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私は長野の山奥のとある地域で生まれ育ちました。隣家とも数百メートル離れているような小さな集落です。自宅から見えるのは鬱蒼とした緑と遠くに見える山並みだけ。冬は非常に寒く、学校には1時間近くかけて通学し、車がなければ生活が出来ない(車があっても)不便な場所でした。
幼少期はそれが当たり前に感じていましたが、成長するにつれて「この何もない田舎から出たい」と思うようになり、高校卒業後に親元を離れて埼玉県の大学に進学し、卒業後もそのまま埼玉で就職して今に至ります。
7年前に富士山に登ってから山や自然の美しさに魅了され、それ以降「ただ山に囲まれた何もない田舎」と思っていた故郷の見え方、感じ方が私の中で一変しました。
子供の頃、実家裏の土手に登って眺めていた山塊が、日本を代表する3000m峰の山脈であった事に気付いた時は非常に驚き、そして感動しました。
実家の維持、いずれ直面するであろう両親の世話などを考え、それまでは漠然と、「いずれは地元に戻ろうか」と考えてはいたものの、私自身も家庭を持ち日々の生活に追われていると、中々決心がつかず、どこか地に足が着いていないような悶々とした気持ちを抱えながら過ごしていました。しかし山に出会ってからは、「長野に戻る」という気持ちが自分の中でどんどん大きなものに変わって行き、帰郷への思いが強くなって行きました。とはいえ長野とは何の縁もゆかりもない妻の心情、子供の教育、転職、地方での生活の事などを考えると、すぐに実行出来る訳もなく二の足を踏んでいました。
しかし、時間はかかったものの自身の決意も固まり、渋々ながら妻からの理解も得られ、ようやく一昨年から転居に向けて行動を始めました。幸い新たな就職先も決まり、新居を構える事も出来たので、今月転居する予定です。
実家とは少し離れた所に住む事になりましたが、大好きな山と物理的な距離が縮んだ事、毎日のように雄大な景色を眺められる事がとても楽しみです。当面は、新たな生活を整える事、家族が適応出来るようサポートする事に終始するのでしょうが、色々な事が落ち着いたら、もう少し頻繁に山に行きたいものです。
実際に住むとなると、生活の不便さや田舎特有の周囲との付き合い方など、戸惑う事も多いかと思います。10年間勤めた職場と住み慣れた埼玉を離れ、家族を連れてUターンする事が最善の判断だったのかはまだ分かりません。しかし、いずれこの決断がベストであったと感じられる日が来たら良いなと思っています。
写真:実家裏から望む南アルプスの山々
写真を見れば、故郷は天竜川の右岸側でしょうか。いやもしかして左岸側。一度外に出て、他の世界から見なければ故郷のよさがわからないのが人というものだと思います。伊那谷は開放的な土地柄で、縁もないのに移住してくる人も受け入れる印象があります。
私も33年の留守のあと故郷に帰り、いろいろな気づきがありました。
良い家族にも恵まれて、きっといい結果になるとおもいますよ。
yoneyamaさん、初めまして。以前よりyoneyamaさんのイグルー関連のレコを興味深く拝見していました!
故郷は御察しの通り、天竜川の右岸側にある地域です。埼玉はとても暮らしやすい環境ではありますが、故郷の雰囲気や、自然を身近に感じられる所が自分の肌に合っているのかなと感じます。離れてみないと分からない地元の良さはたくさんありますね。
これからもyoneyamaさんのレコを楽しみにしています。コメントを頂きありがとうございました!!
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