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2025年01月05日 15:40忘備録全体に公開

陽だまりの記憶4

入院から数ヶ月後、祖母は静かに天に召された。
母とちゃみ、二人だけの生活が始まる。
自分自身も結婚後、祖母の体調悪化前から
既に実家を離れていたこともあり、
実の親を失った母を精神的に支えていたのは、
母にとって孫の様だったちゃみに違いなかった。
実家では静かで穏やかな日々が続いた。
自分も妹らも子育てや日々の生活に追われ、
そこから数年の月日があっという間に流れた。

老猫になり、動きも緩やかになったちゃみは
いつしか寝ている事の方が多くなった。
老いは更に深まり、病院通いの日も多くなる。
その目や耳は、もう殆ど効いてはいなかった。

衰弱と回復を何度か繰り返し、昨年の冬に
母が見守る中、ちゃみは静かに旅立った。

時間は流れ、記憶は次第に薄れる。
このまま薄れて忘れてしまうのは哀しい。
記憶を文章に起こし始めてはみたものの、
何だかどう締め括っていいのか分からないまま、
あれから一年近くが過ぎてしまった。

エンジンルームから抱き上げたあの日以来、
君は幸せだったろうか?
今頃おばあさんと仲良くしているだろうか?
いつも皆を穏やかな気持ちにしてくれたね。
ありがとう。今も俺はそう思っている。
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