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2025年06月17日 20:57山のお話全体に公開

日本における楽しみとしての登山

ボクが何となく思ったことを、だらだら書いているだけです。
なんか論文っぽいタイトルになっちゃったけれどもw そんなたいそうなものでなく、たいていは根拠もなしにちょっと考えて思ったことばかりなので、真面目に読まれると困りますw 読み飛ばしてね。


山関連の文章を読んでいて思ったんですが、日本の登山というものを語るにあたって、その初めを明治のガウランド、ウェストン、小島烏水、志賀重昂あたりに置き、明治より以前の登山を、今とは断絶したものであるかのように扱っているものが多く見受けられるのは、どうなんでしょう。
ものによってはまったく語らず、楽しみのための登山なんて一切存在しなかったみたいな文章もあります(そういうのを今日目にしたので、これを書いているのです)。
ボクはむしろ、今の日本での登山という趣味は、江戸期の大山詣りなどの直系なんじゃないかと感じさえします。

もともと各種霊山などの開山は仏教の僧侶、あるいは修験道の修験者などによってなされたものが多いわけですが、宗教的行為だから楽しみのための現代的登山とは違うものだ、ということでしょうか。
多分修験道の大峯千日回峰行などから、きついもの、自分を苛め抜く荒行というイメージがあるためだと思うんですが、そういうものは、ごくごく一部の人のものであって、実際に一般的な修験道の山伏たちがどうだったか思いをはせるに、山を歩くのが好きじゃないとやってられんでしょ、と思ったりもします。実際に過去に戻って、こういう人たちに修行をやる理由を聞いてみたい。楽しいからやってんだよ、という人だって、たくさんいたんじゃないか。
遺跡から出てきた何だかよくわからないものは、大抵宗教的な祭祀関連の遺物ということにされがちな気がしますが、これも本当なのかなあといつもちょっとした疑問に感じたりしていて、実は暇つぶしにちょっとした創作意欲の発露として、原始時代の芸術家たちが造って遊んでたんじゃなかろうか、などと空想したりしています。
時代は変わっても、遊び、ちょっとした楽しみというものは必要だろうと、庭に垂れている蔓植物につかまってぶら下がっては飛ぶのを繰り返すスズメの群れを見ながら、考えたりします。餌を探しているわけでもなく、小鳥ですら遊び戯れているのだから、原始時代の人間ならばなおさらのこと。

大山詣りに関していえば、もちろん人にもよるでしょうが、もう明らかに「宗教的行動」といったものではなく、遊び、観光、旅行(物見遊山)であることも多かったことは、いくつかの残っている紀行文を読んでみればわかります。ずいぶんはっちゃけたものもあって、そりゃ今みたいに娯楽の種類が選びきれないくらいある時代ではないし、たまの泊りがけの旅行はさぞ楽しいものだったろうと思います。
現代の百名山巡りとかも、少なくとも近代アルピニズムなどというものより、大山詣りにとても質の近いものを感じます。考えてみると、その昔から今にいたるまで残っている御朱印集め(納経帳)だって、同様。もしかしたら200年後の学者は、したり顔で「昔日本では百の山を巡るという山岳宗教が流行り、現世での幸福を祈願した」などと論文を書くかもしれません。
史料がたくさんあればともかく、民衆の遊びなんて残りにくいものだし、多分ネット上のデータなんて思ったよりもすぐ消滅、あるいは利用不可能になるでしょうから。


資料:川島敏郎『相州大山信仰の底流―通史・縁起・霊験譚・旅日記などを介して』山川出版社、2016年。
分量を少なくしたものが、有隣堂から出版されています。
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コメント

はじめましてです

私も、個人的に土偶の1部って祭事での使用以外に元祖美少女フィギュアなんじゃないかな?

と、ぼんやり学んでいた時に思った事があります

埴輪や土偶にも遊び心がある造形の物も多いような感じがして見ていて楽しいです😊
2025/6/17 23:23
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1
のんびりさん
昔の人も、きっとかわいいもの好きだと思います。
神奈川?かどこかで見つかった縄文か弥生の遺物に、お化けの絵が描いてあったという話を聞いたことがあるのですが、ネットで探しても見つからない。。。
2025/6/18 7:33
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1
peb02110さん、おはようございます。
初めまして。

ちょっとずれますが、小生も人間は好奇心、遊び心、冒険心みたいものを持っていると思っています。

大昔人類は食料である動物(例えばマンモス)などを追って新大陸(南北アメリカ)にやってきた、こんな説があるかと思いますが、地平線の向こうには何があるのだろう、この山のてっぺんに立ったら何が見えるのだろう、こんな感じの結構単純な動機もあったのではと。

それとラスコーなどの動物壁画が書かれたのは、獲物が沢山捕れるようにと願って?
小生の妄想は以下です。
当時も絵の上手い下手な人がいて、上手い人が「俺こんなに上手く書ける、凄いだろう」と半分自慢するために書いたのではと。
★注意:あくまでも小生の妄想です。内容には一切責任をもちません。
2025/6/18 8:15
fujikitaさん
あの山のむこうに何があるんだろうって気持ちは、大昔からきっとあったと思います。そう考えたほうが美しいですもん。夕日や日の出を見てきれいだって思う気持ち、こういうのって思ってるよりずっと古いのかも?
もしかしたら、人間に限らず、何十億年も昔から延々と続く、生命の基本的志向なのかもしれません。。。
2025/6/18 20:32
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