かなり前にアディダスに買収されたようだが、ファイブテンというクライミングシューズを扱うブランドがある。
クライミングのまねごとを始めた頃、5.10というのはグレードを示すものだと薄っすらわかっていたので、そのクライミングシューズを履くには5.10を登れればとりあえずは恥ずかしくないな(´ω`)、などとわけのわからないことを考えていた。
まぁ早い話、フリークライミングをなめくさっていたわけだ、5.10なんてのは簡単なんだろと。
アルパインらしきことを始めるとそれがなんともおもしろく、ボルトで整備されたゲレンデに行くのは億劫で退屈に思えて、足が向かなかった。
しかしついにある時、より難しい岩にも登れるようになりたいと、フリークライミングのゲレンデに行くことになった。
フリークライミングとは一体なんぞや、ということはあまり世間に知られていないと思う。フリーソロで登るのをフリークライミングと思っている人もいるだろうし、未整備のアルパイン的な岩壁を登る印象の人もいるかも知れない。
それはともかく、結果的にとてもファイブテンの靴を履く資格が自分にはないとうちひしがれることになった。
とても難しいんである。ものすごいセンスと筋力を持つ人であればオンサイト可能なのかも知れないが、普通はまず無理だろう。
まず、ボルトはあるが難しいうえにスッキリしたフェースで当然少し登れば高い。難しいから落ちそうでおそろしい。高所恐怖症である自分には、ボルトが絶対抜けないと仮定してもおそろしくてたまらない。トップロープでもおそろしいんだから始末が悪い。
そして5.10というと前傾した部分が出てくるルートもあり、ますますおそろしい。おそろしいうえにかぶっているから腕が速攻でパンプする。
Youtubeあたりで動画検索すると、5.10は皆ごく普通に登っているし、しかも一見とてもスイスイ簡単そうに登るんである。実はそれは罠だ。彼らは相当な練習と鍛錬をした上で登れているんだろうと簡単に予想出来た。
世の中ウマイ話はないんである。フリーの世界では、ちょっとやってバエバエ動画が撮れるなんてことは絶対にない。だからこそ、フリークライマーは尊敬に値する。
ゲレンデでは普通に5.8か5.9〜5.11辺りのルートが大部分であることが多く、最初はほぼどこも登れない。どこも登れないからおもしろくない。いやまぁ5.9で必死にがんばれば登れるかもしれないが、そこはそのゲレンデの最低グレードだったりする。全力必死でやっと最低ランクなのである。そしてその1本で腕が売り切れる。フリークライマーってすげぇ、とますます思うと同時に、自分の情けなさがMAXまで高まるのである。それ以降、すみーっこにあるボルトの打たれていない、ゆるーい岩を灌木に支点取りながら登ることになる。こんなのフリークライミングじゃねぇ(泣)
今でも登れるグレードはそう変わっていないと思うし、より登れるようになるにはどうすればいいかはだいたいわかっているつもりではある。そうであっても、フリーの世界に浸かる気にはなれないのはやはり自分にはもっとおもしろいことがあるからなんだろうと思っている。自分には向いていないということか、はたまた鍛錬嫌いの生来の怠け者ということなのか。
まぁなにが言いたいのか自分でもサッパリわからなくなったが、外岩フリークライミングの世界が衰退に向かうような事態になれば、それはとても悲しいことであり、連鎖的に鎖やロープを外される一般登山道も出てくる流れに向かいそうな気がする。だって、ゲレンデに何百本も打ってあるボルトや、日本中そこかしこにぶらさがる1本1本の鎖やロープに管理者責任を課されるなら、絶対にそんなリスクは避けたいじゃない。
フリーの世界に限らず、登山界であまり触れられてこなかった禁忌に迫る訴訟の行方がとても気になっていると同時に、いつになったらボクはファイブテンが履けるのか。履けるようになるまでにゲレンデにボルトは存在しているのだろうか。
せめてファイブテンは履いてみたいぞ。いいのかわるいのかわからんけど。
SМさんも高所恐怖症だったんですね。
「も」と言うからには、僕も筋金入りの高所恐怖症です。
お話し伺って、よくもまあ、ファイブテンの沢靴履いて滝登ってたもんだと、我ながら感心します(笑)
ついでに白状すると、スピード恐怖症でもあります。
山スキーで少しスピードがのってくると、もう怖くって怖くって。。
山でケガしたら、普通は自分のせいですよね。
もともとがんこ屋さんは好きですが、高所恐怖症仲間ということがわかってますます大好きです(´ω`)
ファイブテンの沢靴と言えばなんとかテニーってやつでしょうか、まぁ履いたことがないのでアレですが、滝登るのもおそろしいですよね。おもしろくって仕方ないんだけど、おそろしくて仕方ない。なんなんですかねアレ(´ω`;)
