南ア最南部、茶臼岳&光岳。畑薙大吊橋の帰りは強風で揺れた
- GPS
- 26:50
- 距離
- 37.5km
- 登り
- 3,428m
- 下り
- 3,408m
コースタイム
- 山行
- 9:23
- 休憩
- 0:36
- 合計
- 9:59
- 山行
- 10:54
- 休憩
- 1:01
- 合計
- 11:55
天候 | 3日間とも晴れ。(ただし3日目の稜線は強風と雲がかかっていたようである) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
GW初日のため、頑張って車を走らせたが、沼平ゲート前の駐車場は余裕で止められた。27号線は舗装工事とがけ崩れ防止工事で通行規制があるが、早朝と祝日&土日は通行可能。27号と60号は一車線が続くため、対向車に要注意。朝5時位には地元の方が早出に向かわれるので油断禁物 |
コース状況/ 危険箇所等 |
沼平ゲート〜畑薙大吊橋: 沼平ゲートに登山指導所があり、入山届と下山届を出すようになっている。畑薙大吊橋は距離と高度があるものの、慎重に歩けば問題ない。ただし強風の際は要注意。帰りの渡橋で強風にあおられ、怖い思いをした 畑薙大吊橋〜ヤレヤレ峠: いきなりの急登。その後は山腹を小刻みにアップダウンしながらトラバース。一か所崩落個所があり慎重に通過。ところどころ足場の悪いトラバースを進む ヤレヤレ峠〜ウソッコ沢避難小屋: せっかく登ってきたのに沢まで下る。沢伝いにしばらく進む ウソッコ沢避難小屋〜横窪沢小屋: 一旦下った後、九十九折りの急斜面をひたすら登る。ザレ場のように小石が登山道にある所があり、落石に要注意。また落ち葉で滑りやすい個所もあるので、下りは要注意。横窪峠から小屋が見える。一旦急斜面を沢まで下る。雪があるときは、いやらしい下りだ 横窪沢小屋〜茶臼小屋: ひたすら登る。樺段を過ぎたあたりから(2300m位から)登山道に雪があった。踏み抜くのでつらい 茶臼小屋〜茶臼岳: 小屋の上の雪渓はかなり萎んでいる。茶臼岳へ進むときは焦ってピーク方面を目指さないこと。藪漕ぎになる。真っ直ぐ気味に尾根まですすむ。尾根に出ると雪がない。茶臼のピークへ向かう際に、ピーク直下は雪があるが、ピークに雪はない 茶臼岳〜希望峰: 稜線を少し下ると雪の上を歩く。夏道が雪で隠され、分かりづらい部分があるので要注意 希望峰〜易老岳: 希望峰から下りに(帰りは希望峰への登りに)雪がある。早朝は良いが、それ以外は踏み抜く。夏道が雪に覆われ分かりづらい個所がある。易老岳へのトラバースは雪がない 易老岳〜三吉平: ここも雪はほとんどなく夏道を歩く。三吉平周辺で雪が現れるが、早朝は融けた雪がガチガチに凍ってすべるので要注意 三吉平〜光岳小屋: 谷筋のロングな雪渓を登る。日陰のためと、朝は雪が締まっているためアイゼンがよく効いた。12本爪アイゼンとピッケルで気持ちよく雪面を上り下りした。斜面を上がりきると雪に覆われた台地(静高平)で、小屋まで近い。木道が部分的に出ているので、アイゼンを外す 光岳小屋〜光岳: 20分足らずだが、ずっと雪面。雪で道がわかりづらい個所があり、私は何度も間違えた 帰りの登山道状況は省略 水場情報: ウソッコ沢避難小屋、横窪沢小屋、茶臼小屋ともに沢の水がじゃぶじゃぶある ウソッコ沢小屋は、小屋から先に進むように少し下りたところに沢からホースが来ている。横窪沢小屋は小屋の左手を上がってすぐに沢に行ける。茶臼小屋は沢も流れているが、小屋のステンレスの流しのホースから水が利用できる 横窪沢小屋から茶臼小屋へ向かう途中の水呑場は、ちょろちょろながら水が出ている 光岳小屋手前の静高平も沢が流れている。水は小屋周辺で豊富に利用できるので、この時期は担ぎ上げる必要はない 私は茶臼小屋の水の状況が不安だったので、水呑場で2.5Lを汲んで担ぎ上げたが徒労であった 茶臼小屋のテラスはドコモが繋がったり圏外だったりで不安定。auは全くダメ。トイレに向かうために2メートルほど下った所でドコモが安定的に電波がつながることを発見(小屋から降りる際に気づく) |
