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服装、歩き方からさほど山慣れした感じでななかったが目が合うとニッコリと笑った。
「頂上まであとどれくらいですか?」
たどたどしい日本語とはっきりした目鼻立ちからアジアの何処かの国からきた女の子らしかった。
こんな山中で良く話しかけられるのは僕等が夫婦連れだからかそれとも人が良さそうに見えたからだろうか(自分ではそう思えないが)
あとどれくらい、だって?
僕等はせっかちだからコースタイムよりかなり早めに歩く方だがそれでも根子岳の山頂から35分。
目の前の純朴そうなこの娘が登ればその2倍以上の時間が掛かる気がする。僕は眉間の裏側に皺を寄せて一瞬考え「1時間20分位は掛かると思いますよ」と。そして「気を付けて登ってね」を言うと「ハイ、アリガトウゴザイマス」と彼女は明るく答えた。
…で、下る道すがらいろいろ考えてしまった。
彼女が途中のんびり休憩を挟んで歩き続け3時過ぎに根子岳に到着したら、今日は天気が良いからと山頂でゆっくり過ごして3時半以降に下山を開始したとしたら、そして下山に一時間以上、いや二時間近く掛かったら…
この時期日没は4時半頃。日が沈むと急激に闇が降りてくる。空は明るくても足元を照らす道具が無かったらいろいろと不都合が出てくるかも知れないし、まさかヘッデンくらいは持っているだろうな、とかいろいろと想像が膨らむ。
『2時半過ぎても頂上に着かなかったら下山してね』
なぜそう言ってあげられなかったかな、今から登り返して言おうか、いやまだ上に登山者も居たし多分だいじょうぶだろう…などと少しだけ悶々としながら眼下の登山口へ向け足を速めた。
山でアドバイスじみた事を言われるとあまり良い気持ちのしない人もいるだろうし僕も思い当たらない訳でも無いのであまり余計なことは言わないようにはしているが、さて今回はどうしたものだろう。
今朝になっても事故など報道されてないので少しだけ胸を撫で下ろしている。
Chiroさん、こんにちは。
私もたまに「山頂まであとどれくらいですか?」と尋ねられることがあります。
無視するのもアレなので自分のペース(=標準くらい)で答えています。
しかし、改めて考えてみますと、「山頂までどれくらい?」と尋ねる人って、ちゃんとした登山計画を立てていない人じゃないかな、と。
立てていれば計画書や地図を見るなりして所要時間は判るでしょうし、下山時刻が頭に入っていれば山頂まで進んで大丈夫かも判断できるでしょう。当然ながら自分のペースも理解しているでしょう。
ということは、無計画な人からの問いかけに対して安易に答えるとよくない、特に「こんな時間にここにいるの?」みたいな人には、と反省しました。
show_imprezaさん
コメント有難うございます。
自分は殆ど車でのアプローチなので時間的には自由度がありますが公的交通手段を使う場合、入山時刻が遅れ気味になることも有るでしょう。
それを割り引いてもお昼少し前あたりに入山される登山者とすれ違うことがかなりあって日が暮れるまでに降りれば良いと思うのか「これはちょっとマズイのでは…」というケースに良く遭います。
さりとて注意する立場でも無しそれこそ「自己責任」の世界なのでしょうが、山では「早着き早立ち」を叩き込まれてきた世代としては首を傾げざるを得ないことが多い昨今です。
ただ、聞かれたときは出来うる限りの情報は伝えるようにしています。相手が若いお嬢さんだったりするとつい老婆心が出て余計なアドバイスをしそうになりますが、そこは「押さえて…押さえて…」です。
※10/6に栗駒に行かれたんですね。私も同日あの山に居りました。
こんにちは、はじめまして。
自分も同じです
>山でアドバイスじみた事を言われるとあまり良い気持ちのしない人も
>いるだろうし僕も思い当たらない訳でも無いのであまり余計なことは
>言わないようにはしている
少し前大阪の岩湧山で中国人カップル(日本語が堪能)から「山頂まであと
どれぐらい?」と聞かれ、足元を見ると男性こそスニーカーでしたが、女性
はうすいパンプス
「ゴロゴロした石もあるし、下りが大変なのでその靴ではしんどいですよ」と
日本語で伝えたところ、素直に「靴を変えてまた来ます」と下って行かれました。
katatumuriさん
コメント有難うございます。
歳を取るほど人の意見に素直になれない自分がいます。
長く山をやってきた事に対する一種の「傲り」ですね。
若い頃はどうだったか…やはり素直じゃなかった気がします。
嫌なジジイにならないよう注意はしているのですが目に余るときはつい…
私は一度実際におせっかいしたことあります。
飯豊山でした。相手の装備、服装にキャリアと熟練度をあきらかに感じず、これを見過ごして翌日に遭難ニュースで知ることになったら寝つきが悪くなると思い直したからです。
内容とその後の対応は長くなるので割愛しますが、結果的に正解でした。
相手の表情、歩様スピード、山域、時間帯、いろんな要素を勘案して危険じゃないか?という勘が働いたら今後も声をかけるつもりです。
逆に自分がアドバイスを受ける場合は、心得てる内容であっても素直に受け入れ、心配していただいた気持ちに対してお礼をのべています。
chan-reiさん
つまるところ「言い方」なのだと思うのです。
明らかに上から目線での物言いでは人は素直になれないのでしょうね。
僕もかつてゲレンデ(岩場)で他パーティのリーダーらしき人にシュリンゲの事で「あ〜その結び方じゃダメ!落ちて怪我するよ!」
と声高に言われ「今までコレでやってきたんですよ!」と言い返したことがありました。
確かに教科書通りなら正解・不正解はあるでしょうがその通りではないのが登山です。
ただ、そのとき素直に受け取れなかった自分に対して反省の余地はあったと思います。
ですから相手を見てそのキャリアとか年齢とかで判断しアドバイスするなりそれとなく促すなりするのが大人の対応だと心掛けています。
コメント有難うございました。
chiroさん、こんばんは。
私も時々、下山時にこれから登って行く登山者を見かける事があります。今からは、時間的に厳しいなと思いつつ、大丈夫かなと、心配しますが声を掛ける事ができません。やはり、一言掛けるべきかな?私の思いは、やはり無理と本人が気付き早く下山してくれる事です。昔、観光客らしき人がペットボトル1本持って登ろうとしていた時はさすがに、「止めた方がいいですよ」と声を掛けましたが。
komarikuさん
確かに「とんでもない時間」に登ってくる登山者に「???」と思うことは多々ありますがなかなか注意までは出来ませんね。
以前、知り合いに「それ止めた方が良いですよ」的な指摘(webで)をした後「あ!やってもうた…」と思い慌てて取り消したことがあります。アルパイン育ちの人種からすると禁じ手(ピッケルバンドの首掛け)だったのですがその指摘は間違ってなくても上から目線にしか受け取れないだろうなと気付きました。
僕が山の先輩から教わってきた事はあくまで自分の問題であって人に対し同様に接するべきでは無いとつくづく思います。
コメント有難うございました。
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