あまり知らなかったのですが、SCW(Super Computer Weather)というものは短期の気象の読みには向いていますね、感心しました、登山をするのには安全面が第一なので「気象の読み」は欠かせません。
簡単に言って天気の「下り坂」と良くなっていく「上り坂」ではまったくリスクは大きく異なるということです、「下り坂」の度合いによっては日帰りでも不向きでしょうし、縦走などでは行程変更なども視野にいれたほうが正解でしょう。
意外と昨年の那須岳のように「風」で亡くなるということもたまに発生しています。もう最近ではありとあらゆる「お天気サイト」が氾濫してベテランから初心者まで、どんな登山者でも簡単に気象情報を入手できますし「にわか気象予報士」の様相で登山と同じ「にわかベテラン」でわかったつもりの登山者が増えています。
しかし、これだけ「情報社会なのに、気象遭難が絶えることがありません」これは「情報社会なのに、道迷い遭難が絶えることがないのと似ています」交通分野でも「自動車の安全運転装置では事故を減らせない」というのがあります。
この3つのことと、ほかにも世の中には自然災害や労災に至るまで便利な道具に共通する心理が「リスク補償心理」(安全技術では事故を減らせない)というものがあるといわれています。山岳関係者でこれを発信する関係者は残念ながまだ誰もいません。
1. 「自動車の安全運転装置では交通事故を減らせない」
2. 「GPSなど衛星通信によるナビゲーションでは道迷い遭難は減らせない」
3. 「遭難捜索システム」や救援要請システムでは遭難事故は減らせない」
4. 「Super Computer Weather」などの気象予報システムでは気象遭難は減らせない」
※1.については「道路交通法」では安全運転装置の故障による事故であっても、運転者がそれを証明できない場合は「すべて運転者が責任を負うという法律解釈」になっていてCMとは真逆で常時運転者が「安全運転装置に故障がないかどうか見張っておく必要があるということになっています」車の代理店・ディラー店の営業マンも知りません。
※2.3.4についてはプロでない限りは自分が遭難して周囲に迷惑をかけるだけ (自分で責任はとれないから、自己責任ではない) で、損害賠償は発生しないので「自業自得」です。
それぞれに各分野で正しく認識、理解して活用すればリスクを避けられるし、大事に至らずに助かる「ツール」としては昔と比較して日進月歩で革新的で便利なものです。
しかしながら人は便利になると「より高いリスクを求めて、実力以上のことにチャレンジするという心理が働きます」これを「リスク補償心理」といい事故を減らすどころか逆に増えていることが各分野で指摘され研究されています。
先日も西穂から奥穂のコースでも実力不足で立ち往生遭難がありましたが初級の実力しかないのに万が一の時は「ヘリを呼べばいい」とか豪語したり「捜索システム」に加入しとけば助かるからいいとか、他人の道迷いには「なぜGPSや登山アプリを活用しないのか?あったら道迷いをしないからいいのにとか非難をします」がなくても行ける実力がないなら行っては駄目なのに「道具で本末転倒」に最近はなっているという傾向となっています。
https://www2.rikkyo.ac.jp/~haga/files/sice_sss2009.pdf
このあたりを認識して正しい活用の仕方を学んで生かしたいものです。この話は「減らせる」と思っている方が大多数だから難儀なお話です。
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