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多くの遭難者(もしくは遭難しそうになった人たち)の声を聞いていると、地図やコンパスを持っていても使い方を知らない、というケースが多々あるようです。
自分にとって都合の悪い情報を過小評価してしまう、いわゆる『正常性バイアス』にかかってしまうのだろうと推察します。
簡単にいえば、『自分は大丈夫だろう』『まだ問題ではないだろう』という思い込みです。
その延長が『登山届書かなくてもハイキングコースだから大丈夫』『日帰り登山だから地図は不要だろう』という油断から、GPSやコンパスどころか地図すら持参しない。そして持参すれど、使えない…
同じように気象遭難においては、『気象』という現象に対しての事前理解なく、報道・通知される『天気予報』をうのみにしてさらに『正常性バイアス』にかかってしまう事があります。
気象理解の第一歩はやはり常日頃から気象という現象について興味を持ち、理解を深めることだと思います。
今回、日本列島を襲った、超大型台風19号の上陸にあたって、少し前に知って気になっていた新しい天気アプリ "Windy"をインストールしました。
無料で誰もが使えるこのアプリは有名山岳ガイドの方々も重宝する素晴らしいものです。
ブログ『天気アプリ「Windy」でみた今回の超大型台風接近』
⇒ https://kenny3.jp/archives/4183
『気象』という現象は奥深い…
半端な知識ではとても複雑な山岳気象を正確に予測する事は難しく、アプリを入れたからと言って簡単に理解する事は出来ません。
今では、「ヤマテン」や「てんきとくらす」のようにピンポイントで目指す目的の山域の天候を予想してくれる素晴らしいサイトがあります。
それらを活用しながらも、やはり常日頃から自分で『気象』現象に興味を持ち、よく観察する、そして自分で考え、予測し、その結果を振り返る事の積み重ねが、『正常性バイアス』を振り切ることにつながると信じます。
『Windy』は素晴らしく、山を志す人にはぜひ試していただきたいアプリです。
可視化された雲や雨の動きは、人の言葉で予報を伝えるのではなく、また難解なデータの提供のみに徹する ”自分で考えて予測を促す” 程度にデータをまとめて”見える化” している点が素晴らしい。
それでも、今回このアプリで台風の動きをウォッチしてはいましたが、ここまでの被害になるとは想像もつきませんでした。予測するのと、回避する事はやはり違いました。
どんなに学んでも、予測精度を上げても、今回のような大きな被害に見舞われる日本。世界中の人が今、日本のために祈ってくれています(#Pray for Japan)。 Windy for all who pray for Japan !
川の氾濫を引き起こすのは山に降った雨。我々日本人と山はやはり切り離せない運命のようです。
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