小粒なみかんを久しぶりに買ってみた。半分片すっぱくて半分片あまい。山から遠ざかった猛暑の夏があっという間に過ぎ去って、開けっ放しの窓からは冷たい秋の空気が流れ込む。長らく疎遠だった山に、明日は会いに行こう。どこに行くのか決まらないまま朝を迎えそうだけど、とにかく行ってみよう。へしゃげてしまっている気持ちを解放しないと。
大阪にやってきてできた年下の友だちが、会社を辞めることにしたと連絡をくれた。長い休みに入ってすでに2か月。普通と言われている人たちよりも気持ちが敏感な故に、普通と言われている人が多く働く会社で働くことが難しくなったようだ。病気だから。気の弱いやつだ。あまいよ。これからどうすんの。可哀そうに。会社辞めて気楽だね。なんて、色んなことを言ったり思ったりするんだろうな。
すっぱいのも、あまいのも、するすると入り込んできて、あっという間に全身で共振してしまう。
人と関わらないで生きていけるのならと思いながら、ひとりで山を歩いてみても、日が暮れた一人の暗闇は怖くてしようがない。ひとりは好きだけど、時々は人と歩きたくなる。山頂にたどり着いたとき。予定通り歩ききったとき。汗が止まらないとき。足が痛くてたまらないとき。誰かに、興奮やら、疲れ切った気持ちやら、なにやかやを伝えたいときもある。
伝えられたいときもある。
また、歩こ。
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