いつも思うのは、記録見て、おお登れそうだぞこの滝、なんて思って勇んで行くと、とんでもなくおそろしいとか普通にあって、こわいところはこわいって書いてよ!とか思うわけです。
まぁ登った本人は本当にこわくないのかもしれませんが、すごい人もいるもんです。
ボクは割とスピードには強い方かもしれません。
でも山でスピードが出る=高いところから低いところ、ということなので、結局はおそろしいってことですね。
まずは責任がどうこうってよりも、ケガして痛い思いするのは自分だし、しばらく山に入れなくなったり、まかり間違えば命を落とすこともあるわけで、そうならないための自衛はやろうよ、って話だけじゃダメなのかって思っています。
自分も2年くらい前、SM100Cさんの今のお気持ちとほぼ同じ感情を抱きました。
アルパインとフリーは全くの別物です。
かといって、どっちが凄いとかっていう話でもありません。それぞれに素敵な部分があり、
どの方向性が自分に向いているかだけの話だと思います。
今回の日記には、訴訟中の事案のことが背景にあると思います。
自分もSM100Cさんと思いは同じだと思います。
最近はフリーばかりやっていますが、またこちらに遊びに来られるときはお声がけください^^
アルパインは壁の弱点を探しながら登るのに対して、フリーはより難しさを追求するものと認識しています。初期の頃、榛名黒岩でご一緒させてもらったときに、カチのくぼみで登るんだということに衝撃を受けたのを思い出します。
ボルダーなんかは低くてこわくないのでけっこう登れたりするんですが、やっぱりロープクライミングが必要なフリーは違いますね。登れるようになりたいってのもあるにはあるんですが、体力維持するのもやっとみたいな昨今ですわ(´ω`;)
5.11↑を登れてしまうbicycleさんとフリーに行ってもビレイくらいしか出来ませんので、ゆる〜いキャンプとか沢とか行く日が来れば、ご一緒出来ればと思います!
フリーは、いかに困難な岩壁を登れるようになるかが目的。
アルパインは、山頂に至る様々なルートを辿ることが目的。(山頂ではなく、そのルートを辿るのが目的というのも含めて)
例えば、壁で困難な所が出てきた時、フリーはそこを攻略できるように何度でも挑戦する。アルパインでは、まずは困難な場所を回避できるルートを探す。それが見つからないときは、そこを攻略できる方法を探す。
同じような事やるのでも、こんな感じですね。
ちなみに高所恐怖症。私も年々それが強くなっています。
バランスや筋力の衰えからきているのでしょうけど、これが年を取るという事なのでしょう。
だからもう、グレード幾つが登れたとか、アルパインかフリーなんてのは無縁で、岩場があって攀ってちょっと楽しれば嬉しいという感じになってます。
責任論の方は極論ですが、山登りをする人は山で起きた事に対して、誰に対しても何の責任追及をすべきではないと思っています。(誰かに突き落とされたとかは別)
そもそも、山に行かなければいけない必然性はなく(山で仕事をしている人は別として)そこに自ら行くわけですから。
フリーとアルパインについての認識はまったく同感であります。
ただ、人間の欲望というのは果てしないもので、アルパインもやりたいけど、より難しいフリーの壁も登れればうれしいぞ、ってのもあります。
さらにいえば冬にスキー出来ればたのしいだろうなぁとか、花が咲けば見に行きたいし、速く歩ければより遠いところまで行けていいだろうなとか、山にかかわるありとあらゆることが楽しくて仕方ありません(´ω`;)
まぁどれも中途半端で結局どれも大したことはないわけですが(泣)
筋力の衰えからくる高所恐怖症、なんとなく思い当たるフシがあるのが悲しいところですが、そんな中で自分の程度がわかって登れるところを登る、無理はしないというのが最近岩に向かう時に思うことです。
以前、とある山で鉄柱で鎖が張られて手摺に使われているようなものを掴んだ時、鉄柱の根元が錆びていて折れてひっくり返ってしまいました。
いかにもな無神経さで、アルパイン的なことをやっているにも関わらずこんなミスをしてしまった自分が情けなくて仕方ありませんでした。
あんなものに管理責任があるなら、管理者は夜も眠れなくなるでしょうね。。。
管理者責任、訴訟社会の海外な話しかと思っていました。手入れの不十分な岩の尾根道で枯れ木に体重掛けて滑落しかけた同行者の話しはどこかでしたかもしれませんが、それが誰かの設置物だとしても、体重掛けるか否かは本人の見極めですよね。放置プレイな山道歩くと、地元山岳会の方とかが整備してくれている道のありがたさがわかります。一方で社会インフラはどこも老朽化が進行してるし、山ではよく見て歩かなきゃですね。
バッチリ高いところこわいですよ。でもそれを克服するためにやっているんじゃなくて、それよりも行ってみたい好奇心の方が強いんでしょうねきっと。もちろんこわいからやめるって選択も何度もしたことがあります。イチかバチかみたいなことはやらないというのはアルパインの鉄則なんです。それこそボルトがしっかりしたフリークライミングだとそれもアリなのかもしれませんが。
