槍ヶ岳 上高地より 殺生ヒュッテでテント泊
- GPS
- 32:00
- 距離
- 38.7km
- 登り
- 1,835m
- 下り
- 1,829m
コースタイム
- 山行
- 8:20
- 休憩
- 2:11
- 合計
- 10:31
- 山行
- 5:31
- 休憩
- 1:08
- 合計
- 6:39
天候 | 両日ともに晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス タクシー 自家用車
8/7 タクシーで上高地バスターミナルへ移動。別のパーティー2名と同乗。 \4200÷4=¥1050で、バスより安い。 8/8 上高地バスターミナルより足湯公園までバスで移動。¥1250。 荷物は膝の上に抱えて。増便1台出た様子。 足湯公園バス停より沢渡第二駐車場まで徒歩ですぐ。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
上高地→横尾:ほぼ平らなハイキング的な道です。 横尾以降、登山道といった雰囲気になります。 ババ平→坊主岩屋下:※晴天の照り返しのため大変暑く、 それまでのなだらかな道に比べて傾斜が急です。 ところどころに沢水が流れているので、 こまめに水分補給あるいは休憩されることをお勧めします。 (写真もありますのでご参照ください) 坊主岩屋下→殺生ヒュッテ:石畳でよく整備された道です。 殺生ヒュッテ→槍ヶ岳山荘〜槍の肩:小石がざらついているので、足元注意。 槍の肩〜槍ヶ岳山頂:三点確保で。足の置き場をよく見る。 |
その他周辺情報 | 沢渡第二駐車場のロータリー前、川上屋商店併設の露天風呂で汗を流す。寸志の温泉を思わせる簡素な造り。タオル、シャンプー等有。¥300。ぬる湯で快適。置き看板に目が留まり、入ってみた(店員さんが見えなかったため、入浴後に声を掛け支払った)。 |
写真
感想
今回は1泊2日で槍ヶ岳への挑戦です。
当日は4時起床、タクシー利用で0451発→0513上高地着。途中でさわやか信州号に追いつきました。
準備後、緩やかな道を淡々と進み、時間を稼ぐ。横尾までに+45分ほどの余裕ができた。
槍沢ロッヂまでもうすぐ…的な看板の辺りから、自分の足取りが少しずつ重くなる。槍沢ロッヂで携行食やアミノ酸で補給する。槍沢ロッジを出発し、すぐには補給の効果は出なかったが、師匠がゆっくり歩いてくれた。
ババ平の辺りから、日差しの暑さが徐々に気になりだした。ババ平の水場は、工事現場の対面の道の脇に、黒いホースから水がジャンジャン出ていたが、行きには気付かず通過した(ここで一寸飲んでいければ良かったが)。
ババ平→大曲は、傾斜がきつくなっていくも、なかなか風が通らず暑い。雪渓歩きは滑りやすくひやひやした。
大曲以降、沢沿いの道はさえぎることなく日差しが降り注ぐ。登り一本調子の中、照り返しが体にこたえる。腿が上がらず、立ち止まることが増える。
なるべく上にあがった所で、ウォーターバッグに水を補給しようと決めていた。下山中の方に、この先の水場のことを訊ねる。「もっと上のほうに、岩清水のような水が出ている」との情報あり。
天狗原分岐を目前にして、暑さに耐えかね、(写真に載せたように)木が立つ沢沿いの一地点で、昼食の大休止をとることにする。冷たい水で体の火照りを冷まし、喉を潤しながら、ランチパックをパクつく。持参した折り畳み傘で直射日光を凌いだ。
ここではまだ新しいスポドリを作らず、上の水場まで頑張ることにする。
下りて来られた別の方から、さらに「もっと上の方で、雪渓のような所から冷たい水が解けて出ていますよ」という情報も頂いた。
さて「岩清水のような水場」とは、岩に「水沢」?と書かれた場所であった。岩陰から勢いよく水が流れている。コップに受けて何杯か飲み干しては体を冷やす。ウォーターバッグを持つ指先が、かじかんで痛くなるほど冷たい!ここで各々新しいスポドリ1Lをつくり、テント場での水割り用に1.2Lほど汲んでおいた。
暑さに耐えながらなお進むと、登山道のすぐ脇に、覆いかぶさるような小雪渓が残っており、雪解け水が解けだしている。水の冷たさはさることながら、半ドームのようになった雪渓そのものの冷たさが、天然のクーラーのようで、しばらく座り込んで体を冷やした。
落ち着いたところで再び歩きだす。ここまで暑いながらも沢水を沢山飲んできたせいか、体の熱がとれて少し楽になった感じがした。
天然クーラーを過ぎて4分、待望の槍の穂先が姿をあらわした。坊主岩小屋の辺りまで来ると、風の流れを感じ、空気もやや涼しくなってきたのが有り難い。
岩を敷き詰めた急登がつづくも、眼前にはお花畑や氷食地形が展開し、槍の穂先と小屋も近づいてくる。一歩ずつゆっくり進んだ。
殺生小屋でテントを設営。15時までに着いたら、穂先を往復しようと話していた。予想以上に登りで疲れたが、頑張って一日目のうちにトライすることに。アタックザックを背負い、槍の肩でダブルストックをしまう。空から少しゴロゴロという音もきかれたのを気にしつつ、岩場に取り付く。
穂先の登りは岩場とハシゴ、下りはハシゴと鎖場。山頂からのパノラマは、雲が稜線に色を添えていた。記念写真を撮り、雷が来る前に肩へ下った(幸いこの日落雷はなかったようだ)。
肩に下ったところで、高山病の症状か、少し頭が痛くなった。少し休んで、下り始めてしばらくすると、途端に楽になった。少しの高度差なのに、下の方が明らかに空気が濃いのを実感した。下りの道すがら、花を愛でる余裕も復活した。
テント場に戻り、ミックスナッツをつまみながら、ウイスキーの水割りを楽しむ。チョリソーとベーコン焼きを平らげ、〆はいつもの棒ラーメン白湯スープ。相当疲れたのか、トイレに行く気も起こらずテントで寝てしまう。20時前にようやく目が覚めて、岩のごろごろした道をサンダルで難儀しつつ、トイレに向かう。頭上にはすばらしい星空。槍ヶ岳山荘の灯りも煌々と点いていた。
夜中少し風の強さを感じたが、雨も雷もなく一夜を過ごした。
翌朝ゆっくりテントから出ると、槍の穂先や周りの山をモルゲンロートが染めていた。富士山もよく見える。撤収後は、足元に注意しつつ、快調に下る。登りの辛さを知っているので、通過待ちも苦にはならない。ババ平で水の出るポンプを足元に見つけたときは、何だここだったのか…と拍子抜けした。
横尾でカレーライスの昼食、徳沢でソフトクリーム、とこまめに休みながら下った。
明神での人の多さに、下界が近づいたことを実感する。長いハイキングロードに耐え、上高地到着。
長時間歩いたきつい山行だったが、アルペンムードの一端に触れることができ、またおいしい水と予想以上の花々に恵まれ、充実した1泊2日だった。
長々と書き連ねてしまいましたが、ご拝読有り難うございました。
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