その他周辺情報 | 赤石温泉白樺荘で入浴。510円 静岡市葵区田代1110-5、TEL 054-260-2021、10-18時。アルカリ泉だろうか、ぬるぬるして気持ちのよい温泉 http://ikawa.ooi-alps.jp/kanko/preview.asp?cd=7&no=82 コンビニは新静岡IC付近のみ。畑薙までの2時間のドライブでコンビニ様のものは一切ない |
写真
感想
このGWは火打&妙高を考えていた。天候が良ければ、その後に白馬三山も行こうかと考えていたが、天気予報が全く芳しくない。あちらこちらの山の天気をチェックしたところ、南アの最南部が何とか良さそうとのことで、前日に茶臼岳、上河内岳、光岳行きを決定した
沼平ゲート前の駐車場に駐車すべく、夜1時半に家を出る。新東名は清水まで雨。新静岡では雨は止んでいた。畑薙へ向かう途中で晴れてきて、駐車場に着くと素晴らしい青空。選択は間違っていなかった
意気揚々と登り始めたが、ペースが上がらず途中で引き返そうかと思ってしまった。厳冬期の冬装備に避難小屋2泊分の食材、万一小屋が満杯の場合に備えてツエルト一式などを詰め込んだため、私のザックとしてはずっしりと重かった
おまけに茶臼小屋での水を心配して、途中の水呑場で飲料用の水1Lに加えて2泊分の2.5Lの水を加えたために、茶臼の小屋に着く頃にはヘロヘロ状態だった。小屋の水は全く問題なく、結果的には徒労に終わった。小屋は運良く残っていた最後の角スペースを確保し、アタックザックに変えて上河内岳を目指した
夏道でお花畑の手前まで下ったところで、上河内岳から下りてきた方がいて、踏み抜きがひどく頂上まであと少しのところで断念してきたと伺い、お花畑まで進んで引き返すことにした。結局、今回は上河内岳は断念し、将来の楽しみにとっておくことにした。それにしても上河内はかっこよく、光岳よりも百名山に相応しいのではないかと個人的には思う
2日目は予報通り天候がよく、光岳をピストンした。アタックザックには12本爪アイゼン、チェーンスパイク、コンロとコッフェル、水などを詰め込み、ピッケルとストックを手に持ち快調なペースで進んだ。肝心の昼飯を詰め込み忘れ、光岳小屋で真っ青になったが、コーヒーやコーンスープの袋の中からカロリーメイトが一袋出てきて、これで救われた
光岳小屋の周辺は雪に囲まれ、とても雰囲気の良い静かな山小屋だった。北海道の山の上の牧場で越冬した「鼠」は、さぞかしこんな雰囲気だったのかと「羊をめぐる冒険」の世界を思い起こした。いつかこんな小屋で一冬過ごしてみたい(夢の夢だが・・・)
帰りも快調に飛ばし、易老岳まで戻ったときには、15時頃には茶臼小屋に戻れるかと期待したが、希望峰への登り返しと雪の踏み抜きにより一気に失速した。ここからペースがガタ落ちになり、小屋に戻ったのは16時になってしまった
3日目の下りで横窪沢小屋でお会いしたベテランお二人は、何十年と茶臼に登っておられ、今年は雪が少ないこと、沼平の駐車場が多くの車で埋まっていたことなど、これまで経験したことがない年だと話されていた。最近は年を取って荷物を担ぎ上げるのが大変なので(私も良く理解できる)、ウソッコ沢避難小屋に泊り、荷物を軽くしてピストンされているとのこと。ウソッコ沢の小屋は、昔はネズミが出たそうであるが、今は夏でも出ないとのことである
今回、上河内岳は行きそびれたが、光岳は到達でき、疲労困憊ながらも良い山行だった。東名も二つの衝突事故による渋滞に巻き込まれたものの、さほどの渋滞にならずに帰ってこられた。無事に行ってこられて感謝感謝である
茶臼小屋の状況:
4月29日のGW初日は20人くらいで満杯だった。私も含めてオヤジ率が高く、いびきがすごかった。ソロあり、デュエットあり、トリオにカルテットと、バラエティに富んだいびき合唱だった。3人組を除いて、皆さん3時頃から起きだして、朝食や荷造りなどガサゴソ始まり、4時頃から出立された。翌30日は15名弱で比較的にゆったりとしており、4時過ぎになって起き始めるなど、総じてのんびりしていた
今回出会った動物:
鹿:光岳から易老岳へ向かう稜線で遭遇
リス:水呑場から横窪沢小屋へ下りる途中に尻尾のふさふさしたのに遭遇
テン:帰路に横窪沢小屋で休憩中に小屋の下を駆け抜けた
二泊三日の山旅、お疲れ様でした。
写真をみると、深南部らしい、どっしりと、また静かな山旅だったように感じました。
