97 阿蘇山
九州の山で残されていた山が阿蘇山だった。
阿蘇は2度登った。いや、3度だ。一番最初は中学卒業の春休みで長崎県大村市の一ノ瀬さんの家に遊びに行った時だ。父の戦地で一緒であった人で、復員を先に譲ってあげた縁でつながっていた。その人の案内で、息子さんと一緒に上ったが、正治氏は50半ばで、突然亡くなられた。
若山牧水「みなかみ」
阿蘇荒の日にかもあらめうすすとかすみのごとく秋の山曇る
吉井勇「天彦」
拾い来し阿蘇の山石まへに置きてふとおもえらくわが舎利に似る
佐藤佐太郎「群丘」
溶岩の阿蘇中岳をのぼりゆく雨雲のなか息あへぎつつ
阿蘇五岳その中岳は火を噴きてときに融通無碍にふるまふ 塚本諒
天地を飲み込む涅槃の阿蘇五岳火の神ふかくふかく眠れり 同
阿蘇五岳見放けて立てば外輪の原わたる風流離うながす 同
月照るや阿蘇山裾に居る霧のややそのままに明るむとすも 斎藤文
噴火丘すべりてごろ石の斜面登れば中岳のいただき 同
高岳が大きく抱く旧火口砂漠をなせりよぎりし足あと 柳瀬留治
くろぐろと砂押し流す大雨をよくる岩なし阿蘇山のうへに 橋本徳寿
2度目は妻と九州旅行をして、私一人が登って、妻は車で待っていた。
3度目は、一人で九州の2百名山の山と百名山の山を登った時だ。その時も駆け足で、駅でJR九州の豪華列車が止まっていた。
歳のせいか、吉井の歌が一番面白い。
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