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下山ですが、最初に天候を確認(風雪が強い場合はアンザイレンして、初心者を、間に入れるように、2人の場合は前を歩かせる、ザイルは長くせず間隔は3-5m互いにザイルを2-3のループにして持つコンテニュアンス登攀)しながら鳥居から下りてください、しばらく右山になりますから、ピッケルは右手に持ち、直ぐ雪面にさせるようピックを後ろ向きに持ちピッケルバンドは左手に通す(姿勢が崩れたり転びそうな時にそのままピックを雪面に刺せるため)ブレードを前に持ち、一歩一歩、右雪面に刺しながら慎重に、風の音がしたら耐風姿勢を取り、風をやり過ごし、風が止んだら歩く、少しで須走口分岐です。左大沢側に降ります。降り始めの場所は高度感が相当有り、怖いですが(先輩から何時も、こう言う場面で言われました、「いいか、お前は登ったんだから、絶対に降りられる!」この言葉で落ち着きました。)少し下に小屋が見えるはずです。小屋までが核心部と思ってください、足下だけを見て、かかとに加重をかけ下りてください、クラストしている場合は足場を切る等して(此処で滑落したら命に関わります。)、初心者が居る場合はザイルの長さを10m〜20m位のスッタカット登攀(交互に動く)で降りてください、画像3は、4年前に登った時の写真で、前日、この地点から親子が滑落して8合目付近で遺体捜索している写真で、私たちは天気が良かったのですが頂上に行くのは止めました。
下に見える小屋に着きましたら、後は危険な所は有りません、雪や氷に応じて火山灰の砂利が多くなりましたら、アイゼンを外した方が歩きやすいですが、初心者がいたら五合目まで着けても大丈夫ですが、小石が挟まって結構歩きにくいです。右側に五角形のお堂が見えましたら昔の登山指導センターから斜めに大沢を横切ります。佐藤小屋へはそのまま下に降ります。
前回、書き忘れましたが、富士山は水が有りません、コンロで雪を溶かすか、氷を溶かして確保してください、気温が上がっていると、五合目の登山道分岐の岩場で流れている事が多く、五合目駐車場から斜め上に向かって行く登山道と五合目佐藤小屋に行く分岐の岩場を確認してみてください。
付記 :ピッケルの使い方
ピッケルは長さで使い分けます。間違えても氷用(ピックが急角度で短い)で滑落停止や縦走等、普通の冬山では使ってはいけません、ピッケルの選び方は普通に立って手の平から足の先までの長さが一番扱い易いですが、岩場だとちょっと邪魔になります。我々は下りのステップが切れれば一番良いと先輩に言われ長めの(70cm〜90cm)ピッケルを縦走用、雪上訓練用が普段用で、岩場が有りそうな山では短めの60cm〜70cm)の2種類、氷を登るときは氷用の3種類を持っています。日本では足場を刻むと言う事がほとんど有りませんので70cmの長さでオールマイティに使った方が便利です。
ピッケルは、バンドを必ず体に着け(手首でも良いですが、肩から脇の下へバンドを回す。)どんな事が有っても離れない用にしてください、ピッケルは必ず山側に持ち、登りはピックを前に向け、転んだ瞬間に刺す癖を付けるように体に染みこましてください、下りは反対向きになります。危険なところではセルフビレイの支点にしますが、雪面を掘り足で蹴りこんでから、ピッケルを足で踏みつけ、カラビナを着けザイルを通す、又はピッケルと雪面ぎりぎりの所でセルフを取る、急斜面の雪面ではピッケルバンドを短く手首に回し、ツルハシの用にピックを雪面に打ち付けピックが外れないかを引っ張ってから、支点にします。
次回は、今年中に書けると思いますが、思い立ったら明日にも行ける、「冬山気分を味わうです。」
こんばんは。
いま、冬山リハビリ中の元がん患者です。詳細な記述に、とても感動しています。感銘を受けながら拝読しました。
最近は冬山の怖さを知らずに入る人も多いと思いますので、 jk1nmyさんの日記は遭難防止に非常に役立つと思います。
これからも、よろしくお願いします。
sekitoriさん、おはようございます。コメントありがとうございます。
此処のユーザーの方は、山岳会に属していない方が多いので、我々が実際に経験した事や、ガイドブックに乗っていない細かいテクニックを書こうと思っています。
私自身も、3回程遭難を経験して、TVや新聞で結構批判された過去があり、複数の岳友を目の前で亡くしています。山岳会では私が講師になり、毎年吉田大沢で雪上訓練を教えて居ましたが、それでも教え子の女性はヒマラヤで滑落行方不明のままで、「冬山は怖い、だけどもの凄く綺麗」その事を広めたい、もっと気楽に冬山に登って欲しい、此処だけ気を付ければ、意外と安全、簡単だよと言いたいです。
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