個人的には北アルプスのゴツゴツとした山肌が好きですが、写真をみると聖や上河内などの風景もいいですね。
アクセスに時間がかかり、またアプローチが長そうで、なかなか足が向きませんが、候補に加えたいと思いました。
eurekapapaさん、コメントありがとうございました
避難小屋に20人で満員御礼、夜はあちらこちらでいびきの大合唱。静かかと言われると、そうでなかったです(笑)
さすがにGWですね。それなりの人はいましたが、八つなどの人気の山と比較すれば、圧倒的に静かな山の部類でしょう。特に光岳は奥深いので静かでよいです
昨秋に天候が下り坂になり繋げることができなかった聖から上河内への稜線は、ぜひともいつかやりたいと思っています。この時も静かな山でしたが、聖、茶臼、光とも避難小屋含めて小屋はきれいで快適です
ぜひ出かけてみてください
Pinball_1957 さん お疲れ様でした。
さっそくのコメありがとうございました。
お互いに光岳を楽しめてよかったですね。
私は、高度感が大好きなので、吊り橋は楽しめましたが、今回一番しんどかったところは、茶臼からの下りで足先が少し痛くなったところでした。
またどこかでお会いできればいいですね。
yossya-さん、こちらにもコメントありがとうございます
光岳小屋から光岳までyossya-さんのトレース(?)をしっかりたどり、行きも帰りも迷走してしまいました(笑)。私とほぼ一緒に向かった熟年ご夫婦はちゃんと進まれてましたが・・
茶臼小屋への登山道は長くきつかったですね。私は両かかとがズルムケ状態で、登りにひどいマメを作ってしまいました。光へは根性のみで痛みを忘れて往復しました
おかげで、白樺の湯では踵がヒリヒリしました
お疲れ様です。
南ア南部は完全に未踏地帯、核心部の茶臼山に光岳、2拍3日の時間のある山旅が羨ましい。
南アルプスの圧倒的な大きさが伝わってきて、いいですね。
このところ仕事も忙しく、昨年11月の燕から遠出が全くできていないです。余裕持って山旅がしたいなぁ。
夏季でいいから南ア、1峰でいいから訪問したいです。
Jimnyさん、コメントありがとうございます。仕事忙しそうですね
定年間近の私は、ひんしゅくを買わない程度に仕事を調整して出かけております。今回もGWの直前に2日間休暇を取って出かける予定でいましたが、どこもかしこも天気がよろしくなく、出社してしまいました(笑)
南ア南部の山々は、きっとJimnyさんに気に入ってもらえると思います
畑薙から東海フォレストのマイクロバスも今年の運行が始まりましたので、赤石や悪沢のアクセスも良くなります
小屋が始まる7月上旬などいかがですか?高山植物がすごいみたいですよ
こんにちは。
この山域、私も大好きです。
上河内、この1週間でだいぶ雪腐ったんですかね?
その都度、ルートの歩きやすさ変わりますから難しいですね。
逆に茶臼から先、私と同じ日茶臼小屋泊まり、光目指した人は茶臼岳降りての樹林帯入って速攻で撤退決めました。
私は6月に茶臼から易老岳まで歩きましたが、さぞ今回大変だったかと存じ上げます。
この山域だけは日帰りではなく、小屋泊でゆっくり歩きたいので、どうしても装備の関係で茶臼小屋までの急登が絶望的に辛くなります。
その苦労の対価以上の眺めが見られるので、この山域、年に一度は歩きたいものです。
tomhigさん、コメントありがとうございます
参考にさせていただいたtomさんのレコとは、ほんの1週間違いですが、tomさんが登られた後に雨が降り続き、雪はどんどん消失したようです。茶臼小屋から尾根への雪渓が大きく縮小していました
前日に自炊室で一緒に食事をした方が、この時期の光岳への登山道は雪で隠れ、日帰りピストンは無理でしょうと仰ってました。行けるところまでと決めて出かけましたが、早朝は雪のあるところもしっかりしており、意外にすんなりと光に辿り着け拍子抜けしました
同じ日に茶臼小屋に泊まられた方のレコを拝見すると、3年前の同時期の写真が出てきますが、全く様相が違います。やはり雪の少ない年だからピストンできたのだと思います
それにしてもtomさんのコメントに賛同です。南アには南アの素晴らしさがあり、本当にいい山域だと思います
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