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Yamareco

記録ID: 61802
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無雪期ピークハント/縦走
八ヶ岳・蓼科

八ヶ岳(硫黄岳・峰の松目・天狗岳・阿弥陀岳・赤岳)

2006年08月12日(土) 〜 2006年08月14日(月)
 - 拍手
GPS
168:00
距離
34.9km
登り
3,627m
下り
3,632m
天候 晴天
過去天気図(気象庁) 2006年08月の天気図
アクセス
予約できる山小屋
黒百合ヒュッテ

感想

予定では、3日間八ヶ岳にこもる予定だった。
予め一泊目の赤岳展望荘、二泊目の行者小屋を電話で予約してあった。
計画では、一日目は桜平-硫黄岳-横岳-赤岳展望荘泊
二日目は赤岳展望荘-赤岳-権現岳(往復)-中岳-阿弥陀岳-行者小屋泊
三日目、行者小屋-赤岳鉱泉経由-オーレン小屋経由-桜平だった。

お盆休みに入る前日、仕事を終わらせ夜中に車をとばし国道254で群馬県下仁田から長野県佐久へ。佐久から国道141-国道299で八ヶ岳の西側へ抜けた。
まだ暗い道を地図を頼りに、桜平を目指す。

桜平に着いた時はまだ暗く、前日からの登山者の車と思われるのが2台ほど夜露で濡れている。
身支度を済ませ、ようやく明るくなり始めた道を歩く。
沢へ向かって高度を下げるが、間もなく沢伝いに登り始める。
道は幅広く車でも走れそうな感じ。
やがて夏沢鉱泉の建物が見えた。宿泊客らしき人たちが窓にタオルを干している。
ここを過ぎると山道らしくなってくる。

疲れたぁと思った頃、また小屋が見えた。地図で確認するとオーレン小屋だ。
道を挟んで建物の向かいには水場が。
ここで水を頂き一服。

道をまっすぐに進む。
既に陽は高く登って来ている。
樹林帯の中はまだひんやりした空気があるが、汗だく。

静かな小屋があった。
夏沢ヒュッテ。ここを過ぎて上を目指す。
やがて、木がなくなり岩場になる。
同時に風が強くなり体温を奪い始める。
寒さを感じ、ザックから雨具兼ウインドブレーカを出しはおり、グローブをはめる。
ガスもあっという間に周りを真っ白にしてしまった。
足元の岩は徐々に大きさを増し、岩の上を歩くようになる。
その時、異変に気付いた。
左の靴がおかしい・・・
よく見ると、ソールのつま先がパカパカと剥がれてしまっているではないか!
愛用のGTホーキンズだったが寿命だな。
今まであちこち行ったし、俺の足癖も悪いしな・・・
取りあえず、硫黄岳の頂上を目指そう。

ガスはますます濃くなり、風は強くなる。おまけに足裏からはパカパカ・・・
傾斜が緩くなり、なんとなく広場のような感じになった。
少し歩を進めると、道標のたくさん打ちつけられた木が立ってる。
頂上だ。
風が強くゆっくりしていられない。
硫黄岳山荘側へ行き、風を避け、地図を見る。
靴がこれじゃ、計画は断念するしかない。
でも同じ道を帰る気になれなくて地図とにらめっこ。
結論は、峰の松目へ行き、そこからオーレン小屋-桜平に下りるコース。

硫黄岳山頂付近は薄く大きな岩が全体に転がっているが、暫くいくと土むきだしの地面になる。
下りではこの靴で苦労した。

樹林帯に入ると、さっきまでの寒さが嘘のように暑く感じ始める。
人があまり訪れないのか、道幅は狭く、草木が自由奔放に伸びている感じ。
ずっと下り調子で来た所に、オーレン小屋方面と峰の松目への分岐。
峰の松目へはここから登り。

峰の松目の頂上は、展望はなし。
木々に囲まれ、平たい場所。
ここで昼食。
後からやって来た三人組の長野が地元のおじさん達に声をかけられ、しばし談笑。
麓に登山ショップがないか尋ねると、松本まで行けば石井スポーツがあったよなぁとの事。
仕方ない、松本まで走るか・・・

峰の松目を後にし、先ほどの分岐まで戻り、そこからオーレン小屋へ向かう。
ずっと、樹林帯の中。所々、根が地面から飛び出ていて、ソールが引っ掛かる。
それでも、どうにかオーレン小屋を通過し、夏沢鉱泉、桜平へ到着。PM1:00だった。

車で、国道まで出て、諏訪湖方面へ。
携帯電話から、今夜宿泊を予定してた赤岳展望荘へキャンセルの電話を入れた。

松本まで行くつもりでいたが、ふと目を左にやると大きなショッピングモールが。
その中に、「mont-bell」の看板発見!
すかさず、駐車場へ。

でも、やっぱり靴は高い・・・
迷った挙句、結局2万5千円の靴をカードで購入。
歩きやすい靴ならいいんだけどなぁ・・・少し不安。

再び山麓に戻り、縄文の湯で風呂に入り、コンビニの駐車場に車を停めさせてもらい、車中寝袋泊。

二日目は、朝四時に車を発車。
唐沢鉱泉へ向かう。今日は、靴も馴らしたいし、ターゲットは天狗岳に。
靴を履き、歩き始める。
ん・・・ん・・・なんだかいい感じぃ。
足が軽く前に出る。

この山は、靴に気を取られ過ぎてよく覚えていない。
覚えているのは、途中から、大きな岩を両手を使ってこなしていくがなかなか山頂にたどり着かない事。
山頂の景色は素晴らしく、天気も最高で360°いつまでも見渡していたこと。
黒ゆりヒュッテまで案外、時間を要した事。
黒ゆりヒュッテで、一服したが、黒ゆりは見れなかった事。
とにかく、靴の調子が良かった。
結局、唐沢鉱泉の車には、12時に下りて来ていた。

ここで再び地図とにらめっこ。
美濃戸口から、予約してる行者小屋までは3時間半のコースタイム。
・・・いける。この靴と、今日のおいらのテンションなら行ける!

