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その中の一座である「片山」(655.4m)は国土地理院の地図にも「片山」の記載があるのですが、以前図書館で借りて読んだ「車窓の山旅・中央線から見える山」 山村正光 著 1985年には以下のような記述があった。
<以下抜粋>
・・・健康の森管理棟のすぐ上に、地図では片山(665.2m)という三角点がある。これは管理棟の前にある案内板の通り、大宮山が正しい。羽黒、山宮はかつて大宮村であった。その背後の山という意に由来しているからだ。
片山というのは、その西にのびる尾根上にある618mの山。山姿が人間の肩に似て、しかも片方しかないところから名づけられたと思われる。
<抜粋ここまで>
(現在、武田の杜に設置されている案内板には「片山(大宮山)」と表示されていたと思いう。)
甲府盆地からこの山を見慣れている者としては非常に説得力のある記述ではあるのだが。はたして真実は?
片山(大宮山)には三等三角点があり、調べてみるとその基準点名はなんと「大宮」であった、三角点が設置されたのは明治19年でした。そこで古い陸地測量部の地図を調べてみたのですが表記はやはり「片山」でした。
著者が人間の肩に見えるという山は618mのピークではなくそのさらに西の610.2mのピークだと思います。そこには昭和47年に設置された4等三角点がありますがその基準点名は「石山」でした。
私の想像では麓の大宮村の人たちにとっては顕著な665.2mのピークが大宮山であり、遠望する地域の人たちにとっては665.2mの大宮山のピークと肩に見え顕著なピークを持たない610.2mのピークを合わせて一つの山とみなして片山と呼んだのではないかと想像しています。
この「車窓の山旅・中央線から見える山」という本はローカルな内容で少々古い本ですが、中央線の車掌であった著者が長い時間と手間をかけて出来上がった本で興味深く読みました。
また、著者は深田久弥終焉の地となった茅ヶ岳山行の同行者の一人だったと知り驚きました。
写真左:「車窓の山旅・中央線から見える山」から
写真中:現在の地形図
写真右:自宅近くから
heinaiさん。ご無沙汰しています。
大宮山が正解ですね。説得力あります。
私も古本屋で「車窓の山旅・中央線から見える山」を注文しました。
渋い山が多いですが、なかなかよくかけた本ですね。
yama-ariさん こんばんは
私はこの本の事をFBの投稿で知り、県立図書館で探したところの書庫ではなく地域の棚に常時配架されていました。時々眺めている書棚なのにタイトルから登山を連想しなかったからか、それまで手に取ったことはありませんでした。
この本を知っていて古書店で購入するとはさすがですね。
とても興味のあるお話をありがとうござます。
山の名前はその立場によって変わりますよね。
南麓の村からの名称と北麓の里から見る山が同じ山でも呼び方が変わったり、陸軍測量部がつけた名前が、その後の国土地理んのつけた名前が絶対ではないと思います。
嘉門次には現前穂が穂高岳であったし、だいたい三角点と山頂は別物だし、私にとって五丈岩は高校2年生まで五文岩でしたから(笑)
borav64mさん こんばんは
三角点の基準点名と山名は異なることが多いですね。八ヶ岳の「にゅう」にある三角点の基準点名が「乳岩」だったりして山名の由来のヒントになったりして興味深いです。
五丈岩は「車窓の山旅・中央線から見える山」では御像岩 または五丈岩、と記載がありますが、以前読んだ古い本には「御像石」と書かれていました。以前、さるヤマレコユーザーが五丈岩は間違いで正しくは五丈石だと主張していたような・・・御像、五丈、五畳なんてのもあってさらに石と岩、面白いですね。
この本は山名の由来についての記載も多く(正しいかどうかはさておき)なかなか面白いです、コメントありがとうございました。
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