最初のきっかけは何だったか忘れてしまいましたが、気がついたら、メスナー関連の本を探していました。
ヤマケイ文庫の表紙に使われている写真(雪の斜面に一人、自らが頂上の標識のようにすっくと立ち、サングラスの奥からカメラを睨むような)が好きで、最初にこの本を手に取ってからというもの、何度、この表紙を見つめていることか、、。
巻頭のこの文章、
「思わぬときに心の中からほとばしり出る孤独感には
きみを殺してしまうほどの力がある。
だが、うまく役立てることを心得ていれば
今見える地平線のはるか彼方まで
きみを運びあげてくれる力がある。」
を読んだ時は、心臓をギュッとつかまれた感じがして、これからこの本を読むのが怖いくらいでしたが、なんのなんの、最初の繊細な気持ちはどこへやら、瞬きもまばらにがっつりと、あっと言う間に読み切ってしまいました。
様々な登山家が山行き記録を本にしていると思いますが、その中でもメスナーの表現は、私にとって、とても心地よいものです。
185ページから始まる〈Diamir〉の章、冒頭にある、スペイン16世紀の詩人サン・ファン・デ・ラ・クルスの詩が載っていて、それはそこから続く〈白い孤独〉の内容が象徴されているものです。
195ページ最後あたりから、196ページにかけての文章は、こめかみと指先がジンジンするほど、愛すべき文章。
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