山岳展望もその一つです。
天気が良く、すばらしく視界がきく1日。
樹林帯を黙々と登ってきて、ようやく前方が開けた山頂もしくは頂稜部。
どんなに疲れていても、一刻も早くそこに辿り着こうと駈けだします。
息がどんなに上がっていても、まずは360度の展望写真を撮ります。
苦しいけど至福の時間。
そして一息ついた後、ゆっくりと山座同定をします。
その時名前の分からなかった山岳は、家に帰ってからの宿題となります。
家に帰ってから、撮って来た写真を精査しながら地図とにらめっこ。
家の壁に貼り付けた、何枚もの20万分の1の地図に定規を当て、山岳名を明らかにしていきます。
一つ一つの山岳の名前が明らかになっていく時の快感。
特に、遠くに霞んでいる小さな山が、思わぬ有名な山岳だと判明した時、
私の興奮は最高潮に達します。
特に印象に残っているのは、爺ヶ岳から燧ヶ岳を発見した時や、
両神山から甲斐駒ヶ岳の頭の部分を発見した時、
蛭ヶ岳(丹沢)から奥穂高岳を発見した時等です。
寝食を忘れて、山座同定に没頭している時は、何とも言えぬ幸福な時間です。
5~6時間なんてあっという間に過ぎていきます。
今は、山座同定がPCやスマホのアプリで手軽にできる時代です。
しかし、私は今の便利な時代を歓迎しません。
何も苦労をしないで山岳名が分かってしまうなんて、全く興ざめです。
既に頭に入っている山岳の前後左右にある山を一つ一つ確認しながら、
地図に定規を当て、山容や背の高さやそれに照応する地形図の特徴などを吟味して、それぞれの山名を同定していく・・・
これが、私の山座同定のやり方です。
山行後の私の楽しみをPCやスマホなんかに奪われたくはありません。
アプリなどという便利なツールは、従来の方法によって山座同定した後の答え合わせの時だけに利用することにしています。
とは言え、やはり早く回答を知りたいとついPCやスマホでカンニングしてしまうので、最近、山岳展望に興味が薄れてきたのも事実です。
(写真左):赤城山(黒檜山)から南アルプス方面の山座同定
(写真中央):木曽駒ヶ岳から北アルプス方面の山座同定(北アルプスを縦(南方向)から見るので、山座同定は意外に難しい)
(写真左):甲武信ヶ岳から中央アルプス、八ヶ岳、北アルプス方面のスケッチ
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