![]() |
しかし、このサイト(の民間気象会社)だけが特別なのではありません。
今回は、無料と有料の天気予報の根本的な違いについて触れたいと思います。
天気予報は、気象業務法では「一般向け予報」と「特定向け予報」に分けられるそうです。
「特定向け予報」とは『契約等に基づき特定の者に限って提供する予報であって、かつ、当該特定の者の利用に供するもの』、つまり有料利用者限定の天気予報です。
「一般向け予報」とは『特定向け予報以外の予報』で、テレビやネット上で誰もが見られる無料の天気予報はこれに当たります。
「一般向け予報」の内容は、気象業務法で制限されています。例えば、台風の予報。特定向け予報であれば独自の予報などを提供することができますが、それができないので、気象庁が発表した情報の提供と解説程度になります。
山の予報に関しては、次のような規定があるようです。
『現地観測値については、予報を行う最小単位の対象区域ごとに、その区域内の少なくとも1か所以上の地点の観測値を収集すること。ただし、急峻な山岳地域の気象予報を行う場合等を除き、数値予報に使用する解析値など現地観測値に代わると認められる資料を利用する場合は、現地観測値の収集を要しない。また、特定向け予報の場合は、予報期間の区分にかかわらず現地観測値の収集を要しない。』
要するに、山岳地域の予報は、その会社独自に観測機器を設置するなどして現地の観測データを入手していない限り「一般向け予報」では発表できない、ということ。
ちなみに、予報の基にできる「現地観測値」は気象庁で認可された機器によるデータに限られており、小屋番さんなどが測定した気温・風などは使えません (現地情報としては非常に有用なのですが)。
無料サイトに「天気予報ではありません」と書かれているのには、気象業務法違反を避ける意味もあるのでしょう。
実は、前回取り上げた「秋田駒ヶ岳」の予報の基となっているデータの地点は、無料サイトも有料アプリ・サイトもおそらく同じ。
某無料サイトには『高度別の値は気象庁が作成した天気予報の元となる数値計算結果です』と明記されていました。無料サイトでは山岳地域の予報が禁じられているので、地形の影響を考慮するなどして山頂の値に計算し直したものは示せないわけです。
“近隣市町村の天気=麓の天気”とは限らない点にも要注意。
前述の「秋田駒ヶ岳」のページでは『近隣市町村の気象情報 (仙北市)』となっていましたが…
仙北市の面積は1,094平方キロメートル。東京都の約半分ですよ。
…山の天気と思ってたらそら当たらんわな〜。
じゃあ有料なら当たるのかっていうと、そうとも言い切れないのは、皆さんご存じの通りですけど😅
コメントを編集
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する