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2021年09月01日 21:27思い出全体に公開

六甲山の思い出

 昔、若いころ、それはもうかなり前のことになりますが、最初に勤めた会社の勤務地(工場)が兵庫県の尼崎市でした。阪急電車の沿線で、最寄り駅から電車に乗れば大阪・梅田まで十数分というところに住んでいました。山好きの先輩に影響されて、休日にはたまに六甲山へ行くこともありました。

 六甲山は神戸市近隣に住む人にとっては手軽に日帰りできる山であり、ハイキングコースとしていろいろなコースが充実している山で、とても人気の山です。(<=関西のかたには釈迦に説法でした。)地元の方々によるお手入れも行き届いているのもひしひしと感じられますし、長年にわたって手入れされてきた、とても歩きやすいコースばかりです。一方で、命名からして歴史的なコースもある山だったりもします。山上エリアは車でいけたり、ロープウェイで行けたりするので、いろいろな施設もあり、牧場も有り、展示館も、植物園も.....言い出したらきりがないです。
 六甲山には全山縦走路というのがあって、本来は塩屋の駅から宝塚の駅まで公称56Kmといいわれているコースです。加藤文太郎という名前を知る由もなかった私ですが、山好きの先輩のうんちくを聞いたおかげで興味が湧いてきて、彼をテーマにした新田次郎先生の「孤高の人」を読んでおおいに感化された者の一人となりました。「孤高の人」の中に、六甲山全山縦走の記述があって、一度は走破してみたいと思うようになりました。(走破、というより実際は完歩なのですが。つまり、当時は山道を走るなどという考えはありませんでした。トレイルランという概念があることさえ知りませんでした。)
(余談:ところで「公称56Km」ですが、何度か歩いた私のGPSの記録では、沿面距離でも46Km程度で、おかしいなあ、と思っていたのですが、そう思う人は多いようで、実際に測ってみた人が居るそうです。その記事によるとやはり47Km +αぐらいだそうで、56Km はないそうです。しかし(ここが重要)、先人が苦労して歩んだ歴史が刻まれた数字、それが公称56Km、ということでした。私もその考えに大賛成です。)
 さて、何度か途中までは(一軒茶屋あたりまでは)歩いた実績をもとに、無謀にも一人で全山縦走を試みたことが二度あります。当時はInternet情報なども無く、持っている情報はユポ紙でできた六甲山の地図のみ(当時の地図が今手持ちのエリアマップ 山と高原地図51 六甲・摩耶・有馬かどうか不明。)(今検索してみると、山と高原地図51は 高野山・熊野古道 伯母子岳 になっていて番号が変わってますね。)。一度目は一軒茶屋を過ぎて宝塚への登山道がわからず、延々と舗装道路を歩いて、結局宝塚のどこへ出たのかもわからないまま、帰宅。二度目はさすがに舗装道路は違うだろうと山道を歩いたものの、やはりまっくらな登山道が怖く、宝塚のどこへ降りたのかあまり記憶がありません。それでも、曲がりなりにも塩屋から宝塚まで12時間ちょっとで歩き通したのを覚えています。若いってすごいなと思います。ろくな装備もないのに、体力と回復力だけで塩屋から宝塚まで迷いながらも12時間で歩いてしまうのですから。
 27歳を過ぎて尼崎からも離れた処で生活するようになり、しばらく六甲山も遠ざかっていたのですが、時代と共にJR新快速も本数が増え、滋賀県から1時間半も乗っていればほぼ登山口(三宮駅とかを登山口と言えればですけど)。土日に日帰りで滋賀県からふらっと歩きに出かけるのには好適地ということになり、ちょくちょくでかけるようになりました。昔のように懐かしく六甲山のあちこちを歩いているうち、年取ったけれど、また全山縦走ができるのでは、と挑戦する気持ちが湧いてきて、とうとう2006年の秋に神戸市主催の「六甲山全山縦走大会」に参加することになりました。結果は上々。出発時の受付の長ーい行列をクリアするのに時間がかかったり、途中何回も渋滞が起きたりしましたが、13時間と少しでゴールすることができ、楯と賞状をありがたく頂戴しました。これに気を良くして、結局5回も盾と賞状をいただきました。しかしながら、何度か挑戦したうちの1回はあえなく敗退。心房細動という心臓の病気で、カテーテルアブレーションの治療を行うまで、六甲山と言わずどこへ出かけても発作が出るたびに敗退という事態となりました。治療を受けた後にまたちょくちょく六甲山にも行っていたのですが、2019年に再発。再度治療を受けようとした2020年4月には新型コロナの影響で延期となり、2020年10月にようやく治療を受けることができて、山にも復帰できています。しかし、やはり電車に乗るのは遠慮した方が良いだろうと、かれこれ3年は六甲山に行けていません。

 六甲山は全山縦走路以外にもたくさんの魅力的なコースがあります。一番人気なのはやはり有馬へ抜ける魚屋(ととや)道でしょうか。芦屋のロックガーデンで遊ぶも良し、キャッスルウォールからプロペラ岩周辺まで、道なき道を訪ね歩くもよし。摩耶山も、徳川道も、トゥエンティクロスも、七曲の凍った滝も、、、、思い出が多すぎて全部書ききれない。


自分の日記にはほぼすべて書いているのですが、ヤマレコにはまだ日が浅いのでひとつだけ載せておきました。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-3126466.html
これは2014年の記録で、なんと16時間20分もかかっています。赤鬼に追いつかれそうな、ぎりぎりゴールの回でした。
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