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2021年07月18日 09:19書籍レビュー(書籍)全体に公開

「カメラじゃなく、写真の話をしよう」

写真って、なんだろう。

誰もがスマホを持ち、SNSに気軽に写真を発信できる今だからこそ、この根源的な問いに、真っ向から挑む。間口が広く、奥が深い写真道。人は何のために写真を取るのか?

高価なカメラを使うと綺麗な写真を撮ることができる。でも綺麗な写真が良い写真とは限らない。カメラは道具すぎない。「画質」と「写真の良し悪し」には相関性はない。何をどう撮りたいのか?がもっと重要だ。

撮影テクニックのみにフォーカスしたカメラ本は世にあふれているが、「テクニックの目的化に注意!」と、筆者は警鐘を鳴らす。

スマホはカメラとしては機能的な制約が大きい。ただし、圧倒的な優位性は、常に持ち歩いていること。そして、一眼カメラのように、アレコレできない分、何をどう撮るのかという、最もプリミティブな部分に向き合うことができる。

筆者は言う。「良い写真」とは、人によって違うと。写真とは受け取り手が感じるものであり、それが故に評価は千差万別。同じ写真を見ても人により、良し悪しが真っ向から割れることもありうると。だからこそ、最低限のルール(法律や社会的モラル)は守りつつ、自分の好きなものを見極めて自由に撮れば良いと。そして、「写真は人に見せるもの」「人から反応を期待するもの」という価値観が多数を占める時代だからこそ、他人の評価から切り離した領域を持つことが大切だとも。

自分が好きなものって何?自分が本当に撮りたいテーマって何なのか?自分探しの旅が始まります。これが奥深い写真道の入口なのでしょう。

写真を志すにあたり、良書に出会えて嬉しい。筆者の提言は、写真は自己表現の1つであり、アマチュアは、いつ何時も、好きなものを、好きなように撮るのが一番、とのメッセージと解釈しました。

今は、野山に咲く小さなお花の写真を撮影するのが楽しい。山で偶然、巡り会えたお花たち。それぞれのお花の最高の一瞬を切り取りたいと願うも、なかなか思う様にはいかない。その葛藤が自分を成長させるのでしょう。飽きるまで追いかけてみようと思います。

 写真:本の表紙
    ※この本に挿入される写真の数々からも
     筆者のやさしさが伝わってきます。お薦めです
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コメント

機材収集に・・・(^^;)
こんにちは
ご紹介の書籍、タイトルを読んだだけで汗が出そうです(^^;)

エントリーデジイチから始め、限られた機材で満足できる1枚を撮りたくて創意工夫していた昔
いつの間にか「この機材があればもっと満足できる1枚が撮れるかも!」と、気づけば機材の山に埋もれています

自らが目にした心躍る被写体を、その時の感情まで切り取る!
そんなことを忘れかけているのかも知れません

機材がカビるから・・・
傷がつくから・・・  と 防湿庫から出さない自分を恥ずかしく感じました
2021/7/18 10:20
Re: 機材収集に・・・(^^;)
air_4224さん、毎度!

コメントありがとうございます。

全然OKですよ。筆者もカメラの機材収集オタクそのもの。どっぷりカメラ沼におぼれていた人なのです。カメラに費やした総額はなんと1000万円。おそらく、メーカ入れ替え毎にレンズもフルオプションで揃えていたのでしょう。

かく言う私も、以前はContax G1などに手を出し、ツァイスレンズを持て余した口なので、人の事は全然言えないのです。

手段と目的を履き違えるというのは、写真に限らず良くある話で、原点に立ち返る重要性を気付かせてくれました。山に持ち込むカメラは、ボディもレンズも1つ切りで男らしく、できるだけ撮影に集中したいと思います。
2021/7/18 10:48
RE: 「カメラじゃなく、写真の話をしよう」
こんにちは。
目からウロコの本ですね。
撮影技術ではなく、写真だけを語っている本は、なかなかないと思います。
自分の共感も、他人の共感も、多元的な視点のそれぞれ一面でしかないわけで、自分の好きなものを撮り続けることが大事なんだと思います。
設定はオートでいいというのは衝撃的でしたが、実際オートで撮るのが一番きれいに撮れていたりするので、さらにこの本へ心酔しているところです。
2021/7/18 13:51
RE: 「カメラじゃなく、写真の話をしよう」
Tutuganasiさん、こんにちは。

コメントありがとうございます。
Tutuganasiさんも読まれたのですね。

この間、ビックカメラ主催のお花のマクロ撮影のセミナーを受けたのですが、先生は開口一番、「私が撮影に関して、何も教えることは有りません。」と仰っていました。表現は自由であって、自分の好きなように撮れば良い。ぼけてても、レンズ内反射が写り込んでも。表現の一部であって、何でもありだと。そこで紹介された、先生の作品は、お花の色だけを、あるいは、花びらの輪郭だけを切り取ってみたり、くもの巣に光輝く水玉を表現してみたり、思わずため息の出るような作品ばかりでした。

何も型にはまらなくったっていいんだよ、と伝えたかったのだと思います。

日の丸構図であっても、オートであっても、自分らしさが表現できてればOK。写真は撮影者の視点から見る映像の記録であって、何に心を動かされたかが一番肝心と思いました。

(この本のP135の写真は、筆者の娘さんの写真だと思うのですが、誰もが思わず微笑んでしまうやさしい視点の写真だと思います)
2021/7/18 15:05
こんばんワン!

お写真、好きなものを、好きなように撮るのが一番、
ホントそうだと思いマスよん♪
って、最近レンズにハマってマスが^^ゞ

これからも我が子2人を綺麗に撮りたい、
で、自然も綺麗に撮りたいかな♪
2021/7/19 21:13
こんばんワン!

ご主人さまに愛されるワンちゃん、猫ちゃんたちは、皆かわいい〜。
本来、信頼関係を結ぶご主人さまのみが、見ることができる表情なのでしょう。

これからも、くるしずちゃんへの惜しみない愛情を!
そして、我々にも写真のお裾分けを。
2021/7/19 22:33
kickeyさん、こんばんわ。道具を揃えることから何でも始めようとする自分にとっては痛いところ突かれたようなタイトルの本です(滝汗)そうそう簡単に貴重な道具が揃えられなかった頃のほうが、その道具で何をするかを真剣に考えられたような気がします。ボタン押せばそれなりの結果がはき出されてくる時代、何で撮るかよりも、何をどう撮るか、なのかもしれませんね(^^)
2021/7/28 21:06
yamaonseさん、毎度!

道具から入るのは有りだと思います。特にカメラは、メカニカルな要素も強く男のおもちゃでもある(子供の頃に良く遊んだ、超合金の合体ロボみたいなものでしょうか?)。

まだ小学生の頃、科学と学習という、学研の教材が届くのを毎月楽しみにしており、その付録に写真の現像キットが付いていました。ピンホールカメラを使って感光し、押し入れに入って現像液に浸すと、モノクロ写真が浮かび上がったときには、感動しましたね。

今でも、フィルムカメラを愛用しているアマチュアカメラマンがいます。山で出会った時は衝撃的でした。安易に便利さに流されない強い意思を感じました。

カメラは所詮道具にすぎないのだから、自分が撮りたい絵をいかに撮影するか?がやっぱり重要なのでしょう。
山で咲き誇る高山植物たち。お花の最盛期は、ごく僅か。その時、その場所に、そこにいることが重要になるかと思います。
2021/7/29 12:04
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