竹内洋岳という名前は見覚えはあったが、よくは知らなかった。読んでみるとすごい実績のある登山家とわかったのだが・・・
その本の中の「歴史」についてという節に剱岳初登頂に関する記述があり、「・・・その初登頂は軍事として登山を見る日本陸軍と、文化として登山を見る日本山岳会が争って日本陸軍が先に頂上に辿り着けば、錫杖が立てられていた・・・」
とありびっくり。
陸地測量部と日本山岳会の初登頂争いは新田次郎の小説「剱岳・点の記」での脚色であり史実ではない。
プロを名乗る有名な登山家まで史実を誤認しているとは驚きですが、教科書で有名な出版社が気付かずそのまま出版するなんて?!やはり活字と言えど信用できない。
小説は1977年、映画は2009年なので年齢的に映画の影響でしょうか。
以前にも日記に書きましたが、新田次郎作品には、あからさまに実在の人物をモデルにした作品が多く、小説なので大きく脚色されており史実とは大きく異なります。
『孤高の人』や『八甲田山死の彷徨』も当然史実とは異なりますが、小説なのに事実と誤認している人が多いのではないでしょうか。
すでに亡くなった方々が小説のために誤って認識され続けるのはなんとも残念です。
映画や小説としては脚色は当然で、「剱岳・点の記」も日本山岳会の小島烏水が登場する事で面白くなるのですが、やはり史実は別にある事を明示しておくべきではないでしょうか。
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