ステポナス・カイリースという60年くらい前に没したリトアニア人が書いたリトアニア初の日本論の作者について書かれています。
リトアニアは北欧バルト三国の最も南に位置する国で、1990年にソ連から独立した国です。ベラルーシに接しています。
ウクライナへのロシアの不当な侵攻は、我々の価値観が通じない独裁者によりまだ続いており、ウクライナの主権を取り戻す形で早く終結してもらいたいものです。
リトアニアもウクライナと同じ様な悲惨な歴史を経験して漸く独立した国だということをこの本を読んで知りました。
そのリトアニアが日露戦争の日本の勝利に大きく影響を受けたというのが、この本の骨子です。
明治の日本が、司馬遼太郎の作品「坂の上の雲」に描かれているように、明治維新から間もないにも拘わらず、近代国家に向けて高揚感を抱きつつもかつての日本人の素晴らしさを失わないで前に進んでいたのです。
「維新によって日本人ははじめて近代的な『国家』というものをもった(中略)たれもが『国民』になった。不馴れながら『国民』になった日本人たちは、日本史上の最初の体験者としてその新鮮さに昂揚した。このいたいたしいまでの昂揚がわからなければ、この段階の歴史はわからない」(坂の上の雲第一部あとがきから)
いたいたしいまでの昂揚 ですよ。
我々日本も、恐ろしい強欲かつ自己中心で分からず屋の大国、それも二国に隣接しています。
この本を読みリトアニアという国のことを知り、改めて我が国も北方四島の経験も含め地政学的に危険な位置にある国であることを再認識しました。
本の帯にはこう書かれています。
「日露戦争でロシアを破った日本 日本が西欧諸国に抱いたように、リトアニアにとって明治ニッポンは「坂の上の雲」だった!」
杉原千畝さんのことも少しこの本に出て来ました。ユダヤ人へのビザ発行で有名ですが、何人か連携してその人道的対応が出来たようです。杉原千畝さんばかり顕彰されていますが…。
カイリースが手掛けた水道施設や下水道施設も弾圧から逃れる人々の役に立ったようです。
ユダヤ人達にそのネットワーク図を渡し、下水管の中を通り他国に逃げることが出来たようです。
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