『ちゃみ』と名付けられた。
新たな環境での生活が始まる。
家族全員がそれぞれの形で子猫に愛情を注ぐ。
ストレスを与えない様、出来るだけ自然体で
寄り添う自分や妹たち。
過保護気味ではあるが率先して世話を行う母。
とりわけ祖母は、皆が呆れるほどにちゃみを
愛で、向こうも祖母に懐いている様に見えた。
祖母が畑仕事から戻って来た時は大概、
ちゃみは家のどこにいても、一目散に玄関まで
飛び出して来て出迎えた。
その後は一緒に座った縁側の椅子で、
いつまでも膝上のちゃみを撫でていた。
一匹の子猫が加わったことで、知らないうちに
家の中が少しだけ明るく温かくなっていた。