車を飛ばし、美濃戸口へ。
駐車代金を払い、グランドのような駐車場へ。
身支度を済ませ、歩き始める。この時、PM1:00過ぎ。

靴は相変わらず調子がいい。
ところが、黒ゆりヒュッテで食事をした以降、食べてない・・・
シャリばてしてきた。
体が動かない・・・
何度も足を止め、水分補給。高原とはいえ、真夏。暑い・・・
足も疲れている。
景色を楽しむ余裕もなく歩く。
PM4:00過ぎ、ようやく行者小屋到着。

初めての、一人山小屋泊。
小屋の外では、先客達がビールをあおっている。
受付を済ませ、割当ての場所へ案内された。
荷物を置き、水のペットボトルと財布を持ち、フロントへ。
普段、350mℓの発泡酒で酔っぱらう位で、山でビールなんて想像もしていなかったけど、ビールを注文。大人だもん。いいでしょ!
ジョッキに入れられたビール、¥800也。
外のベンチに腰掛け、一気に半分まで飲む。うまいっっっ!!!!
3口ほどで飲み干してしまった。
もう一杯飲もうか迷ったけど、やめました。

割当て場所に戻り、ザックの整理。
布団を広げ、潜り込む。

誰かが、耳元で話をしている。
「夕飯ですよ〜」
寝てしまってたようだ。
食堂には、結構たくさん人がいた。

夕飯を済ませ、コーヒーを頼んだ。
カップとソーサーを持ち、暗くなった外へ。
周りはすっかり暗いのに、左手にある赤岳の山頂だけは、夕日に照らされ真っ赤になっている。きれいだぁ〜
まさに赤岳の赤岳たるゆえんがわかったような気がした。

間もなく、その赤みも消え、漆黒の夜。
空は、真っ暗。そんな中に、満点の星。
人工衛星が動いているのさえよくわかる。

今日は、無理をしちゃったけど、ここまで来てよかった。
明日は、阿弥陀岳へ行き、中岳-赤岳のコースだな。

翌朝、朝食を済ませ、お弁当のおにぎりをもらい出発。
道はすぐにつづら折りの急登に。
時折、これから行くであろう阿弥陀岳と中岳のコルが尾根になって見える。
まだまだ遠い。
何度か足を止め、小休止。

やっとの思いで、阿弥陀岳の直下に。
いくつかザックが置いてある。
見上げると、結構な斜度。
下りてくる人はみんなザックを背負ってない。
なるほど、どうせここに戻るんだし、身軽で行くか。
500mℓのペットボトルを腰にくくりつけ、カメラ、タバコ、携帯灰皿を持って、ザックを置いて登り始める。

暫くは、急斜面でも立って登れるが、暫くするととてもじゃないけど、四つん這いで上がるしかないような所が出現。
下を見ると、高所恐怖症のおいらには・・・う〜ん・・・
それでも、どうにか、山頂へ。
山頂は意外に広く、見晴らしも素敵。
風が冷たく、心地いい。

一服し、来た道を下る。
思ったとおり、下りの方が怖い・・・
遥か下の方で、人が豆の様に見える。
おいらのザックがあるのか分らない距離。

やっとの思いでザックの場所へ戻った。
ここから、赤岳を目指し、歩き始める。
中岳を越えると、中岳よりも遥かに高い赤岳が目の前に。
一度高度を下げ、再び登り返す。
木も草も無い、火山礫の道。
結構斜度がある。

何度かの小休止の後、岩が立ちはだかる。
岩登り。
三点確保を頭の中で唱え、慎重に手足を運ぶ。

やがて、赤岳山頂!
八ヶ岳最高峰到着!
少しガスっていて、景色は昨日の天狗岳ほどではなかったけど、この充足感!
サイコー!!

頂上小屋の脇の広い場所で、休憩。

横岳方面へ下山開始。
こちらは、一枚岩に溝があり、鎖が延々とある。
展望荘からは、行者小屋に向けて、とにかく下る。

左足が痛みだした・・・
ハイカット部分がふくらはぎに当たり擦れている。
痛みをこらえ、行者小屋到着。
靴を脱ぎ、昼食。

靴を脱いだのがいけなかった・・・
再び足を入れた時の、ふくらはぎの痛みと言ったら・・・
でも、歩くしかない。
左足をかばいつつ下る。

そのうち、右足にも異変が発生。
やはり、ふくらはぎがあたる。
飛び跳ねるように歩きながら、でもペースは極めてゆっくり。
後ろから来る人たちを、風景を楽しんでいるふりをしながらやり過ごす。

途中、我慢が出来ずに、沢でバンダナを濡らし、ふくらはぎへ。
やっとの思いで美濃戸口へ到着。
靴を脱いだ時の爽快感はこの山行一番だった。

車に乗り、林道を下る。
途中、10歳位の女の子を連れたご夫婦が下り方面に歩いていた。
車を止め、「良かったら、乗って行きますか?」と声をかけると
「いいんですか?助かります」
千葉から電車、バスで来たらしい。
下の別荘地のバス停まででとの事。
駅まで行きますよと言ったが、バスに間に合えば電車にも間に合うので大丈夫とのこと。
バス停で三人を下ろし、おととい行った縄文の湯へ再度向かう。
ここで汗を流し、夜の国道299を上野村へ抜け、帰宅した。

トラブルがいろいろあったが、これはすべて自分の未熟さが原因。
山は、素晴らしく、忘れ難い最高の山の一つになりました。

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