幸田文は「木」という本で知った作家である。
江戸前というか気っぷの良い文章、一本背筋の通った気概のある文章が気になった。何冊か積読してあったが、過日「流れる」を、そして本日「闘」を読み終えた。
解説にある通り、行文の勢ひは勁く(つよく)特異である。気概のある文体である。張りのある文章である。
結核は特効薬ストマイが出現するまでは死の病・不治の病だった。
此処に描かれている患者や医師達の姿は、現在の癌病棟のありように通じると感じた。
今後、新型コロナウイルスがどのように決着するのか。肺を病むという点で共通な部分がある。
この一冊は、結核という病気との人間の闘いの歴史を舞台に、人間の様々に揺れ動く心の内を見事に表現した作品である。
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