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この本を買った時にまず思ったことで早速調べると、竹を筋違いに組んで縄などで固定して作る柵や垣根とのことだった。
前巻から中国王朝の金国が大草原の戦に影響力を及ぼしてきて、各氏族や王国が金国と組むか組まないかで2つの対立構造が明確化して、その構造のことを指すのか?と見当をつけて読み始めた。
これも前巻からの話だが、モンゴル族の中でもテムジン様が率いるキャト氏とジャムカが率いるジャンダラン氏が金国と組むか組まないかで同盟関係が終わり、遂には剣を交えて敵対関係にまで拗れた。今のところそれらしい描写はないが、個人的にはテムジン様と同じく金国と組むことで同盟関係が継続しているケレイト王国を率いるトオリル・カンが何かしら仕組んだ戦だと思っている。トオリル・カンは昔こそケレイト王国が平和で一般民が生活に困らないようにと考えて国王の任務を全うしていたが、今や大草原の覇者になりたいという強欲の塊になっている。
ただ、この戦ではテムジン様が一般民の集落を避けるように場所を変えたのに対してジャムカが一般民も巻き込むようなルートを選び一般民から死者も出したことから、ジャムカからは離れてテムジン様の下へ流れる者も出た。
これによりモンゴル族の中で以前からキャト氏と揉めてたタイチウト氏とジャンダラン氏の利害関係が一致し、族長が変わったメルキト族も引き入れるなど、テムジン様とジャムカが同盟関係だった頃からは考えられないような構造になる。やはり自分たちの生存を掛け、利害関係の一致する者と組む構図になってきた。
そんな中でタイチウト氏の族長の妻ラシャーンが占術師の導きにより北西の森へ行く描写があり、メルキト族の前の族長でアインガに族長を譲ってからは森で暮らすようになったトクトアと巡り会うシーンが印象的だった。お互いに考えてることが似てるからか意気投合してるように感じるし、トクトアはこれから始まる戦に関しても鋭い予想を展開するなど勝負師としての感性が健在だった。これは偶然逢いに来たラシャーンだけでなく、定期的に会いに来る現族長のアインガに対しても同じだったし、反金国の3者勢力の総大将を決める際のアインガへの助言も見事に的中するなど間接的でも影響力はあるなと感じることが多かった。
そんな中でも時が流れて遂に親金国の勢力と反金国の勢力に分かれて戦う時が来た。一進一退の消耗戦になり、反金国の勢力にはテムジン様やトオリル・カンが予想してた以上の纏まりがあったようで苦戦が続いた。それでも馬の体力だって無尽蔵ではないわけで、底が見えてきてお互いに総攻撃を仕掛けた。そんな中でタイチウト氏が脱落して敗走。テムジン様の部隊が山を超えて逃げた?と思いきや、馬を替えて突撃を掛けた。
馬の速さや体力が全然違うテムジン様が俄然優位になり、ジャムカやアインガの部隊も成す術なく敗走した。
これによりモンゴル族はキャト氏のテムジン様が勝ち残り、育ての父親イェスゲイ様が果たせなかったモンゴル族の統一を果たした。
しかし、ジャムカやタルグダイ、アインガという族長だった立場の人は死んだわけではないし、きっと逃げた先で生き延びながら戦力を整え直してテムジン様との再戦を狙いそうな気がした。
この戦には金国や西遼などの大国は入ってきてないけど、いずれはどちらも入ってくるだろうし、今回の戦では負けたジャムカやアインガ等も再戦という形で入ってくるだろうと予想できる。
この先にはもっと大きな戦、大草原の覇権をかけた戦など、戦はまだまだ始まったばかりという感じだけが残った。今は親金国と反金国の戦いだが、やがては勝った側の中で覇権を巡っての戦になりそうだし、どんな形であれ再戦もあるだろう。
テムジン様はこの後どんな道を辿ってチンギス・ハンとなるのだろうか?今は同盟関係にあるケレイト王国の主力人物、敵対関係で再戦を目論むだろうジャムカなどはどうなるのだろうか?これらが楽しみになってきた。
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