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山を登り続けていれば、程度の違いはあれ誰でも危険な状況を経験していると思うが、小生もこれまで2回、遭難の危険を感じたことがある。
一度は6年前の夏、登山者の少ない北海道日高の山を単独2泊山行した二日目、目的の山頂から引き返す際に汗をかき過ぎ、ミネラル不足が原因と思われる脚の筋肉の痙攣と痛みで、ほかに全く登山者の姿が見えない状況の中で動きが取れなくなりそうになった。
この時は、脚を庇いながら時間をかけて、何とかベーステントに辿り着いて水と塩分を摂り、しばらく安静にして回復を待って下山できたが、早朝からの好天に気を良くしてペースを上げ過ぎたのが良くなかったように思う。
二度目は、5年前に嫁さんと上信越の山に登った時で、早朝フエリーで上陸して登山口に直行、スタートが遅めの時間だったが、夕方には下山できる見込みで登り始め、数時間かけて山頂を越え、反対側に下ったところで、『この先の橋が流失のため通交不可』の表示看板で立ち往生。
結局、下ってきた山を登り返したが、疲れているうえスローペースの嫁さんと山頂に戻った時は日没になり、さらに悪いことに予報にはなかった雨が、それもかなり強く降ってきた。
雨具を着てヘッドランプを点けて下り始めたが、間もなく小生のランプが不調で使えなくなり、降雨の中の足場の悪い急坂を、二人で一つのランプに頼っているうちに小生が浮石を踏み、体が完全に浮き上がって転がり落ちてしまった。
頭を石に打ちつけた瞬間、嫁さんの叫ぶ声を聞きながら、とうとう事故を起こしてしまった、このあと非力な嫁さん一人でどうなることか、という絶望的な思いが走った。
しかし厚手の帽子だったためか幸運にも頭に出血はなく、緊張感もあって他に体の異常を感じなかったので、立ち上がって登山道に戻り、それからは本当に慎重に慎重に時間をかけて21時過ぎに、ずぶ濡れの疲労困憊で登山口に戻った。
その夜は、車中泊の予定を変えて温泉旅館に転がり込んで湯船に浸かったが、雨で冷え切った体はいつまでたっても温かくならず、低体温症になりかかっていたのだと思う。
遭難にならなかったのは、単に運が良かっただけで、いま思い出しても肌寒い思いがする。
下ってきた山頂に登り返しながら注意して見たが、ルートの途中にも、山頂にも、『橋の流失』を知らせる表示は無かった。その点については、いまでも釈然としない思いがある。
しかし結局のところ、出発時間が遅くて結果的に時間的余裕が無くなったことや、事前のコース状況の確認や非常時用ランプの点検不足など、慣れや油断による自分自身のお粗末で恥ずかしい問題があった。
『山の遭難』の前書きに「裏山だろうが、厳冬期の北アルプスであろうが、とにかく山というところは危険なところなのだ」とある。自分もそのとおりだと分っている(つもりだ)が、あらためて心しなければならない、と思った。
日記、拝見しました。
二度も遭難の危機に遭われていたんですね。
「よくぞ、ご無事で、」です。
本の前書きの「裏山だろうが、・・・」のくだりはまさにそのとおりだと思います。
ハイキングの昼食時の日本酒はやめた方がいいですね。
肝に銘じます。
では、又。
silverstarさんの日記を読んで、いつも気持ち良くビールやお酒を飲んでおられるのを、実に羨ましく思っています。
小生、下戸体質でなければ、そうした楽しみもまた山の楽しみのひとつとして、大いに享受していると思います。
いずれにしても、お互い、これまでの様々な苦労や努力の結果として貴重な自由時間を持ったわけですから、十分注意しながら、出来る限り長く山やスポーツなどを楽しみたいですね。
ではまた。
コメントありがとうございました。
特に2度目のお話、怪談話よりよほど背筋が凍り付きますね…。
もしこれが単独だったら…。
そしてふっとライトが消えて…。
こわー、です。
本当にご無事で良かったです。
ちゃんとライトは点検して、軽量なのも出ているので予備も持つことにしようと思いました。
komadoriさんのおっしゃるとおりです。
私も未だにあの時のことを思い出すたびに、何とも言えない気分になります。
ライトについては、恥ずかしいことですが、後で調べたところ、電池交換の際、キャップの締め方が不完全だったことがわかりました。
本当に、手を抜かずに気を付けなければいけないな、と反省しきりです。
コメントありがとうございました。
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