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山の本は私の書架の一角を占めていましたが、家の建て替え時に大部分の書籍を処分してしまい、久しぶりに読みたくなってネットで古書店から購入しました。
この本は昭和16年(1941)に出版された山の画文集ですが、美校(現東京芸大)出身の著者は昭和19年に33歳で戦没しました。
山やの世界では比較的有名な本で何度も復刻版が出版され、私も高校時代に愛読していました。
軽妙な文章と挿絵や装幀は、80年前に出版された本とは思えないみずみずしさで、若くして散った著者の遺した芸術作品と言えるでしょう。
この本に記された「薬師の剣」や中学時代に読んだ「黒部の山賊」(伊藤正一著)に刺激され、夏休みに友人と薬師岳から雲の平、槍へと縦走しました。
薬師の山頂に、奉納された鉄剣の錆びた山はありませんでしたが、鍵のかかった祠の中を覗くと小さな剣が数振りありました。
ちょうど西穂独標で松本の高校生多数が落雷の犠牲になった時(1967.8.1)で、午前中から雷が発生するなど不穏な天候の週でした。
槍まで来て初めて遭難のニュースを知り、驚くと共に妙に納得した記憶があります。

(写真は雲の平)
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