1990年夏に家族で北海道をキャンプ旅行したときに、浜中町の霧多布岬キャンプ場に一晩泊りました。
翌朝出発前に、深い霧の中から15秒位の間隔で聞こえてくる霧笛の音に誘われ、子供たちと岬の先端に行って見ることにしました。
草原の道を歩いて行くと灯台の建物が現れ、さらに先へ進むと半円筒の大きなスピーカーボックスのような霧笛の装置が海に向って立っていました。
近づく時には装置の背後からだったので、信号音はあまり気にならなかったのですが、横を通り過ぎて前に回ると、動物の遠吠えのようにかん高く、体を揺さぶられるような霧笛の咆哮に親子共にビビってしまいました。
「怖いから早く離れよう」と急いで岬の先端まで行きましたが、戻るときにはまた怪物のように吠える霧笛の横を通り過ぎなければなりません。
仕方がないので、耳を押さえてある程度の距離まで近づき、鳴り終わった瞬間に皆で駆け出し、次の霧笛が鳴る前に後ろへ駆け抜けることにしました。
合図とともに駆け出した私達に、霧笛はフェイントをかけることも無く、律儀に間隔を守って通らせてくれました。
「ダルマさんが転んだ」ゲームのような出来事でした。
人里離れた山頂の祠や標識、岬の先端に建つ灯台などを見たり触れる時、それを建てた人の祈りや思いが伝わってきて胸を打たれます。
【写真:1990年霧多布岬】
※youtubeに上がっている岬の空撮を見ると、現在霧笛は撤去されて灯台の先には四角い痕跡が残っているようです。
youtube.com/watch?v=0ZGOhi3669I (1:00から3:00)
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