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この書籍の著者である金田正樹氏は、整形外科医で凍傷治療の第一人者で、30年間で少なく見積もっても800冷以上の凍傷患者治療に従事していた方で、ご本人もネパール・ヒマラヤの未踏峰の登頂に成功したり、エベレスト登山隊のチームドクターとしてヒマラヤ遠征をしている。更に劔沢の文部省登山研修所の冬山研修会の講師として25年間劔沢で講師を務める傍ら緊急医療に従事した方でもある。また、加藤保男氏、吉野寛氏、山野井泰史&妙子氏ら著名クライマーから彼等の凍傷治療を頼まれ、手術を担当した医者でもある。
この書の中で、著者は、凍傷治療では、重症な症例の場合、患部の切断を余儀なくされる症例が多く、手術した患者から感謝されることは極めて少なく、医者としても、これ以上患者の手や足の指の切断手術をしたくないという本音を述べている。
この本の中では、世界各地の高峰の登山で凍傷にかかり、著者が凍傷治療の第一人者であったことから、様々な治療依頼を受け、治療した事例が紹介されている。
一方、最近の登山ブームで冬山登山の入門コースとして選択されている八ヶ岳が凍傷に掛かりやすい最も危険な地域であり、中高年登山者が凍傷に掛かる事例が増加してきているとして、かってのアルピニストだけでは無くなっているとし警鐘をならしている。
凍傷は、アプローチが短く、登り易い山でも受傷する事例が増えているが、自分が注意すれば罹らずに済むものであるとし、凍傷のメカニズムや治療症例の実態等、凍傷の怖さを知るとともに、凍傷に関する知識を習得し、切断手術というような重症事態にならないようにして欲しいと結んでいる。
凍傷は、冬山の岩場のクライミング等を主とする登山者が罹るものと思っていたが、登り易い山でも、冬山装備の不備や不注意で誰でも罹患するものであることを知り、未熟さを反省した次第である。
凍傷は無知か無理がたたって出来るので、山岳部時代は、ほっぺに凍傷なんか作るとすごく責められました。凍傷は、私にとって恥です。
山の井康史、誤字ですね。山野井さんと妙子さんの凍傷は、恥で無いとおもいます。
yoneyamaさん、ご指摘、ありがとうございました。
山野井さんの苗字と名前を誤変換したまま、公開してしまい、失礼しました。
また、山野井ご夫妻が凍傷に掛かったのは、ギャチュン・カン北壁登頂後に悪天候になり、妙子氏が雪崩で流され、山野井氏が救助した後、ビバーグを余儀なくされ、水も食料も無い中、必死の脱出で奇跡の生還を成し遂げた代償として、重度の凍傷に罹ってしまったとのことだそうですね。ご夫妻は、凍傷の手術後もリハビリを続け、様々なクライミング活動をされている素晴らしいクライマーですね。
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