誰もがスマホを持ち、SNSに気軽に写真を発信できる今だからこそ、この根源的な問いに、真っ向から挑む。間口が広く、奥が深い写真道。人は何のために写真を取るのか?
高価なカメラを使うと綺麗な写真を撮ることができる。でも綺麗な写真が良い写真とは限らない。カメラは道具すぎない。「画質」と「写真の良し悪し」には相関性はない。何をどう撮りたいのか?がもっと重要だ。
撮影テクニックのみにフォーカスしたカメラ本は世にあふれているが、「テクニックの目的化に注意!」と、筆者は警鐘を鳴らす。
スマホはカメラとしては機能的な制約が大きい。ただし、圧倒的な優位性は、常に持ち歩いていること。そして、一眼カメラのように、アレコレできない分、何をどう撮るのかという、最もプリミティブな部分に向き合うことができる。
筆者は言う。「良い写真」とは、人によって違うと。写真とは受け取り手が感じるものであり、それが故に評価は千差万別。同じ写真を見ても人により、良し悪しが真っ向から割れることもありうると。だからこそ、最低限のルール(法律や社会的モラル)は守りつつ、自分の好きなものを見極めて自由に撮れば良いと。そして、「写真は人に見せるもの」「人から反応を期待するもの」という価値観が多数を占める時代だからこそ、他人の評価から切り離した領域を持つことが大切だとも。
自分が好きなものって何?自分が本当に撮りたいテーマって何なのか?自分探しの旅が始まります。これが奥深い写真道の入口なのでしょう。
写真を志すにあたり、良書に出会えて嬉しい。筆者の提言は、写真は自己表現の1つであり、アマチュアは、いつ何時も、好きなものを、好きなように撮るのが一番、とのメッセージと解釈しました。
今は、野山に咲く小さなお花の写真を撮影するのが楽しい。山で偶然、巡り会えたお花たち。それぞれのお花の最高の一瞬を切り取りたいと願うも、なかなか思う様にはいかない。その葛藤が自分を成長させるのでしょう。飽きるまで追いかけてみようと思います。
写真:本の表紙
※この本に挿入される写真の数々からも
筆者のやさしさが伝わってきます。お薦めです
こんにちは
ご紹介の書籍、タイトルを読んだだけで汗が出そうです(^^;)
エントリーデジイチから始め、限られた機材で満足できる1枚を撮りたくて創意工夫していた昔
いつの間にか「この機材があればもっと満足できる1枚が撮れるかも!」と、気づけば機材の山に埋もれています
自らが目にした心躍る被写体を、その時の感情まで切り取る!
そんなことを忘れかけているのかも知れません
機材がカビるから・・・
傷がつくから・・・ と 防湿庫から出さない自分を恥ずかしく感じました
air_4224さん、毎度!
コメントありがとうございます。
全然OKですよ。筆者もカメラの機材収集オタクそのもの。どっぷりカメラ沼におぼれていた人なのです。カメラに費やした総額はなんと1000万円。おそらく、メーカ入れ替え毎にレンズもフルオプションで揃えていたのでしょう。
かく言う私も、以前はContax G1などに手を出し、ツァイスレンズを持て余した口なので、人の事は全然言えないのです。
手段と目的を履き違えるというのは、写真に限らず良くある話で、原点に立ち返る重要性を気付かせてくれました。山に持ち込むカメラは、ボディもレンズも1つ切りで男らしく、できるだけ撮影に集中したいと思います。
こんにちは。
目からウロコの本ですね。
撮影技術ではなく、写真だけを語っている本は、なかなかないと思います。
自分の共感も、他人の共感も、多元的な視点のそれぞれ一面でしかないわけで、自分の好きなものを撮り続けることが大事なんだと思います。
設定はオートでいいというのは衝撃的でしたが、実際オートで撮るのが一番きれいに撮れていたりするので、さらにこの本へ心酔しているところです。
Tutuganasiさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
Tutuganasiさんも読まれたのですね。
この間、ビックカメラ主催のお花のマクロ撮影のセミナーを受けたのですが、先生は開口一番、「私が撮影に関して、何も教えることは有りません。」と仰っていました。表現は自由であって、自分の好きなように撮れば良い。ぼけてても、レンズ内反射が写り込んでも。表現の一部であって、何でもありだと。そこで紹介された、先生の作品は、お花の色だけを、あるいは、花びらの輪郭だけを切り取ってみたり、くもの巣に光輝く水玉を表現してみたり、思わずため息の出るような作品ばかりでした。
何も型にはまらなくったっていいんだよ、と伝えたかったのだと思います。
日の丸構図であっても、オートであっても、自分らしさが表現できてればOK。写真は撮影者の視点から見る映像の記録であって、何に心を動かされたかが一番肝心と思いました。
(この本のP135の写真は、筆者の娘さんの写真だと思うのですが、誰もが思わず微笑んでしまうやさしい視点の写真だと思います)
お写真、好きなものを、好きなように撮るのが一番、
ホントそうだと思いマスよん♪
って、最近レンズにハマってマスが^^ゞ
これからも我が子2人を綺麗に撮りたい、
で、自然も綺麗に撮りたいかな♪
ご主人さまに愛されるワンちゃん、猫ちゃんたちは、皆かわいい〜。
本来、信頼関係を結ぶご主人さまのみが、見ることができる表情なのでしょう。
これからも、くるしずちゃんへの惜しみない愛情を!
そして、我々にも写真のお裾分けを。
道具から入るのは有りだと思います。特にカメラは、メカニカルな要素も強く男のおもちゃでもある(子供の頃に良く遊んだ、超合金の合体ロボみたいなものでしょうか?)。
まだ小学生の頃、科学と学習という、学研の教材が届くのを毎月楽しみにしており、その付録に写真の現像キットが付いていました。ピンホールカメラを使って感光し、押し入れに入って現像液に浸すと、モノクロ写真が浮かび上がったときには、感動しましたね。
今でも、フィルムカメラを愛用しているアマチュアカメラマンがいます。山で出会った時は衝撃的でした。安易に便利さに流されない強い意思を感じました。
カメラは所詮道具にすぎないのだから、自分が撮りたい絵をいかに撮影するか?がやっぱり重要なのでしょう。
山で咲き誇る高山植物たち。お花の最盛期は、ごく僅か。その時、その場所に、そこにいることが重要になるかと思います。
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