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初めてのピッケルはインターアルプのシュイナードフロスト。なにせ金の無い学生だったのでやっと買えた一本でそれこそ抱いて寝るほど嬉しかった。
（ホントはシモンのスーパーＥが欲しかったが値段と折り合い付かず）
７〜８年は使ったと思う。
でもさすがに重いし長い。バリエーションでも使い辛かった。なので出たばかりのKAJITAXの EXPERT�供�65cm）に乗り換えた。当時仲間の何人かも同時に買い替えた。たぶん値段的に買いやすかったのだろう。「国産」というのも何となく安心感を与えてくれたかも知れない。
あれから約３５年。
晴れる日も吹雪く日も凍てつく壁にもコイツは付き合ってくれた。まさに「相棒」だった。でも一昨年あたりから「ん？…なんか重いな…」と感じる様になってきた。
僅かだが雪壁を登るときの挙げる手に感じる重さが余韻のように身体に響くようになった。つまり加齢による筋力の低下？
それと長年アイゼンの団子を落とす事によるシュピッツェ上部のラバーがボロボロになり経年劣化(加水分解）も加わって酷い見てくれになってしまった。
自己融着ゴムテープを巻いて補修してるが一シーズン経つと汚らしくなってくる。
「ピッケル」というモノに「岳人の魂」とまでの思い入れは無いけど、ヘッドを握りしめて雪上に立ったときの凜とした気持ちは今も昔も変わらない。単なる道具ではあっても命を預けるのだから姿形も美しくあって欲しい。昔の人もそんな想いを込めてピッケルを使っていたのだと思う。
以前読んだ本（山渓？）に戦時中、禁制品だったピッケルを戦闘機「隼」のクランクシャフトの一部を鍛え上げ、こっそりと作られた一振りがあったとか。「岳人の魂」そのものだったのかも知れない。
Black Diamond ベノムアッズ。昨日mt石井で買ってきた、２万円也。
眉目秀麗、とまでは言わないがまあ良い面構えをしている。恐らくこれが最後のピッケル。須弥山もこいつで登ってやろうか。
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