買ってきてもすぐには読まず、机や床に積んでしまいそのままカーペットやベッドの壁と同化していく。
かれこれ15年くらい前から読んでない本とか、棚から発掘されて、おお、自分はこんなことに興味があったのか!(読んでない)と自分再発見となる。その頃は感じるところのあった言葉や歌も、今となっては琴線に触れることもなく、心をかすめることもなく、ちょっぴり淋しくなることもある。
再会もある。積読のなかに、若山牧水の『みなかみ紀行』があった。その昔、歌人穂村弘のエッセイを読んで触発されて、短歌を読んだり詠んだりしていたことがある。「言葉」に感じ入ることができた頃の懐かしい思い出。
若山牧水は、地元沼津にも所縁のある歌人で、酒と旅行を愛した男である。あちこちに歌碑がある。生まれは宮崎県で、俳優堺雅人も好きな歌人だ。本まで出てる。かくいう自分も憧れを感じた歌人だ。
昨年群馬の草津温泉にはまり、夏場ばかりだが、隙あらば車を走らせた。移動中の中之条の道に牧水の足跡を意図せずに辿っていた。家に戻りそういえば、と『みなかみ紀行』をひっぱり出してみる。ぶらぶらした地名が出てくる。昔憧れた歌人と計らずも行き先が重なる不思議に、身勝手にも心が揺れた。群馬はいい所だなあと気候風土に惚れていたけれど、牧水効果で、群馬に住むかな?と思い至るまでになった。現実的ではないが。あの山あいの道を歩いたのか、住まなくてもいつかは自分も歩いてみたいと憧れが湧いた。今年は行けないが、またまた『みなかみ紀行』をひっぱり出して読んでみている。
けふもまたこころの鐘をうち鳴らしうち鳴らしつつあくがれて行く
幾山河超えさり行かば寂しさの終(は)てなむ国ぞ今日も旅ゆく
若山牧水
※上の歌は、『みなかみ紀行』には載ってないかも
写真は、
四万ブルー
たんばらラベンダーパークのくま
鬼押出し園
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