妙義辺りの一般登山道ではもうそれほどこわいと感じるところはない気がしますが、それはきっと難易度が絡んでいるんじゃないかと思います。フリーの壁やアルパインルートから考えると妙義の登山道はとても気楽な感じです。
管理者は存在するけど設置物含めて安全確保は自分持ち、というのが山での暗黙の了解と思っています。だからこそ、今まで登山者は登山道を歩けているし、クライミングゲレンデも遊べているんだと思います。
それが、5.8,5.9が登れないとヤバいと思って、気合を入れたら、5.8ぐらいはすぐ、オンサイトできるぐらいにはなりました。要は、フリークライミングのゲレンデで遊びたければ、フリークライマーの感覚になるということですね。
まあ、そうは言っても、自然を楽しむことが目的なら、クライミングをする必要性はありませんから。
アルパインとフリーの違いは、wikiに書いてある通り、スタイルの違いだけです。本来、難易度は関係ないです。ボルダー、クラックなど、やりたいことをやりたい時にやるのが、自然の楽しみ方ですね(;・∀・)
一つのことに集中しすぎても、自然の中でいいことは一つもないので、SMさんの楽しみ方でいいと思いますよ(^^♪
NYAAさんにもそういう時期があったんですねぇ(´ω`)
クライミングの世界って、ある程度知ってから動画を見ても5.12とか登っているのは相変わらずすごいと思うんですけど、自分があそこまでなれる可能性は少ないと思うし、年齢を考えるとアルパイン的なこともいつまで出来るか…
森山憲一氏がブログでいつか書いていたのは、アルパインクライマーで5.12を登れる人は日本でそう多くはいない、ということでしたので、そこに救いを得ています(´ω`;)
限られた休みの中で岩も沢も行きたい、天候にも左右されるとなれば、ひとつのことにこだわって時間を使うには惜しいお年頃なんですなぁ。
ルート図の公表が、世間に対する管理宣言とか供用開始宣言とかに誤解されたりするのはマッピラゴメンだからです。
要するに、当該の訴訟によって、僕の思考も活動も委縮してしまってるんですね。
アルパインだけではなくフリーであっても、自然の中で岩壁というそれ自体危険な自然素材を利用した行為だし、しかも、高い位置で重力に抗う行為なわけだから、当然、生命身体に危険を及ぼす確率が高いし、この危険性の高さを通常は誰でも認識できるわけですから、あえてこんな危険な行為を行う僕らにとってその行為は、極めて個人的な嗜好性、趣味性、自律性の高い性質の行為であって、だからこそ、外岩特有の自己責任の原則という論理も出てくる。
岩に取付く人は、管理宣言があろうが、供用開始宣言があろうが、誰も安全宣言をしてるわけじゃないわけで、そんなことは百も承知だと信じていた自分が情けないですね。
いま、ハイキングルートの鎖の整備とかもやってますけど、何だか後悔してます。急いで全部撤去したい気持ちでいっぱいです。そもそも、僕らにとっては鎖とかロープとか無い方がスッキリして気分よく山を楽しめるわけだし・・・。
僕も山で沢山怪我したし、山に逝った友人もいますので怪我した人の気持ちは分かるつもりですが、管理宣言するなら安全宣言も含まれているはず、安全を保障できないなら管理宣言なんてするな、ってことですかね?
提訴のニュースを知って以来、心理的な動揺が大きくて辛いです。
さらに言えば、いくら打って2〜3日の新しい支点であったとしても、オレが打ったアンカーは絶対に抜けない、と言える人はこの世にいないと思うんですよ。
まぁフリーやる人はそれじゃ困るという人はいるのかも知れませんが、そこは自分で確認するくらいの注意深さはあっていいんじゃないかと思います。
支点は公園の遊具とは全くの別物であって、安全の保障はしないけど使いたければ使ってね、程度のものであり、それで今まで成り立ってきたジャンルではないでしょうか。
そこを違った解釈すると、「山の遊園地化」が進んでしまうという構造だと思っています。
しかし二子山について言えば、小鹿野クライミング協会がリボルト等をサイトで告知するくらいのことをやっているため、管理責任がどこまで問われるのかわからない状況ではないでしょうか。
場所場所で取り巻く環境が違う世界ですから、一概にすべての場所の事故が責任を問われるなんてことはないと思っていますが、ルートを公開しないのは予防線としてはまず良い作戦ではないでしょうか。積極的に「登ってみてよ」と告知していることにはならないでしょうし。
ともあれ、同じ山仲間が争うというのは悲しいことだし、もっと別の道がなかったのかなぁと思うばかりです…
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