５回目 エラーの種類
今回は、エラーの種類について説明したいと思います。
なぜ、エラーの種類を説明するかというと・・・
タイトルが「『ミス』を減らして安全登山」なのに、本文中には『ミス』ではなく『エラー』という言葉が出てくるからです。
『ミス』と『エラー』は違うのかというと、心理学の世界では違うそうです。
厳密にいうと、『ミス』は『エラー』の中の１つなんだそうです。
皆さんは学者さんでもないし、細かい言葉の定義をしらなくてもヒューマンエラー防止にあんまり影響はないと思うので、興味があればお付き合いください。
まあ、結論は、この連載では『ミス』と『エラー』は厳密に使い分けません！キリッ
心理学では、『エラー』を計画と実行の段階で以下の３つに分類しています。
※ここでいう計画とは、登山計画とかのように大きな計画ではなく、「やろうと考えること」です。例えば、お茶を飲もうとして水筒を取る行為は、お茶を飲もうと考えることが計画になります。
・スリップ ： 計画は正しいが、実行の段階で計画外のことをしてしまう。
・ラプス ： 計画は正しいが、実行の段階で忘れてしまう。
・ミステイク： 計画の段階から間違ってる。ただし、実行は、計画のとおりに行う。
例をあげると、
スリップは、冬用のガスカートリッジを持っていくつもりが、通常用をもってきた。車で言えば、ブレーキを踏もうとして、アクセルを踏むことです。
ラプスは、ガスカートリッジを持っていくつもりが、忘れた。車で言えば、発進のときにサイドブレーキを解除し忘れることです。
スリップとラプスは、繰り返し作業をぼーっと行っているときに陥りやすいエラーです。
ミステイクは、ショートカットしようとして、道に迷うことです。
これは、ベテランの過信もしくは、初心者の危険認識不足が原因です。
やっぱり、スリップとかラスプって言われてもピンときませんよね。
こうやって分類しだすと、分類するのが目的になってしまって無駄な労力を費やしてしまい、本質（エラー対策）を見失ってしまうので、個人的に分類はあまり好きではありません。
っというわけでは、今後もこの連載では『ミス』と『エラー』は厳密に使い分けません！
心理学の分類には含まれていませんが、１つ付け加えると、
ヒューマンエラーには、「バイオレーション」というものも含まれます。
これは、悪意のない違反です。例えば、信号無視がいい例です。山で言えば、「火気厳禁」と書かれたとこでストーブを使って食事を作ることでしょう。その結果、近くの枯草に火が燃え移り・・・なんてなったら、立派な事故です。
このバイオレーションは、社会や組織の誤った習慣や風習によることが多いです。
これは、一朝一夕での改善は難しく、外からの力で修正（監視等）や内側から少しずつ修正（繰り返しの教育）しかありません。
次回からは、人間は何でミスをするのかという核心に対して、「バイアス」という人間の思考の特性からアプローチしていきたいと思います。
ttmhajimeさん、こんばんは。
＞『ミス』は『エラー』の中の１つなんだそうです・・
そうですね、「フェ−ルセ−フ化」により、最小限に抑えたり、あらゆるトラブルを防止する「エラ−プル−フ化」も必要ですね。
次回も楽しみにしています。
>cprrescueさん
いつも、ありがとうございます。
がんばります。
毎度ご苦労様です。
ご投稿の間隔が短くてちょっと出遅れましたが、毎回大変参考になります。
スリップ、ラプスの付近で、ワタクシの場合は、さらに
・結果オーライ：計画の段階は間違ってるが、計画外のことを行ってごくまれに良い結果になる。
あるいは、おっちょこちょいなので
・問題外： 計画の段階から間違っていて、さらに計画外のことを行ってさらに支離滅裂となる。
などもありそうで、冷や汗です。
わけのわからないコメントで失礼いたしました。
次回も楽しみにしております。
＞tatsucaさん
いつもコメントありがとうございます。がんばります。
結果オーライと問題外は、思わず笑ってしまいましたｗ
座布団１枚ですｗｗ
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