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言わずと知れた世界最高峰の山。
1953年、イギリス隊のエドモント・ヒラリーとテンジン・ノルゲイによって
その頂きが始めて人の足によって踏まれたというのが通説。
しかし、1924年、ジョージ・マロリーとアンドリュー・アーヴィンが、
その頂上をすでに極めていたのではないかという説もある。
その山岳史上最大の謎を解く鍵はマロリーのカメラにあった。
山への狂おしいまでの情熱を捨てきれない41歳のカメラマン深町と、
伝説の登山家、羽生丈二。
男達のヒマラヤの山々=神々の山嶺への魂の揺さぶりと生き様を、
マロリーのカメラの謎も交えながら話は進みます。
夢枕獏をして、
これを超える山岳小説はもう出ない、
もう山については書けないと言わしめる程、
情熱が注がれた作品。
===
岸壁を登っている時、
ヒマラヤの稜線を一歩一歩歩む時、
50m滑落し生死の境を彷徨っている時。
自らの魂と自問自答する描写が、
延々と続く場面があります。
何故、山に登るのか、
何故、生きているのか、
青臭く、思春期のようなこの問いを、
山に情熱を燃やす男達は、
問い続けることが止められません。
おざなりに生きるのではなく、
真に「いのちを燃やして」生きる。
「いのちを燃やして」生きる男達の自己との闘いの物語に、
魂掴まれちまいました。
刺激が強くて人生狂わせそうな危険な小説だわよ、これは。
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