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次の展開がどうなるか、およびチンギス・ハンとなるまでのストーリーそのものが楽しみで読み進めている。それが歴史小説の良さなのか、個人的にはここまで読み進めてるシリーズは初めてかもしれない。このシリーズを読むほど、自分もより力強く逞しく生きていきたいと思えてくるし、そのために色々なことに挑戦したいと思うようになってきた。
歴史小説ではないが、真山仁さんのハゲタカを何巻か読んだこともあるが、今の所は飽きてきて積読のままになっている。
さて今回の投稿の本題に入ろうと思うが、まずタイトルの虹暈という言葉の意味が分からず調べた。暈とは太陽とか月の周りに虹のような光の輪が見える現象で上空の氷の粒に光が反射することで発生する現象だそうだ。ただ、空気が冷えるため天気が崩れる前触れでもあるようだ。きっと大草原がこれまで以上に大規模な戦の舞台になっていき、キャト氏のテムジン様やジャンダラン氏のジャムカにも更なる試練が降りかかってくるのだろうと推測できた。
読んでるとタイチウト氏との戦でテムジン様に予想だにしない強敵が現れ2度も深傷を負うところまで追いやられる、波乱の幕開けだった。
たった50騎の少数精鋭だが、テムジン様もジャムカも全く歯が立たない。ところが羊100頭を受け取ったら受け取った分だけの仕事をして立ち去るという傭兵みたいな部隊で、普段から訓練はするが戦が必要になるような情勢ではないなど、とにかく謎が多い老人、玄翁が率いる部隊だった。きっとテムジン様もジャムカも同じ大草原にもモンゴル族やタタル族さらにはメルキト族以外にもまだまだ強い部隊は居る、上には上が居ることをこれまで以上に身を持って痛感したのだろう。
一方でテムジン様にも鉄の生産を推進したり牧を広げるなど今在るキャト氏の立ち位置をより強固なものにしつつ戦に備える意図が見えた。玄翁には勝てず深傷を負っても、まずは足元から固めていく手堅い人間なのだろう。
それが吉と出たのか、タイチウト氏の大将タルグダイの右腕を刀で切り飛ばしたりもう一人の大将トドエン・ギルテの騎馬隊との戦では完勝して自決に追いやるなど対立する勢力に目ぼしいダメージを与えるなど戦果を挙げていった。
ジャムカは情勢が落ち着いてから玄翁の下を訪ね、訓練など色々見て学ぶが玄翁の本質には迫れなかった。隣接してて対立関係にあるメルキト族との間では大きな動きはなかったが、メルキト族の宿敵だったケレイト王国を訪問して同盟関係になるなど自分の領土を守ることに余念がない感じが見えた。
そんな中で本編ではメルキト族の族長トクトアの話も結構あった。同じ大草原でも森があったりバイカル湖があるなど自然豊かで他国との交易や朝貢も盛んな土地柄なのだ。トクトアは森が好きで黒貂を射止めたり狼を飼い慣らすのが上手く、同じ戦士でも草原の騎士というより寧ろ森の狩人という感じがした。それでも過去の戦ではジャムカの部隊を打ち負かすなど、こちらもまた力強さや逞しさ、バイタリティがある族長だった。
そんな中でメルキト族が問題を起こした。船上輸送の視察を目的にメルキト族の領内に行ってたキャト氏の集団を数名殺害し、残りは捕らえたのだ。テムジン様が使者を通じてトクトアに抗議して返還する話になったものの、別の有力者が捕えた者を全員殺害したのだった。
いよいよメルキト族も巻き込む大戦闘になるのだろうと予感がしたばかりだった。
海外が舞台ですし、暫く読み進める間に徐々に読み慣れていければと思います。
今でこそウランバートルなどの街ができて定住化が根付いたモンゴルですが、かつての遊牧民や騎馬民族の生活やその実態が色濃く描かれてて読み応えもあると思います👍?
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