その日は相当混んでいて、リハビリ室のベッドに空きが出ず、担当先生の判断で別階のトレーニング室を利用することになった。
で、移動した先に待っていたのは、自分には受け入れがたい状況。
8人の女子高生がトレーニング中。
爽やか、ハツラツ、元気いっぱいの皆さんだ。
ここに45歳のヲサーンが…?
どこに身を置けと…?
酸っぺーかほりだぞオレは?
場違い感が半端ない。
とはいっても、他に場所は無いし、仕方なく端っこのベッドで電気あてるやら、ストレッチやら。出来るだけ自分の気配を薄くして、場違い感を出さないように。
何もコソコソしなくても良いのだが、体育会系漢の世界に染まってしまった自分は何か居た堪れない気がして。
と、背後から「コンニチワ!」と元気な声が。
振り向くと入院中に会話したことのある女の子。
(前回の日記登場。前回は今回の前振りだったりする。)
「ヲォゥ…コンニチワ。調子はどうだい?」
と返事をしつつ、他の子達からの視線が気になる。
なんでビクついてんだオレは?とも思ったが、とにかく女子高生に占められた部屋にヲサーンが一人ってのがキツイ。
目立ちたく無い思いの反面、わざわざ声を掛けてくれた事が微笑ましく思えて、複雑な心境。
何となくの会話をする中で
「いやぁ、皆若いから回復速いねぇ。オジサンはキミから見たらお父さんの歳だよ、もう45歳だからねぇ。進みが遅いよ。」
と振ったら、
「大丈夫です!私のおとうさんの方が歳いってます。」
ヲイヲイ大丈夫って、そこじゃないだろ?と。
まぁね、素直ないい子ですよ。
親御さんも明るく元気で素直に育てられて、自慢の娘さんなんだろな、と。
年齢性別関係なく、コミュ持つってのは良い事です。
彼女はリハあがりだったらしく、「じゃ、お先でーす!」と元気に帰って行った。
さて、何だか動揺して変な汗が出てきたが、残りのメニューはミニスクワットとランジとストレッチで…と。
!!!
これって、ミラー前のメニューじゃないか。
リハ室のミラーは端っこに二枚あるが、ここはトレーニング室。
どセンターの壁一面が全面ミラーで、みんな並んでトレーニング中。
現在3人が並んで汗を流している。
で、空いているのは端っこじゃなくて真ん中…。
キツイ!これはキツイ!
でも仕方ない。
彼女たちの間に入り込んで、ヲサーンがヨイショヨイショと。
ピチピチ

ピチピチ

ヲサーン

ピチピチ

堪えられん堪えられん堪えられん、これはキツイ。
もうね、公開処刑。
心を無にしようにも、目の前には巨大な鏡。
現実の醜態が目に突き刺さる。
変な汗が脇腹を流れる。
オレはとんでもない間違った選択をしてしまったかもしれない。
地元で一番のスポーツ医だから、リハビリ頑張れば100%の機能回復だから、と病院を選び手術を選択した。
しかし、数か月後リハビリ段階を終え筋トレの段階になれば、この状況が度々やってくる。
ピチピチに混じってヲサーンのオレのメンタルは堪えられるのか?
お年寄りが病気自慢をしてる療養所のような病院が似合っていたのではないか?
数か月後、精神的院内遭難をしているかもしれない…。
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