表題のような愚行を擁護する発言をする登山家やクライマーがいるらしいが、
誠に信じがたい。
http://freeclimb.jp/index.htm#nachi
（リンク先削除）
http://www.tanteifile1.com/geinou/scoop_2012/07/19_01/
お山やら壁やらは、それそのものを伍したり征服したりする対象ではないと思う。
何事においてもそうだが、伍すのは己自身だ。
人間というのは、あくまでちっぽけな異物であり、侵入物でしかない。
足元の岩が崩れれば、手でつかんでいる枝が折れれば、あっという間に落ちて死ぬ。
言い換えれば、登ることは、岩や樹木などの自然が、
登る人間を守ってくれている、ということだ。
まして、多くのひとびとの信仰の対象とされている場所に対して、
自分の技術力やら、登攀欲やらを解放させたい、などという考え方は、
極めて幼稚で、自己中心的、無節度、無節操としか言いようがない。
自然への畏敬の念を持てないのなら、クライマーだなんて自称しないでもらいたい。
クライミングジムでグレードの高い壁を自分でセッティングして、
それを好きなだけやって満足していれば良い。
それであれば、誰にも迷惑をかけないから。
登山家やクライマーだけではなく、
長らくお山や岩登りなどを愛好しているひとびとは、
お山に興味を持ち、これからやろうとしている、
あるいは始めて間もないひとびとに対して、
ある種の行動規範を示す責任があるということを忘れてはなるまい。
http://www.yamareco.com/modules/diary/25571-detail-37941
q0u0pさん
こんにちは。
リンクづけ、ありがとうございます。
添付いただいたリンクは、予め閲覧いたしました。
私の日記と対比する、という意味では、
有効なのではないでしょうか。
ご意見はひとそれぞれですから、
それはそれとして尊重すべきとはいえ、
古の先人が槍や劒を開いたことと、
クライマーが那智の滝を攀じることを同列に並べることは、
無理があると私自身は考えております。
播隆上人や、平安期の名もなき修験者、
そして、明治末期の柴崎芳太郎氏などの先人が、
命懸けで開いたお山を登ることに対して、
より難しく登ることも、より平易に登るも個人の自由ですが、
(私も、槍沢からではなく、わざわざ北鎌尾根から
大槍の頂に立つことに、インスピレーションを感じる人間です)
少なくとも山を信仰の対象とした
先人への敬意を忘れるべきではありません。
それがなければ、ただのゲームと変わらないと思います。
彼らは、ボルトを打ち込んだわけではなく、
ナッツを使い、岩を傷つけなかったそうですが、
それなら問題ないだろう、ということではありません。
播隆上人も、柴崎氏らも、
開山に当たって地域の信仰文化を最大限に尊重しつつ、
地域のひとびとと折り合いをつけながら山を開きました。
そこには、進取の精神だけではなく、
既存のものに対する畏敬の念が常にあったことは、
新田次郎氏の著書をはじめ、その他の文献や、
現地の資料館を巡れば一目瞭然です。
要するに、この時代にまで信仰の対象として残ったものには、
相応の意味があるのであって、
それを無視した今回の行為は、破滅的でも進取的でもなく、
後世に名を残すような偉業でもなんでもない、ということです。
長谷川恒男や森田勝などの破滅的なクライマーも、
ただ登りたいという欲だけで登り続けながら多くの足跡を残し、
やがてはウルタルIIとグランドジョラスで、
雪崩と墜死という形で果てましたが、
わざわざ登るべかざる場所を選択などしなかったはずです。
だからこそ、彼らは死した後にも、その名が知られ、
多くのひとびとの心に残っているのだと思っています。
長々と失礼いたしました。
私の文章ではありませんが、
「私たちは山で遊ばせて、もらっている。」
初めて山に登った方も、ベテランであっても、クライマーであっても、そうかと。
遊ばせて頂いている以上、遊びではなくそこに何十年、何百年、ひょっとしたら千年つづく、山と人との営みは、尊重すべきだと思います。
そのような事も含め、登山は楽しいと思うのです。
全くおっしゃるとおりです
「禁止しているから登ってはいけない」
という単純なルールを無視して （というより理解しようとしないで）
信仰・・・宗教法人としては掛け替えのない財産というか根本・・・
を踏みにじったのですから
「やっちゃっても謝れば許してもらえるよね」
とか考えていたのでしょうか
だとしたら「30代ってゆとり教育を受けていたっけ？」
と思わざるを得ません
個人的には当アスリートとノースフェイス社が交わしていた
契約書にあるであろう「契約の解除」の項目を読んでみたいです
おそらく「反社会的な行動したらダメよ」とあると想うんですよ
読んでなかったのか、甘く見ていたのかはわかりませんが
ricalojpさん
こんばんは。
お山における知識、経験とは、
アビリティのワン・オブ・ゼムでしかないと考えます。
即ち、空間的に登ることに留まらず、
おっしゃるように先人に想いを馳せながら
次元的に登ることこそ、お山の大きな価値であり、
