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同じ大草原でも森や湖があるメルキト族の領土。前編からトクトアが草原の騎士というより寧ろ森の狩人という印象を受けていたし、冬は森で狩りをしつつ狼を飼いならしたりして数カ月間も過ごせるようなバイタリティがある族長だが、戦いの場とするための準備をする描写は無く全然想像すらしていなかった。
テムジン様が率いる部隊とジャムカが率いる部隊がケレイト王国軍の先鋒部隊としてメルキト族にダメージを与えたところでお役御免となってケレイト王国軍が大軍にモノを言わせるように一気に攻め入るが、全てはトクトアの思惑通りだったのだ。ケレイト王国軍は躍起になってメルキト族の部隊を追って森へ入り込んだことで、逆に森を知り尽くしたトクトアが率いる部隊に10,000騎のうち7,000騎を壊滅させられた。
森では茂みが多くて馬の機動力は生きず、剣は茂みが邪魔で上手く使えない。樹上からの攻撃や茂みの中に潜んでた伏兵の短剣に太刀打ちできず、ケレイト王国軍はメルキト族に惨敗した。
結果的にテムジン様とジャムカは勝って仲間を増やせ、ケレイト王国は美味しい所を狙って逆に大損をする結果となった。
それでもテムジン様が率いるキャト氏は同じモンゴル族のタイチウト氏や宿敵のタタル族と向き合わないといけないし、ジャムカが率いるジャンダラン氏はトクトアが率いるメルキト族と向き合わないといけないなど、依然として情勢は落ち着かない。
そんな中で惨敗を喫したケレイト王国が更に西側のナイマン王国と揉め、東側のメルキト族からの攻撃に備えて東側の境界に防衛線を張りつつナイマン王国との戦に大勝するなど惨敗のまま終わらなかった。
個人的にはメルキト族から見たら宿敵のケレイト王国にトドメを刺せる良い機会だと思ったが、トクトアが率いる部隊が不意打ちのようにジャムカの領土へ迫った。慌ててテムジンへ使者を送り救援要請をして、引き馬を用いた驚異的な速さで救援に間に合ったからこそ大事にならずに済んだなど、運の良さが光ったが読む側から見ても目まぐるしく自分の領土の情勢が変わる恐怖感を感じるシーンだった。
一方でテムジン様もモンゴル族の宿敵タタル族との戦に完勝して父の暗殺に絡んだとされる有力者を捕らえて、さらに狗眼一族との繋がりも突き止めるなど、かつてタタル族に暗殺された父の死の真相に迫っていく。ところが戦場がテムジン様と同じキャト氏の血筋でありながら敵対してるタイチウト氏に属する人の領土だったことで、タイチウト氏との因縁に火をつける格好となりタイチウト氏との戦が始まろうとするなど、ここも勢力図や人間関係が絡む複雑な情勢になっていく。
個人的にはタタル族は全盛期を過ぎて衰退してて、タイチウト氏は人数は多いけどコンギラト族の領土に居る草原最強の少数精鋭を率いる玄翁頼み、ケレイト王国は惨敗のダメージが色濃く残ってるなど、やがてはキャト氏のテムジン様とジャンダラン氏のジャムカに滅ぼされそうに見えた。本当の脅威はトクトアが率いるメルキト族のように見えた。タイトルの遠雷とはトクトアの策士ぶりや強かさのことを指してるように感じた。
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