安保法制論議が参議院に移って、再開された。
政府側の答弁は、いつもと同じで、質問とかみ合っていない。
しかし、政府側が断定する項目が一つある。それは徴兵制に関してだ。
徴兵は、"苦役"の強制にあたり"憲法"で禁じられているから、出来ません、と何の迷いもなく断定するのだ。それまで何を言っているのかサッパリ理解できないような答弁が、ここだけは一瞬の間もおかず即答するのである。そうなると、かえって裏が有るのではないか、と勘ぐってしまうのだ。
戦後日本は、戦力の放棄と国の交戦権を放棄した。最低限の自衛権を認めた、と政府自民党が言う砂川判決が出てからも、いままで集団的自衛権が認められたなどということは聞いたことがない。砂川判決から50年。むしろ集団的自衛権の行使は出来ないと"頑張ってきた"のは政府自民党である。
それがなぜ、日本周辺の情勢が変わったからと言って、行使が可能になるのだろうか。冷戦の時から、中国もソ連も核兵器は持っていたし、いまも無くなったわけではない。日本だって、ソ連の侵攻に備えて北海道に重点を置いた自衛隊の配置で対処していたはずだ。それで可としていたはずである。
北朝鮮が、移動式のミサイルを開発したからといって、日本の存立が、今すぐ脅かされるほどの驚異が迫っているとは思われない。進展は遅々として見えないが、現に、拉致問題解決を目指した話し合いは続いている。完全に、門戸が閉ざされているわけではない。いきなり今晩ミサイルが飛んでくるわけではないでしょう。
"日本の存立が脅かされる"とはどういう状態か。日本が、敵国に占領された状態か、先の戦争末期の原爆や爆撃によって、壊滅的被害を受けた状態を言うのか。それでも日本は不死鳥のように復活したではありませんか。まず、集団的自衛権を発動する事案そのものが不明確だ。
油が入ってこなくて、国民が凍え死ぬ、経済が成り立たない、状態というなら、それに代わるルートを開発するのが先決。それが政治家に与えられた使命です。油が入ってこないから、武力で油を確保しようとしたら、第二次世界大戦の時とおんなじです。それこそ、その先に待っているのは、破滅です。
礒崎首相補佐官は、「法的安定性」は関係ない、と発言して大きな問題になっている。明後日、参院特別委で参考人として招致された。これって分かりやすく言うと、「政府の考えでどうにでも出来る」ということですよね。文句を言ったら「文化芸術懇話会」のメンバーが、からめ手から潰しにかかるわけですよ。下世話にいうと、「俺が憲法」だということ。
「苦役」は国民を守り、国を守り、世界の平和に貢献する崇高な任務だ。「苦役」だなんて、誰が言った。ふざけんじゃない、ってことになりはしませんか。法的安定性は関係ないんですから。環境が変わったと、解釈を変えればいいんですから。50年間も、集団的自衛権は行使できないって言ってきたんですよ。それが、選挙公報に書いてあるからって、国民に周知して理解を得ている。だから選挙で勝った。と、いう自公政権ですからね。
選挙の時は、アベノミクス一辺倒だったような気がします。羊頭狗肉もいいとこです。自公政権が、徴兵制は出来ません、といっても信用できないんです。だから、ますますお母さん方の反対の声が大きくなるのです。謙虚に国民の声を聞き入れる度量を見せてください。
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する