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今年から暇を見つけては「Google Earthで日本の中央分水嶺のパス線を引く、東北から南部へ」という作業に凝っている。図の広島県部分がサイコーに難しかった。
都道府県の中央に分水嶺が走っている地域に福島・長野・岐阜・京都・兵庫がある。後半に行くほど作業が困難になり(地形も地名も分からない)、広島県で頂点に達したと言える。
● 図の見方:
鳥取〜岡山の県境はそのまま中央分水嶺である。広島県の三国山の手前で分水嶺は県境から外れ、阿佐山まで広島県内を通る。いわゆる江の川水系の境目ということになる。
広島〜島根の県境は中国山地といって1000〜1200m級の山々が連なる。阿佐山から西は県境=中央分水嶺の関係に戻る。
● 脊梁山脈と分水嶺
西日本の中央分水嶺を見てくと、「あれ山が低いな(自分とこの奥羽山脈と違う)、分水嶺らしくないな〜」と繰り返し思うことばかりで、最終的に【脊梁山脈と中央分水嶺は必ずしも一致しない】という事実に気づかされた。
脊梁山脈とは気候の境目であり、分水嶺は川の流れの境目である。
奥羽山脈は脊梁山脈と分水嶺の2つの役割が完全に一致していて、東西で気候も川の流れも植生も異なり、それらに従った人々の文化も違ってくる。いわばクニ(邦・国)の境目である。
それを当たり前のものとして生きてきたので、2つの役目が分離している地形なんて想像もつかなかった。
…だから広島県の分水嶺(=江の川の水域)について眺めるだけで様々なツッコミを覚える。
「山が低い」「県境でもないどころか街の中を通っている」「三次盆地の川はなぜ瀬戸内海側に流れないんだ」「中国山地シャキッとしろよ、江の川に分断されんなズ〜」などなど。
自分とこで言うと、北上川や阿武隈川がどこかの地点で奥羽山脈をぶち破って、日本海側に流れてくるような話しになる。それはホントに【あり得ない】。見てて暮らしててホントにそう思う。
私が生涯を通じて多大な影響を受け、「分水嶺」と思って憧れたり畏れたりしていた山の役目は、どちらかというと「脊梁山脈」のことだった。思い違いだったのである。日本の大部分で一致してることだけど。
● 雨の予報を水域で考える
いま述べたところは現在災害級の大雨らしい。
雨や洪水の警報は市町村単位で発表されるけど、分水嶺というか水域で考えた方がいいのでは?とも思った。
世羅町のように分水嶺が町の中央を走っている地域だと、川の流れが丸きり逆になる。線状降水帯がホントに部分的に大雨を降らすのであれば、町単位の予報だと状況が掴みにくいかもしれない。
山沿いの土砂崩れではなく、少し遅れて生じる河川の増水のことである。
予報は2次元の平面図で表示されるけど、その平面上には実際は標高何mという山が連なっていて、それに従って川の流れが決まっている。
そういう縦の構図も含めた3次元のイメージで雨の情報を読み取っていければ…と思う。
暗くなると、どこがどう冠水してるか分からなくなるので移動が難しい。私は消防団もやってるけど、川沿いの一階建ての家は明るいうちに逃げておくのがいいんじゃないだろうか。どうかご無事で。
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