
2014年07月28日 17:05撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
7/28 17:05
下りきった鞍部の国師ノタル。
右前方の樹間に、分かりにくいが尖った峰が見えるので、東梓かと思った。まさに、この見え方のとおりの急登が待っていた。
2014年07月28日 17:09撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
7/28 17:09
右前方の樹間に、分かりにくいが尖った峰が見えるので、東梓かと思った。まさに、この見え方のとおりの急登が待っていた。
10時55分、東梓の狭い山頂。見落としそうな小さな標識。シャクナゲなどに囲まれ展望がなく、ゴツゴツの石があるだけ。ここで昼食。
2014年07月28日 17:15撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
7/28 17:15
10時55分、東梓の狭い山頂。見落としそうな小さな標識。シャクナゲなどに囲まれ展望がなく、ゴツゴツの石があるだけ。ここで昼食。
両門ノ頭は、縦走路から右(山梨県側)にとび出た岩場。残念ながらガスで展望なし。
2014年07月25日 12:46撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
7/25 12:46
両門ノ頭は、縦走路から右(山梨県側)にとび出た岩場。残念ながらガスで展望なし。
長い一直線の急坂を登り、ミズシ(水師)に。消えかかった標識。ここも展望なし。
2014年07月25日 14:25撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
7/25 14:25
長い一直線の急坂を登り、ミズシ(水師)に。消えかかった標識。ここも展望なし。
尾根の左(長野県側)を巻く道の途中に、千曲川源流コースへの分岐。甲武信ヶ岳が近づいてきた。
2014年07月25日 14:56撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
7/25 14:56
尾根の左(長野県側)を巻く道の途中に、千曲川源流コースへの分岐。甲武信ヶ岳が近づいてきた。
ガレ場を急登し、15時30分、ようやく甲武信ヶ岳山頂。他に誰も来ず、ガスで展望もないが、しばし休憩して息を整える。
2014年07月25日 15:36撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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7/25 15:36
ガレ場を急登し、15時30分、ようやく甲武信ヶ岳山頂。他に誰も来ず、ガスで展望もないが、しばし休憩して息を整える。
16時に甲武信小屋に到着。
2014年07月25日 16:03撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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7/25 16:03
16時に甲武信小屋に到着。
シャクナゲの花は盛りを過ぎたようだが縦走路のあちこちで見られた。
2014年07月28日 21:46撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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7/28 21:46
シャクナゲの花は盛りを過ぎたようだが縦走路のあちこちで見られた。
3日目。甲武信小屋でご来光を仰いだ後、5時10分に再び甲武信ヶ岳山頂へ。朝もやに富士山が頭をのぞかせる。
2014年07月28日 20:53撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
7/28 20:53
3日目。甲武信小屋でご来光を仰いだ後、5時10分に再び甲武信ヶ岳山頂へ。朝もやに富士山が頭をのぞかせる。
金峰山、国師ヶ岳方面と、昨日歩いてきた稜線。
2014年07月28日 20:55撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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7/28 20:55
金峰山、国師ヶ岳方面と、昨日歩いてきた稜線。
金峰山と朝日岳。
2014年07月28日 20:57撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
7/28 20:57
金峰山と朝日岳。
甲武信ヶ岳から北へ、十文字峠への縦走路に入る。奥秩父主脈からは外れるが、埼玉県と長野県の境界尾根であり、引き続き本州の中央分水嶺だ。
