信州人の呟き。「北横岳へ行く」

友人と二人で北横岳（八ヶ岳連峰）へ登った。

気の置けない友と登る山は心地よい。のんびり、ゆっくりと山を楽しみながら登る。二人は「無理のない山を目指そう」ということで、月に一、二回信州の山を歩いている。

今回は北横岳である。
冬山としては初心者向きの山なので、我ら向きである。

快晴であった。北八ヶ岳ロープウェイで坪庭（北横岳登山の出発点）まで７分。ロープウェイからの景色は、中央アルプス、北アルプス、そして南アルプスと贅沢な眺めである。

今年は雪が少ないと言われるが、坪庭は一面雪野原であった。雪を踏みしめながら、北横岳へ向かった。勾配のある場所でアイゼンを装着。スローペースで高度を上げていく。あっという間に北横岳ヒュッテへ着く。

勾配はきついが、距離が短いのかそれほど疲れることもない。一息いれ頂上へ向かう。

頂上では、八ヶ岳特有の強風の洗礼を受ける。頬が痛く、体が風に運ばれそうである。急いで樹林の陰に身を潜める。風は強いが天気は良い。目の前に広がる３６０度の光景は、十二分に心を満たす。

素晴らしい景色をいつまでも見続けていたいが，強風下ではそうそう長居するわけにはいかない。来た道をオッサン二人、コケないようにと慎重に下った。

北横岳は初心者が冬山を満喫するには素晴らしい山であった。