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http://yamatabi-hanatabi.com/kamueku2009-2.html
北海道の山登りを始めたころは、ヒグマのことが心配でなりませんでした。シラネアオイが見られる尻別岳が、今年5月、そのアプローチの林道でヒグマの目撃情報があったというだけのことで、留寿都村は尻別岳の登山を禁止したのですが、そのようなことをしていたら、北海道の山はどこも年中、登山禁止にしなくてはなりません。
ヒグマは街にも降りて来て、札幌市の住宅街に現れるのは年中行事ですから、目撃情報があっただけで街中の道を通行止めにしないとつり合いがとれません。
留寿都村では、猟友会に確認してもらって安全が確認出来たら禁止措置を解除するとのことですが、どうやって安全を確認するのでしょうか。なかなか想像のつかないことです。
ヒグマはどこにでもいますし、ちょっと山に入ればその痕跡を至る所で見ることができます。ヒグマによる直接的被害は山菜取りに山に入る人が圧倒的に多いのですが、それは、登山者のように熊鈴を鳴らすなどせずに、竹の子を独り占めにしようとする場合に多いようです。
北海道の山では何度もヒグマに逢いました。林道に沿って咲くサルメンエビネやクマガイソウの花を見ながら沢に入り、カムイコザクラが咲く秘密の岩場までの間は、いつヒグマがお出ましになるか、相当の雰囲気がありやはり心配になります。こんな時は、空の大きなペットボトルをペコペコさせればヒグマは警戒して寄ってこないと、アイヌ民族最後の狩人とされる姉崎等さんが、その著書「クマにあったらどうするか」で、ヒグマを遠ざける最善の方法として述べられていますので、何度か実践してみました。ただし、クマガイソウやホテイアツモリソウなどの稀少な植物を見に行く(探しに行く)山の場合は、ひっそり行くのですから、忍者スタイルになりますので、ヒグマには構ってはいられませんね。
しかしながら、山歩きでペットボトルをいつもペコペコさせるのは不可能です。やはり大きな熊鈴を持っていると安心感があります。また、沢の流れの音で人の居所を知らせられないとき、これから漏れなくヒグマがいるようなカールに入るときには、ホイッスルを鳴らすのも効果的です。
※ ヒグマ怖さにいつも熊鈴を鳴らすのは馬鹿の一つ覚えです。
1 自分しかいなくても大自然の中ではうるさい
2 ヒグマのとの距離があって採餌しているようなときには、かえって鳴らさず、静かに歩いて離れる
3 ヒグマが先に人を察知して藪の中で身を潜めている場合(異様な獣臭がする)は、静かに、かつ迅速にその場を離れてあげる
など、ただヒグマを恐れるのではなく、臨機な対応をしてあげるのがいいでしょう。
ところで熊が出たというだけの話で登山口にPOPが張られた尻別岳ですが、喜茂別町は尻別岳「喜茂別コース」を閉鎖していないようですので、どうしても登りたい方は、そちらのコースをどうぞ。ただし、あまり使われていない感じのするコースですから、ヒグマに逢う機会は少しは多そうな感じがします。
それにしても村の役人は、現地にPOPを張っただけで具体的な安全策を取らず、村のホームページも不十分で、他の町の猟友会に丸投げと言うのでは緊張感に欠けるものです。ただ無駄な時間を費やして解除をしないならどのような調査をしたのか、具体的に知りたいものです。
参考:大山剣ヶ峰 立入禁止の縦走路を歩くと法律違反か?
https://www.yamareco.com/modules/yamanote/detail.php?nid=3232
※ 禁止を破って登山をするということに単純に「軽犯罪法違反」と言う向きもありますが、「人にだめよ」と言うときは、単に「熊を見た」人がいるというだけではなく、禁止することができる根拠を示さなくてはなりませんね。公務員の仕事と言うのは常に根拠があってのもので、それは村役場であっても同様です。
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