2014年07月26日 05:25撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
7/26 5:25
甲武信ヶ岳から北へ、十文字峠への縦走路に入る。奥秩父主脈からは外れるが、埼玉県と長野県の境界尾根であり、引き続き本州の中央分水嶺だ。
三宝山は、山頂に近づくと登りが緩くなり、木立に囲まれた山頂へ。埼玉県の最高峰で、三角点がある。
2014年07月28日 20:58撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
1
7/28 20:58
三宝山は、山頂に近づくと登りが緩くなり、木立に囲まれた山頂へ。埼玉県の最高峰で、三角点がある。
三宝山山頂は、何とこの方角だけ、木立の切れ目と、踏み台になる石があり、展望がある。甲武信ヶ岳の左に木賊山が控え、右奥に富士山。また三宝石の場所も分かる。
2014年07月28日 20:59撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
1
7/28 20:59
三宝山山頂は、何とこの方角だけ、木立の切れ目と、踏み台になる石があり、展望がある。甲武信ヶ岳の左に木賊山が控え、右奥に富士山。また三宝石の場所も分かる。
帰路、その三宝石に立ち寄ると、絶好の展望地だった。
2014年07月26日 06:21撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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7/26 6:21
帰路、その三宝石に立ち寄ると、絶好の展望地だった。
三宝石からの展望。金峰山、国師ヶ岳方面と、昨日歩いてきた稜線。南アルプスは金峰山の左右に分かれる。
2014年07月28日 21:13撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
7/28 21:13
三宝石からの展望。金峰山、国師ヶ岳方面と、昨日歩いてきた稜線。南アルプスは金峰山の左右に分かれる。
国師ヶ岳の手前に盛り上がるのはミズシ(水師)のピークか。そこから甲武信ヶ岳に至る、昨日歩いた稜線。
2014年07月26日 06:19撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
1
7/26 6:19
国師ヶ岳の手前に盛り上がるのはミズシ(水師)のピークか。そこから甲武信ヶ岳に至る、昨日歩いた稜線。
木賊山の左に破風山などの山並み。またいつか縦走したい。
2014年07月26日 06:22撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
7/26 6:22
木賊山の左に破風山などの山並み。またいつか縦走したい。
三宝山からの帰路は、甲武信ヶ岳の山頂を巻いて、楽ちんで甲武信小屋に帰還。7時になった。奥秩父遭難者慰霊碑。
2014年07月26日 06:58撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
1
7/26 6:58
三宝山からの帰路は、甲武信ヶ岳の山頂を巻いて、楽ちんで甲武信小屋に帰還。7時になった。奥秩父遭難者慰霊碑。
8時10分に甲武信小屋を出発。木賊山への登りの途中、甲武信ヶ岳と三宝山を振り返る。
2014年07月28日 21:28撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
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7/28 21:28
8時10分に甲武信小屋を出発。木賊山への登りの途中、甲武信ヶ岳と三宝山を振り返る。
木賊山山頂。三角点がある。展望はない。
2014年07月26日 08:34撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
7/26 8:34
木賊山山頂。三角点がある。展望はない。
主脈縦走路とも別れ、戸渡尾根の下りに入ると、すぐ、広瀬湖を見下ろしつつ富士山も見える隙間があった。中央右は黒金山辺りか。
2014年07月28日 21:33撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
7/28 21:33
主脈縦走路とも別れ、戸渡尾根の下りに入ると、すぐ、広瀬湖を見下ろしつつ富士山も見える隙間があった。中央右は黒金山辺りか。
西沢渓谷に下山。週末で人出も多い。12時前、大人数の団体が近丸新道入口から甲武信ヶ岳を目指して登っていった。お気をつけて、がんばってください。
2014年07月26日 11:59撮影 by  DMC-LX7, Panasonic
7/26 11:59
西沢渓谷に下山。週末で人出も多い。12時前、大人数の団体が近丸新道入口から甲武信ヶ岳を目指して登っていった。お気をつけて、がんばってください。

