10/15発売・配信開始した、空木哲生『山を渡る −三多摩大岳部録− vol.5』(KADOKAWA) を読みました。
ご存じない方のために簡単に紹介すると、大学山岳部を舞台にしたコミックで、入部間もない初心者から経験豊かな監督・OBまで登場します。
作者ご自身が登山経験豊富で、フィクションのはずなのに話にリアリティがあります。取材も丹念にされているのでしょう。
作者のインタビューやコラムは『山と渓谷』(山と渓谷社)に度々掲載(2020/1月号,2022/6月号)、2022年6月号の表紙にもなりました。
第5巻も笑ったり勉強になったり考えさせられたり…。
特に安達監督の一言一言に含蓄が。
「登山は自分で判断し行動することの連続だ」
「登山は人の評価など関係ない。自分で自分を充実させる行為だ」
本当にそうだよな、と心から共感しました。
あまり語りすぎるとネタバレになるので、内容についてはこれくらいで。
登山の教科書的に読んでも、学生の成長記としても面白いので、興味をもたれた方はぜひ読んでみてください。
「登山は人の評価は関係ない」という言葉は、最近自分が考えていることとリンクするところがあって、とても心に刺さりました。
つい最近まで私がメインに使ってきた登山アプリ・サイトはP社(※文中では仮名にしておきます)のもので、2年余になります。
理由はWSD-F30購入当時、ウォッチ上で使えるのがP社のWearアプリだけだったからです。
最初のうちは、登山用時計とハンディGPSの機能がスマートウォッチ1台で済むのは便利だと思ったし、ログと写真を組み合わせて山行記録をまとめるのも楽しいだけでした。
それが“いいね!”的なものが増えだしてから、少しずつ負担を感じるようになっていきました。
P社のそれが、お返しを強要している感じで… (実際ポイント制みたいになっています)。
相当のフォロー数(一個人なら全部読んでるとは思えない)のユーザーから“いいね!”集め目的としか思えない無言フォローや“いいね!”がつき、フォローバックはしないまでも義理で“いいね!”を返す…。
自分はそう思わないものに“いいね!”をつけるのが、自分の心に嘘をついているようで、なんだかスッキリしないのです。
P社からとある機能の利用促進の漫画と動画(ロングver.がYouTubeに残っています)が送られてきたのが約1年前。それが 「男性が山を楽しんでる間、女性は家事しながら家で待つ」という、ジェンダーギャップの典型的事例に挙がりそうな設定だったものだから、これを通してしまう企業の中の人の感覚にえらく驚いたものでした。(個人レベルなら私も問題視しませんが…)
https://youtu.be/q1xQSK97ZmI
あんまり批判めいたこと言いたくないけど
男は外 女は内
もうとっくにそんな時代じゃない
それともまだ山は男性のものですか?
『山を渡る』の黒木ちゃんも言ってるぞ!
「性別は関係ない!」
私が企業としてのP社に疑念をもち始めたのはその頃からです。
P社Wearアプリサポート終了(来年3月末)のニュースは、山歩きに関する自分の価値観を見直すいいきっかけになりました。
自分のログや記録は、会費やそれらの情報を適切に活用してくれる企業のサイトに残したい。
自分が本当にいいと思った投稿に拍手したい。
自分が本当に話題にしたいと思ったことを綴りたい。
映えや拍手の数に囚われずに、 自分の山歩きを楽しみたい。
ヤマレコとユーザーの皆さんには、そういうスタンスでお世話になれたらと思っています。
皆さんの投稿から、異なる考えや新たな学びを得るのも楽しみです。
これからもよろしくお願いいたします!
(拙い長文をお読みいただきありがとうございました<(_ _)>)
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