浪漫であると思うのです。
ただ、知識や経験を誇示するだけではない、
そこにお山に登る、攀じる、という行為の魅力が
集約されているのではないかと私は考えます。
長谷川氏にしても、森田氏にしても、
そして小説の中でサガルマータ南西壁を登った末に
果てた羽生丈二にしても、
知識や経験を誇示する以上の
「何か」のために登ったのだと思っています。
q0u0pさん
ご引用いただいた日記が、
私の意見との対比という意味で有効であると申しましたが、
この日記から件の日記へと辿ることで、
ともすれば件の日記内容への批評の矛先が向くことは、
本意ではありません。
再度閲覧したところ、
かなりの批評コメントが記されておりましたが、
上記コメントにありますように、
ご意見はご意見ですので、
尊重されうるべきだと私は考えます。
御神体が、宗教法人の知財的（？）な存在であるかはともかく、
ひとびとの無形の想いの集約であるということについて、
感じる感じないは、決して世代に関係ないことです。
そのひと自身の器量、このひとことに尽きるでしょう。
30代であれば、ゆとり世代ではないのに云々、
20代であれば、ゆとり世代だから云々などと言われますが、
では、40代であれば、バブル世代だから云々、
50代〜60代であれば、団塊の世代だから云々、
ということではないでしょう。
「当アスリートとノースフェイス社が交わしていた
契約書にあるであろう『契約の解除』の項目」、
この手の記載はあったのではないでしょうか。
しかし、あまりに反社会的過ぎて、
記載するに値しないような気も致します。
こんばんは、motchさん
”アクセス問題”
というJFAのstatementも騒ぎの本質を分かっていないし、次はエルサレムの嘆きの壁でも登るんですか？
そもそも日本でJFAと言ったら日本サッカー協会ですよ、というのはさておき、
この報道を見て、真っ先に閉山中の日光男体山登山を想起しました。二荒山神社のHPには、御山(男体山)=御神体山である、と明確な記述があります。
http://www.futarasan.jp/cgi-bin/imgsys/image.cgi?4
閉山期間が設けられるに至った経緯は分かりませんが、一応、宗教上の制約であると受け止めれば、（少なくとも神社が明確に拒否している）閉山中の中宮からの男体山登山も同じ批判を受けなくてはいけないのではないか、と思い至りました。
しかし、現実には閉山中の男体山登山のレコが存在し、かつ多くの人が拍手を送っています。
（HP内、志津宮の項には閉山について特に記述が見当たりませんでしたが、恐らく黙認しているのでしょう。）
神社側の怒りが相当強く報道されて”逮捕”というセンセーショナルな結末でなければ、q0u0pさんの紹介された日記に近い感覚を覚える人もそれなりに存在するのではないでしょうか。伝統に対する挑戦という観点では、”昔から変わらない事柄”の一つなのかもしれません。
どうしても登りたければ正攻法（神社公認で登る）しか無いと思うのですが、拙速に過ぎる方法論の誤り＝マナー違反、ということになるのでしょう。いくら御神体とはいえ、交渉相手は人間ですから・・・
いつの日にか登攀が解禁される時が来るとしても、今回の件で更に遠いものになったことでしょう。
それにしても、件のクライマーが遭難死でもしたら神社側は ”ばちがあたった” とでもいうのでしょうか。それも余りにアレな気が・・・でも報道は絶対そうなると思う。
で、素朴な疑問：NFは本当に本当に知らなかったのか？騒ぎが大きくなったから・・・・・NFの製品使っているものとしては信じたいところです
1955さん
こんばんは。
NFの件、リンク先を追加しておきますね。
http://www.j-cast.com/2012/07/18139717.html
そもそも、JFAなんていう、
サッカーではない協会組織が存在していることすら
知らなかった私なのですが、
（クライミングはかなり疎いので）
JFAが謳う「アクセス問題の防止、解決」やら、
「アクセス問題の啓蒙活動」やらと、
今回の一件を結びつける時点で、
JFAは根本的にカンチガイしているように思いました。
クライマーの意識というのは、
件の理事の発言がすべてとは思いませんが、
「難しい壁を、より難しく登る」ことに焦点があって、
その伝統や歴史の背景については
さほど興味がない傾向があるように思えます。
> NFは本当に本当に知らなかったのか？
こればかりは、何とも言えないところですね。
もし神社側にバレずに登れたとして、
S氏が「那智の滝登ったぜ
スポンサードしているGW社やツイッターで嘯いて、
結局世間の顰蹙を買い、同じ結末になったでしょうが。
GW社は、NFウェアと資金の提供はしていたでしょうが、
ギアはノータッチでしょうから、
わざわざS氏がGW社に事前報告なんぞしないような気もします。
するような人物であれば、こんな行為に及ぶ前に、
自分の行動計画を省みるでしょうね。
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する