感想

関東甲信地方も梅雨が明け、夏山シーズン到来。2泊3日で奥秩父主脈を縦走することにした。瑞牆山と金峰山、また甲武信ヶ岳は、それぞれ日帰りで登ったことがあり、様子が分かっているから、それらを結ぶ縦走路には、何かしら気安さも感じていた。

計画は次のとおり。
1日目 瑞牆山荘から金峰山に登り、大弛峠に幕営。
2日目 国師ヶ岳・北奧千丈岳を経て縦走し、甲武信ヶ岳を経て甲武信小屋に幕営。
3日目 雁坂峠まで縦走し、西沢渓谷に下山。
コースタイムは、各日とも6時間台に収まる。なお、甲武信ヶ岳から隣の三宝山にピストンすることも案に入れる。
さらに、余裕があれば、雁坂峠から雁峠まで縦走を延ばし、新地平に下山する可能性も考える。2日目または3日目のコースタイムが9時間前後に増えるが、以前、笠取山・雁峠までは登ったので、これで雲取山から甲武信ヶ岳方面までの足跡が繋がることになるのだ。

その結果は・・・
奥秩父主脈の奥深いコースを甘く見てはいけない、また自分の体力を過信してはいけない、と深く反省。
コースの大部分は樹林帯で、縦走路は大小のピークをたどって昇降を繰り返し、それなりにハードだ。前2日はコースタイムを大幅に上回る歩きになったので、3日目は行程を短縮し、甲武信ヶ岳から直ちに西沢渓谷に下山した(コースタイム9時間など、トンデモナイ!)。ただ、天気にも恵まれ、針葉樹やシャクナゲを主体としこけむした原生林や、幾重にも続く緑の山並みの展望を堪能した。コースの両端が賑わいの山域である半面、途中の区間を歩き抜ける人は希だったが、私より常に先行して同じコースを歩く単独男性との出会いがあり、幸いだった。

1日目。
瑞牆山荘から金峰山までは、6年前に日帰りでたどったコース。今回はテント装備を背負い、暑さで大汗もかき、大日小屋から大日岩までの急坂、そして主脈縦走路に乗った後も樹林帯の急登が、長くてつらかった。砂払ノ頭を境に、樹林帯から岩稜・低木帯へとがらっと変わるので、いつそこに着くかと心待ちに登ったが、意外に遅かった。登山地図では、2317mの肩が砂払ノ頭に当たっているように読めるが、実際はそれより上、2497m地点まで3分の1位の地点(高度2410m辺り)が砂払ノ頭だ。
瑞牆山荘から金峰山山頂まで、コースタイムを1時間以上も上回り5時間半かかった。このコース途中では多くの日帰り登山者と出会ったが、岩稜帯になってからはほとんど出会わず、金峰山山頂は独り占めだった。もっとも、ガスで展望もなかったが。
金峰山から大弛峠に向けて下山を始めるとすぐ、開けた台地にいくつかのケルンがあり、それにつられてまっすぐガレ場に下りてしまったが、登山道は小さな指示に従い右折して続く。この下山路は朝日岳、朝日峠と昇降していく。16時を回る時間になったが、密集した植林帯のように午後の早い時間から薄暗くなることもなく、立ち枯れの林もあり終始明るかったので、助けられた。朝日峠からは緩い昇降を繰り返した後、最後に大きく下って大弛峠に着いた。
大弛小屋のテント場は、登山者のほか、ここまで車で来てテントで一夜をのんびりと過ごす人も多いようだ。この日は小屋に管理人が不在と、のどかな雰囲気だ。幕営代600円は、小さな袋に入れて名前を書いて支払うようになっている。夜半、星空になり、翌日の好天が期待された。

2日目。
早朝の大弛小屋。隣にテントを張っていた男性と、テント場では顔を合わせることがなかったが、小屋の前のテーブルで朝食を作りながら話を交わした。前日は富士見平小屋に幕営し、瑞牆山に登ってきたとのこと。この男性が甲武信ヶ岳に向けて先発した。私は、6時出発。
北奧千丈岳、国師ヶ岳には苦もなく登り、富士山をはじめ好展望を得る。大弛峠からこの周辺だけを歩く何組かの人達と出会った。
国師ヶ岳から甲武信ヶ岳までの区間は、今回の縦走の核心部分だ。針葉樹の原生林で、こけむしているが、日差しが差し込み、幼木やシャクナゲなどの低木も多い。倒木が多く歩きにくい。要所要所に赤やピンクのテープがあり、大きく外すことはなさそうだ。
この山域の縦走路は、水源巡視路のような巻き道もなく、大小のコブやピークを正直にたどって昇降している。暑さと、前日の疲労の蓄積か、次第に脚が重くなる。ストックを頼りに立ち止まって意識がもうろうとする。いかんいかん、転倒して怪我したら歩けなくなる。木にしがみついてもうろうとするよう心掛けた。
国師ヶ岳から国師ノタルまで長く大きく下った後、東梓というピークがある。たまたま、樹間から前方に東梓とおぼしき尖った峰が見えて、いやな予感がしたが、その峰の形どおりの急登が待っていた。展望のない狭い東梓のピークだが、コースタイム上も中間的な位置になるので、ここで昼食にした。
国師ヶ岳から東梓までコースタイムの1.5倍の3時間もかかり、そこから両門ノ頭までは2倍の1時間かかった。道の途中でザックを下ろし小休止・意識中断することもしばしばになり、先が案じられた。
次の富士見までは平凡な尾根道で、コースタイム超過も大したことなく助かった。ところが、その先のミズシ(水師)までの登りは、長い急坂が一直線に丸見えで、大いに心が折れた。千里の道も一歩から、の思いで歩き続けたが、写真を撮る気力もなく、中高年の遭難原因ではバテて動けなくなるのが多いのだろうとか考えてしまった。ようやくたどり着いた展望のないミズシ山頂で、石に横たわり意識中断したが、なぜか、この区間のコースタイムが多めに設定されているようで、さほど遅れてないことに気づき、気を取り直して歩き出す。
こうして15時半に5年ぶりとなる甲武信ヶ岳山頂に着くと、ガスで展望がなく、他に誰もいない。ガレた急坂を下り、甲武信小屋に16時に着くと、朝の大弛小屋の男性が出迎えてくれた。2時間ほど前に着いており、私が遅いので道にでも迷ったかと心配して待っていてくれたようだ。
甲武信小屋の前のテーブルでは夕食を待つ宿泊客の賑やかな会話が続いた。テント場は4張りに5人。私は余りの疲れにまずテントの中で仮眠してから次の行動に移った。

