信州人の呟き「誰もが行きたくなる山(虫倉山)」

虫倉山は、信州の里山好きが必ずと言って良い程行く山である。

長野市中条地区にあり標高1378mである。コ−スは3コ−スある。

虫倉山ヘはだいぶ前に不動滝コ−スから登り、北アルプスの眺望が良い山という印象があった。

ただ、登山口までのルートをはっきり覚えていないので、たどり着くかどうか不安であった。どの山も登山口までのルートが常に不安なことが多い。行った山も大体において忘れてしまう。

間違わないように車のナビに目的地を入れ、向かった。私のナビは安物の上に古いタイプのせいか、どういうわけか山中の細い道がくねくねする村落を誘導し、走っているうちにその道が工事中で通行止めという有り様であった。

「「アララ」である。方向を変え、行ったり来たり、通常１時間20分位の所を3時間弱かかって漸く登山口の駐車場ヘ。一度はドライブだけで帰ろうと思ったので、登山口に着いた時はヘロヘロであった。

駐車スぺ−スがあったので、ため息をつきながら歩き始めた。以前はピストンであったが、今回は猿すべりから上り不動滝へ下る周回コースを選んだ。

急坂である。休み休み、気合いを入れながら上がっていく。途中からずっと鎖場が続く。慎重にいけば問題ないが、なまった身体は、足が容易に上がらない。(ヤレヤレである)

後からきた単独の登山者が傍らをス−とすり抜けていった。「マイペース、マイペース」と、ついていけない自分に言い聞かせる。鎖に頼ってやっとの思いで頂上へ。

眺望は良い。残雪の北アルプスが目に飛び込んでくる。皆がこの山を目指してくるのが理解できる。

帰りは歩きやすい不動滝コ−スをコケない様に下っていった。

虫倉山は確かに登りたい里山の条件を備えている山である。

それは、登山口までの道路が舗装である。駐車場があり、トイレもある。登山口表示があり、不動滝コ−スを選択すれば、短時間で登れ、危険箇所もなく道迷いの恐れもない。途中に休憩できる東屋もある。そして一番は眺望。

これだけの条件が揃えば、誰しも登りたくなるであろう。