自転車をこいで、コスモス越しに梅田のビル群が見える淀川河川敷からスタートした。まだ午前中であるし、日暮れまでには戻ってこれるだろう。
河川敷は車も通らなくて道幅も広いから、自転車にとってはとてもありがたい。何度も出くわす車進入禁止のゲート横にある自転車通過用の狭いゲートには閉口なのだが。
それにしても暑い。河川敷だけあって頭上に遮るものが何もないから、ずっと強烈なお日様に焼かれっぱなしだ。右手に淀川、左手に土手。延々同じ景色が続くのだが、淀川の奥に見える生駒の山と、土手の奥に見える北摂の山がどんどんその姿を変えていくのが楽しい。
大阪から京都に入るところで、淀川は桂川、宇治川、木津川に分かれる。桂川はさらに、桂川と鴨川に分かれる。鴨川沿いをしばらく進んで東のこんもりした稲荷山に向かう。
大きな朱の鳥居の目の前にあるJR奈良線の稲荷駅まで朱に染まっているのに驚きつつ、大勢の観光客でごった返す伏見稲荷に歩を進める。相変わらずの中国系の観光客の多さに複雑な気分になるのだが、伏見稲荷の朱は、この人たちの国のカラーと一緒かと妙に納得したりもする。
狛犬ではなく大きな狐が参道の両側に鎮座しているのは、全国の稲荷の総本山の証か。こんなに沢山の狐を見るのは初めてかもしれない。
お参りをして立ち並ぶ朱の鳥居を見たらすぐ帰ろうと考えていたのだが、境内で思わぬものを発見してしまった。観光客は誰も足元にあるそれに目もくれないのだが、レコ上で見覚えのあるその小さな木柱に目が釘付けになってしまった。
京都一周トレイル東山2−1。
そういえば、ここはルート上かと思い出す。そして、瞬間的にスイッチが入ってしまった。
急いで登れば30分くらいで帰ってこれないだろうか。などといい加減なことを考えつつ、体が勝手に動き出す。
なかばトレラン状態で走ったり歩いたり。参拝者が大勢いるから、そう易々と先には進めない。
休憩することもなく全身汗だくになったが、結局そこそこ時間がかかってしまった。これでは帰り道、日が暮れてしまうのは確実だ。自転車を置いて電車に飛び乗って帰りたいという誘惑に駆られつつ、再び淀川河川敷に向け愛馬にまたがった。
尻が痛い。
石清水八幡宮を横目に見ながら、行きとは反対側の河川敷に入ってしばらく走るころには、とっぷりと日が暮れてしまった。天王山も闇の中。明かりの全くない河川敷をこれ以上走るのは、さすがに怖くなった。小さな自転車のライトはあっという間に闇に飲み込まれてしまう。
仕方なく、確実に家に辿り着ける河川敷を捨てて、明るい街路に突入したのだが、案の定、道がわからず迷い放題。
思いがけずいい運動になってしまったが、明日の仕事はつらそうだ。
家に帰りついて体重計にのってみると、2kgほど減っていた。ヤマダ電機京都伏見店の前にある、昼をだいぶ回っているのに行列のできているくたびれたラーメン屋「ラーメン銀閣」に何の気なしに立ち寄り、チャーシューメンを汁まで飲み干し餃子も食ったというのに。
このラーメン銀閣、さきほどネットで調べてみたら載っていた。かなりの高評価だ。美味かったのは、びりびりお日様攻撃で大量の塩分を失っていたからだけではなかったらしい。
そいえばこの店の餃子は味がついていた。ラー油が一緒に包まれていたようで、ぴりっとするのがクセになる。皮越しに赤く見えたのだからたぶんそうではないかと思う。
朱にまじわれば餃子も朱く染まるということか。
河川敷走ってたら京都まで行けるの?
信号なし?
車は走れないからもちろん信号なし
府境の背割堤(淀川の始まり)まではノンストップだよ
再び桂川サイクリングロードにのれば渡月橋(木津〜渡月橋)まで行けるみたい
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