さて、1日目、2日目と、コースタイム6時間余の区間に、昼食休憩も含めてだが、それぞれ8時間と10時間もかかった。3日目の雁坂峠までの計画も、考え直さざるを得ない。さらに、甲武信ヶ岳山頂がガスで何も見えなかったのも、リベンジしたい(5年前も、雨の中の登山強行で展望がなかった)。そこで翌日は、甲武信ヶ岳と三宝山に登った後、直ちに西沢渓谷に下りることにした。夜半過ぎにテントから首を出すと星空が広がっていたので、腹が決まった。

3日目。
宿泊客がご来光を見るため小屋前に出ている中を出発し、5時10分に甲武信ヶ岳山頂。辺りの山並みに朝日が射し始め、朝もやが山並みの低い方に漂っているが、遠くの富士山も頭を出している。そこへ、大弛小屋の男性が三宝山から戻ってきた。早くも3時半ごろからランプを照らして行って来たそうだ。
私も三宝山に向かう。サブザックの荷も軽く、難なく埼玉県最高峰の山頂に着いた。木立に囲まれ展望がないが、1カ所だけ、木立の切れ目と、踏み台におあつらえ向きの石があり、甲武信ヶ岳と木賊山、さらに富士山が見える。三宝石の位置も分かり、帰路は分かりにくい入口も見つけ、三宝石に立ち寄った。そこは絶好の展望ポイントだった。前2日間で歩いた金峰山、国師ヶ岳から甲武信ヶ岳までの山並みが一望で、八ヶ岳はもとより北アルプスも見える。
テント場に帰り、大弛小屋の男性が先発するのを見送った後、テントを撤収し小屋前のテーブルで朝食。早くも西沢渓谷から日帰りで登ってきた男性に甲武信ヶ岳山頂や三宝山の話をして、8時10分、下山開始。後は下るだけだから気も楽だ。とは言え、急坂の連続で大汗をかいた。週末とあって、多くの登山者と出会う。初めは日帰りの人達が多く、次第に泊まりの人達になる。
徳ちゃん新道を下り、12時、西沢渓谷の遊歩道の東屋・トイレで汗びっしょりの服を着替えてさっぱりした。タイミング良くバス便があることが分かり、バス停に行くと、また大弛小屋の男性と再会した。この人も下りの急坂には苦労したとのこと。2泊3日(この男性は3泊4日)の縦走を振り返り、13時10分発のバスで塩山駅に向かった。

虫について。
今回も山中のあちこちで、ブンブン飛ぶ虫や頭にまとわりつく小さな虫に悩まされた。水や飲み物のカップにも小さな虫が無謀にも入ってくるので、その都度すくってから飲む必要がある。虫対策として、両手首にはめる虫よけリングや、腕や首筋など皮膚の露出部分に吹き付ける虫よけスプレーを試みたが、それなりの撃退効果があったようだ。

食事について。
今回の食料や行動食として、初日のコンビニ弁当・おにぎりは別として、アルファ米、スパゲッティ(すいすいパスタ)、袋ラーメン、野菜、菓子パン、ミニヨウカンなどを持参した。なぜか、ご飯やパスタに対して、一向に食欲がわかなかった。疲労困憊しすぎた体調のせいなのか、味が単調で食欲を刺激しないのか分からないが、食べなければ歩けないので、ゆっくりと強いて食べた。
また、動物性タンパク質のものをとスーパーで探し、常温保存の魚肉ソーセージを持参し、これをアルミの鍋でタマネギ・ピーマンと共に炒めようとしたが、油分も出ず焦げ付くだけで、味も感心せず、失敗だった。大弛小屋の男性は鶏のささみを食べたと言っていた。

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