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マクロレンズの購入を考えるにあたり、最大倍率とか最短撮影距離という概念にぶち当たった。
マクロレンズでできることを知ろうとすると、次のような表記を目にすることになる。
DX18-55mm(標準ズーム) … 最大倍率が0.38倍、最短撮影距離が25cm
DX40mm(マクロ) … 最大倍率が1倍、最短撮影距離が16.3cm
DX85mm(マクロ) … 最大倍率が1倍、最短撮影距離が28.6cm
最大倍率とは、最短撮影距離で撮影したときにピントが合う倍率のことらしい。マクロレンズは大体「等倍(1倍)」だと言われる。
どのレンズの資料にもこれらのことは必ず記してある。でも数字で言われても、最初は何のことかよく分からない。特に標準ズームとの差が上手くイメージできない。
■ 最小撮影範囲のカード
悩んだ末にこんな2枚のカードを作ってしまった。
図1:丈夫で、ピント合わせのために文字があるものということで、牛乳パックを使った。
一言で言うと、左がマクロレンズの最も小さい撮影範囲、右が標準ズームの同範囲である。
マクロレンズは等倍(1倍=撮像素子のサイズそのもの)、標準ズームは0.38倍と、数字上は小さくなっているのに、実際の見た目は大きくなっている。この逆の関係がイメージしにくいのだった。
こうして見ると、マクロレンズの方はだいたい100円玉とか私の薬指第一関節部分くらい、標準ズームの方は丁度レンズキャップくらいの大きさと言える。
■ 標準ズームの最小撮影範囲
本当にピントが合うのかどうか、標準ズームの方を三脚を使って試しに撮ってみた。
図2:両面テープで柱に貼った最小撮影範囲を撮る
最短撮影距離って18mmの方を言うのかと思ったら、55mmの方だった。筒をめいいっぱい伸ばし、ファインダーを覗いて範囲を合わせ、シャッターを半押ししたら「ピタァッ!」と爆速でピントが合った。視野率のぶん柱が写っている。
しかし写りは申し分ない。D5600 + DX18-55mmレンズは、本当にこの範囲を撮影可能だと分かった。資料の通りである。
■ 被写体との位置関係
次に、このときのカメラと被写体の位置関係を物差しで測った。
図3:いわゆるワーキングディスタンスの確認。
カメラの基準線と柱までの直線が最短撮影距離であり、資料どおり25cmだった。
また、55mmまで伸ばした筒(とフィルター)の先端から柱までの長さは11cmくらいだった。これをワーキングディスタンス(以下WD)と呼ぶ。
マクロ撮影に置いては、このWDも重視される。飛んでいる昆虫の瞬間を撮りたいとき、このWDが長い方がよい。それだけ広い範囲を追いかけられるからだ。
止まっている虫なんかも、WDが短いと危険を察知して逃げてしまうかもしれない。花のような動かないものでも、WDが短いとカメラや自分の影が入りこんで、測光が難しくなる、、、と言われる。
■ まとめ
今回の記事によって、18-55mmの標準ズームが【どのくらい小さな被写体にどのくらい近づいて撮影できるか】を知ることができた。
おさらいすると、、、
大ざっぱに言えばレンズキャップくらいの大きさ、正式には図1右側のカードの範囲にピントを合わせて、被写体を画面いっぱいに写し撮ることができる。そのときの被写体との距離は、ご覧の通りである。55mmに伸ばして、レンズの先から10〜11cmのところに被写体があればよい。
この最小撮影範囲より小さいものは、標準ズームだとピンボケになってしまう。そこでマクロレンズの出番になる。図1左側の、撮像素子と同じ範囲にまでピントを合わせられるのだ。
論理的に間違いなく考えられるのは、こういうことである。
この2つの大きさは、今後も写真撮影を続けていく上で重要になって来そうなので、それぞれ「トウバイくん」「サンパチくん」と名前をつけて呼び分けていくことにする。
慣れるまでは身近なところに置いといて、正確な大きさを覚えてしまいたい。
■ 補足
DX18-55mmのこの0.38倍という倍率は、カメラに付属のキットレンズとしてはかなり高いものらしい。他のメーカーのエントリー機のレンズを簡単に調べてみたら、どれも0.2〜0.25倍ほどだった。D5600は初めから接写が得意な機種だった。
また、「サンパチくん」がレンズキャップと同じくらいというのも分かりやすい。何か小さな被写体を見つけて、どのくらい接写できるかを知りたいとき、手元に必ず持っているキャップを使って、大まかに測ることができる。いわば、レンズと物差しが一緒になっているのだ。これは非常に助かる。
ニコンD5600を選んで本当によかったと思った。
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