ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

HOME > hiroCさんのHP > 日記
2024年02月25日 07:26忘備録全体に公開

陽だまりの記憶

雨上がりの朝、まもなく職場に到着する車の中。
少し大きめのエンジン音の中に、異音が聞こえた
気がした。最初は気のせいとも思ったが、
確かにそれは聞こえる。
機械音ではない。何か動物の声⁉︎
職場に着き、急いでボンネットを開ける。
エンジンルームの片隅。
枯れた声で鳴き叫んでいたのは、
手のひらに乗るほど小さな一匹の子猫だった。
凄く怖かっただろう。可哀想なことをした。
実家から気付かずここまで来てしまったのだ。

…ふと思い出す。
前夜、風雨に紛れて聞こえた赤ん坊の様な声の事。
家の近辺に子連れ猫の心当たりは無かった。
多分この子猫に親はいない。いや…
実際、どこかには居るのかも知れないが、
もうこの子の側にはいない。
恐らく一匹だけ、誰かの手によって
裏のお宮にでも捨てられてしまったのが
実際のところだろう。

気持ちが騒めいていた。
もはや選択肢は無かった。
目と耳がやけに大きい、小さな小さな子猫が
家族に加わったのは、21年前の夏の事だった。
お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:139人

コメント

この日記はコメントを受け付けていません。