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日帰り用の小さなザックを探していた。
まずパタゴニア、これは石井スポーツで山売り?していたもの。後で調べてみるとそんなにお得でもなかった。というか、まったくお得ではなかった。おまけに帰ってからしょってみると小さすぎた。
ハイパーライトマウンテンギア デイブレイク 、これはメルカリで手に入れた。ちょっとおしゃれに見えたし、たぶん完全防水であった。
しかし実際にこれをしょって、山に入るには少し勇気がいるように思えた。なぜかはわからない。要するにちょっとちがうんじゃないか、とワタクシには思えたのだ。
結局、ずいぶん付き合ってくれている山歩きを始めて一番最初に買ったグレゴリーの30Lで山に入っていた。
それでも雪の上で乱雑に扱うには防水面で気になった。乱雑というか、まぁ、もっと自由に扱いたかった。
ワタクシが雪山歩きで気づいたことは、アイゼンは重いということと、ショベルは必需品だということである。
ということでモンベルのグラナイト パック 40というのを買った。これは防水で外付けのギアもみごとに考えられていて、なんでも持って行けそうな気がしたし、このまま雪に放り出してそのまま座ることが出来そうな気がした。これはまだビニールにくるまったままだ。
そして最後、『山と道』MINIである。
ワタクシは雪山超初心者である。今冬デビューした。山はいつもひとりである。年も取った。いまさら、とも考えることもあった。それでもやっぱり山は雪山だった。植村さんも、山田さんも三枝さんも今はデナリと呼ばれる雪のマッキンリーに眠っている(「さん」呼称は心からの哀悼の意味だけで、もちろん、映像と書物のみの関係である、お許しください)。
昔は本気で野垂れ死にを夢見ていた。今はごめんである。
50年前、「大地の商人」を夢見て、わたしたちの友達は、厳冬下、暗く深い雪山を誰一人声も上げず彷徨った・・・
確か樹村みのり?という漫画を書くひとの画中のセリフを詩のように書き写していた文章を当時読んだことがある。こんな感じだった・・・ワタクシの友達だったわけではない。
あの時の二月、確か毎日毎日雪が降っていた。そう記憶している。日の丸飛行隊やジャネット・リンが「新しい町」となった札幌を席巻したのはその1年くらい前だったと思う。二月は年のつながりが少々曖昧だ。
ときたま「わたしは今日まで生きてみました・・・」とよしだたくろうなる人の声がラジオから流れることがあった。まだ珍しい歌唱だった。「帰ってきたヨッパライ」も「イムジン河」も忘れ去られようとしていた。どちらかというと、そっちの方の記憶が遠い。つまりそれらの歌からは遅れていた。少年だった。
そういう50年前だった。
結局ヒューマニズムは人を殺す。とうそぶいて50年の時がたった。
なぜ、山に行こうと思ったのか、わからない。北山や比良を手始めに、年に一度穂高を歩き出した。もう五十を過ぎていた。
北大路ビブレに好日山荘ができた頃、そこで道具をそろえた。時々、そこに集う人たちの言葉の中に「ホダカ」という言葉が聞こえた。長身のお年寄りの紳士からだった。「穂高」を知らなかった。その老紳士には知的な清潔さが漂っていた。まったく自由に見えた。ご自身が意志的に控えめなわけではないように見えたが、どこにもない「穂高」が語られているような気がした。
どこにもない穂高を見たいと思った。
つまり、いくつになってもこういうなんらかの模倣がすべての毎日だった。いやになる。
それでも、穂高には行きたいと思った・・・
それから特段変わることなく山好きのように山に入っている。
そして今冬、『山と道』を知った。ずいぶん粋なお商売に見えた。もちろんそのコミュニティも。
どうして知ったかというと、YouTubeで冬期赤岳の装備紹介なる番組を見たときである。
それはザックから始まった。そのブランド名は聞こえなかった。今から思えばそれはTHREEだったと思うが、まずはそのブランド名を聞き返した。正確には画面を巻き戻した?なんていっているか、わからなかった。そして確認し、こころから「なんじゃ?」と思った。冗談と思ったわけではない。なんか、不思議な名前を聞いたような気がした。
すぐweb上をあたった。なるほど。いわゆる知る人ぞ知る、世界。どのプロダクトも高値だ。
京都に出店がある。『山音食』(やま・おと・しょく)というらしい。
さっそく出向いてみた。ちょっと構えてでかけた。予期した閉じたコミュニティ性は感じなかった。素直さがにじみでた接客だった。清潔な自信が感じられた。汚れたワタクシからはよく見える。うらやましい。
まことヘーゲルではないが、「欲望」とは「他人の欲望」である。この『山と道』の世界を選んでいる人の一人になりたいと思った。
特段、何か買うつもりで出かけたわけではなかったが、何も買うものがないのにお店を見て回るのもなかなかつらい。こうして出費はかさむ・・・
ところで、たしかにザックのTHREEはカッコよかった。
ワタクシが山を歩き始めた10年ぐらい前(それは『山と道』の創業に近い)は、ザックの雨蓋?は新鮮だった。かつカッコもよく見えた。しかしTHREEにはそれはない。最近はその手のものはよく見かける。モンベルのグラナイト パックもそういうデザインだ。デザインというか、それが機能的に便利という考えだろう。MINIもTHREEも価格的にはそう変わらない。
ワタクシがかさむ出費の対価として手に入れたのはMINIだ。
驚いたのは、MINIの制作コンセプトのひとつである腰ベルト?の無効化である。背骨でザックを背負うということ。『山音食』で実際背負って声を出しそうになった。新鮮だった。
ということでザック云々より『山と道』ユーザーであることに酔っている自分がいる。つまり何かが変わったわけではない。
一度だけ背負って7キロぐらい歩いてみたが、内容的なことをいえば、『山音食』のお嬢さんがのたまったとおり、背中は蒸れる。と思う。その対策はお店に用意されている。今度手に入れるつもりだ。
この日録の最後はこうだ。
ワタクシはハイカーではない。
私はTHREEとMINIを愛用しております。
買いましょう😊そちらも大変使い勝手のよいパンツになっております🙌
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