一般人が浜側から長峰山へ登る時に使うルートでは、登山口の手前に伯母野山町を通過します。右に女子大、左に中高校を見て登る傾斜の強い舗装路で、登山口手前には伯母野山住宅の碑というものがあるとおり、古くから住宅が建っていたようです。
伯母野山という山は今はないわけですが、昔はどうなのかというとどうもはっきりしないと思っていたところ、1963年の神戸市文化財調査報告「伯母野山彌生遺跡」を掲載しているサイト、全国遺跡報告総覧(http://sitereports.nabunken.go.jp/en)を見つけました。
ここで「伯母野山彌生遺跡」(http://sitereports.nabunken.go.jp/ja/search?all=%E6%91%A9%E8%80%B6%E5%B1%B1&id=10350)の図を見ると、現在の神戸松蔭女子学院大学があるあたりに標高210mくらいの勝岡山、南北に通る道を挟んでその西側に205.6mの牛小屋山というものがあります。これらの山は今は姿を消しているわけですが、それらを挟む位置、北寄りには古池跡と記された場所があり、道はそこで少し西に曲りその西側を通っています。前回歩いた印象によると、ここは最近建った有料老人ホームのあたりではないかと思います。で、肝心の伯母野山はどこかというと、勝岡山の北、図に六甲中学とある場所の東に表記されていますが、山といえるほどの傾斜を感じさせる場所ではありません。
これらの関係は、報告書本文では、"厳島神社の裏手の山が牛小屋山で、谷川を距てて東が勝岡山、伯母野山は勝岡山の道を距てて北にある"(p2)と書かれています。
これらを元に昭和2年発行の1/25000地形図「神戸主部」を見ると、牛小屋山の位置に205.9mの標高が印され、勝岡山の位置に210m相当の等高線、古池跡の場所に池が描かれています。そして、古池跡にあたる場所北に210mの等高線で囲われた小ピークがあるので、ここを伯母野山と思うことにします。電子国土Webで当てずっぽうに見当を付けて標高見ると216mと出ました。どうやら伯母野山は勝岡山や牛小屋山のような目にはあわなかったようです。
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